EDMという武器を引っさげて大復活!

BiSやEspeciaなど音楽性の高いアイドルグループで高い評価を得るつばさプラスと、モデル系に強くアイドルでも夢見るアドレセンスが絶好調なタンバリンアーティスツの両事務所がタッグを組んでアイドルを作った! と鳴り物入りで昨年誕生したアイドルグループ“ステレオ東京”。その関西版“ステレオ大阪”も誕生し、曲もいいだけにこれからの活動が楽しみだ……と思っていたら、昨年秋から特にアナウンスないままライブ活動で見ることがなくなってしまいました。

このまま自然消滅か……と思っていたら、今年4月に突然“EDMアイドル”として復活! しかも名前は英語表記で「Stereo Tokyo」と「Stereo Osaka」に、しかも両者が合体して「Stereo Japan」に! 5月20日にはファーストシングル『Electron』が発売、といきなりの攻め態勢での大復活です。

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6人組の「Stereo Tokyo」と8人の「Stereo Osaka」、両者が合体すると「Stereo Japan」に。5月20日に発売されるファーストシングル「Electoron」は「JAPAN」「TOKYO」「OSAKA」の3種類が発売。


STEREO JAPAN - Electron (Official Video)-You tube

……ってEDMってなんですか? という方もいらっしゃると思います。

EDMとはここ数年、各地で巨大フェスを開催されるまでに成長した音楽の1ジャンル。派手目のエレクトロハウスやプログレッシブハウスを中心としたサウンドで、David GuettaやCalvin Harris、Skrillex、Avicii、Zeddといった花形DJ/トラックメイカーを輩出しています。

日本でも“ULTRA”や“Electric Zoo”といった海外EDMフェスの日本版が近年行われており、フジロック、サマソニなどの大型フェスでもEDMアーティストが大きなポジションを得るようになってきています。

と、いっても当ガイドもEDMについては「なんか流行ってるなー」、「最近アイドルもそういう音増えてきたなー」程度で全然詳しくはないんですが。

ともかく世界的に最新かつ最も勢いのあるジャンルを武器に帰ってきたStereo Japanはどうアイドルシーンにこれから攻め込むのか? 水江チーフプロデューサーにお話をうかがってきました。読んでいくうちに「アイドルから学ぶEDM入門」になるかもしれません。そして「さすがBiSがいた事務所だなあ」と言いたくなるアイドル育成法とは…。

YouTubeで適当にMIXを検索してBGMに聴きながらお読みください! 前後編での掲載です。

「このままだと面白くないな」からのEDMアイドル

――まず昨年秋まで活動していた「ステレオ東京」から「Stereo Tokyo」へ、そして「EDMアイドル」へのリニューアルですが、どういった経緯で変えることになったんですか? 
「ステレオ東京はちょっと急いで作ったのもあって、ちょっとコンセプトとか詰めれなかったんですね。だからどこかでリニューアルしなきゃ、というのは考えてて。まあ、正直に言えば『このままだと面白くないな』と思ったからなんですけど(笑)」

――本当に正直ですね! ともかく危機感はあって。
「それでまず曲をどうにかしようと思ったんです。じゃあEDMはどうだろう? と思ったんですね」

――もともと水江さんはEDM好きだったんですか?

「そんなことないっすよ。聴き始めたのは去年の年末くらいからです」

――あ、本当に最近ですね(笑)。

「Aviciiとか名前知ってる程度でしたね。でも実際、EDMって日本だと日本国内で活躍してる人でEDMシーン牽引してる人とか表に出て来ないし、“ULTRA JAPAN”(マイアミで行われている世界最大級のEDMフェスULTRAの日本版)みたいなデカいパーティが日本で開催されたりしてるのを見て、『どうやら流行ってるらしい』止まりじゃないですか」

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StereoJapanメンバー。左より椎名彩花(MC/1998年生/green)、西園寺美沙(MC/1999年生/yellow)、八木来未(MC/2004年生/red)、河村ゆりな(MC/2002年生/blue)、三浦菜々子(DJ/1998年生/purple)、岸森ちはな(MC/1999年生/white)


――音楽雑誌やネットみてると「EDM、EDM」と名前は見るんですけど、体感的に流行ってる空気は薄いですよね、日本だと。
「それに今、日本のアイドルとかJ-POPでやっているEDMって、サビにちゃんと歌があって、音色をそれっぽくするくらいなんですね。でも世界では流行ってるEDMってちゃんとスタイルというか様式美があるんです。BPMが128だとか、サビに歌がないとか、あとダンダンダンダンダダダダダ……っていうビルドアップからドロップが来て、みたいな」

――すごい勉強になります! 
「サビに歌がないようなスタイルでちゃんとヒットしたのはSEKAI NO OWARIの『Dragon Night』くらいしかないのかな。あれもNicky Romero(世界DJランキング8位にランクインする実力派EDMプロデューサー・DJ)のプロデュースなんですけど」

――日本だとネットでヘンな感じで広まりましたけど、すごい雑な言い方ですが「EDMってああいうの」て説明するのに一番適当な曲が出てきた感はありますよね。

「本当に今まで日本人でいなかったんですよ。だから他にやってる人もぜんぜんいないし、ステレオ東京としてもメンバーの入れ替わりもやる必要があったから、このタイミングで『EDMアイドル』として全部変えようとしたんです」

――それでシングル『Electron』を作って。これも楽曲はさっきおっしゃった「BPM128」、「サビでボーカルなし」等々のEDMの基本を抑えつつ、MVも海外のEDMのMVで定番の「何かから逃げ続ける映像」と“世界標準”を意識した内容になってます。
「曲を作る時も、さっきお話ししたとおり、日本でEDMの曲作れる作家さんがいないんですよ。だからデモとか上がってくると、サビにボーカル乗ってたりするから全部突っ返します(笑)。それだとアイドルらしくはなるんですけど、安室奈美恵ちゃんとかと変わんなくなっちゃう。それから一ヶ月くらいやりとりしてやっと一曲出来る感じで」

お店の人殴るのが楽しいと思ったらやってもいいよ(笑)

――まだ現時点ではライブもリリイベも数回ですけど、アイドルファンにそういう本格的なEDMをぶつけて手応えは感じます?
「これはいけるはずだ、と作ったものに対する手応えはあるんですけど、お客さんが受け入れてくれるかどうかはまだわかんないですね。僕らは作ってるうちにすげえ楽しくなってきてるんですけど(笑)」

――いわゆるMIXとかコールをやりやすい曲ではないです。
「僕がもともとアイドルファンからスタートしてるってのもあるんですけど、アイドルファンって他のジャンルのファンに比べても一番面白いと思うんですよ。楽しくなくても楽しくする、みたいな即応性や機転の効かせ方とか、どんなライブよりも先行ってると思ってるんで。楽しむってことに関しては選ばれし精鋭だと思ってるんで。そこにEDMをぶつけてどうなるか? 楽しみではあるんですよね」

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Stereo Osakaメンバー。左より本母菜摘(MC/1995年生/blue)、山田由樹(MC/1991年生/orange)、田中彩友美(MC/1994年生/pink)、藤原寿莉(MC/2002年生/yellow)、青木詩絵(DJ/2003年生/green)、菊田愛琴(MC/2003年生/red)、重本悠花(MC/1996年生/white)、小道杏奈(MC/1994年生/purple)


――たしかにYou tubeで上がっていたタワーレコード吉祥寺店のリリイベの映像はいままで見たことのないリリイベ映像で、あれはインパクトありました。

Stereo Tokyo0418-You tube(タワーレコード吉祥寺店リリースイベント映像)

――お客さんのノリも混在してて。

「ただメンバーのパフォーマンスはまだまだこれからなんで。僕達が出来るのは、曲を作るとかプロモーションで口コミが起きるように仕掛けを作るだけ。ステージ上に立った瞬間から、僕らは何も出来ない。あの子たちがその場の状況に合わせて盛り上がりを作れるかと思うんですよね。そこは僕らは触れられない所なんで」

――メンバーにステージではどう見せろ、みたいな指導はしてるんですか?

「常々言ってるのは、『ちゃんと歌うとか、ちゃんと踊るとかは忘れてもらってもいい』と」

――あははは、いちおう教えるけど忘れていいと。

「ライブやリリイベで、外のステージで進行も音響もグダグダって時もあったりするじゃないですか。そんな中で形どおりのパフォーマンスしてもお客さんの満足度は低いですよね。だったらブッ壊れててもいいから、アカペラでもなんでもいいし、お客さんが楽しいって思えた瞬間が勝ちだと。音がどうとか踊りがどうとか歌がどうとかはわりとどうでもよくって、『楽しければすべてが正義だ』って話はメンバーに言ってます。お店の人殴るのが楽しいと思ったらやってもいいよ、と(笑)。終わったら大人が謝りにいくから。面白ければすべてが正義、エンターテイナーになってください、と。あとはもうなんでもいいです。人が死んだりしなければ」

――その辺の自由さとタフさがないと今のアイドルは生き抜けないですからね。店員殴るのは困りますけど(笑)。

“EDMアイドル”Stereo Japan後編はこちらです。


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Stereo Tokyo
Stereo Osaka
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