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スズキ ST250Eタイプ 一週間通勤試乗レポート

スズキ伝統のクラシックバイクであるシングルエンジンを搭載した250ccバイク・ST250Eタイプを一週間通勤で使ってインプレッションをお届けします。軽くて扱いやすいと評判ですが、実際に都内で使ってみて感じたポイントとは?

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

気負わず乗れるクラシックバイク ST250 Eタイプ

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1994年から2004年まで販売されていたボルティーの後継機にあたるST250。共通するコンセプトは「高性能を追求せず、手軽に乗れて日常使用に適した乗りやすい仕様」ということです。

以前ボルティーを所有し町乗りや通勤に使用していた事がありますが非常に乗りやすく、ちょっと近所に出かけるにもバイクを出すのが億劫になりませんでした。

ST250は2003年12月12日に販売が開始されました。ボルティーに比べるとデザイン面が洗練され、エンジンなど動力性能面も向上されました。

また当時の価格が34万9千円【税抜き】と比較的安価だった事もあり、現在までロングセラーモデルとして販売が継続されています。※現在は48万4980円【2016年8月現在】

当時ST250にはバリエーションモデルとしてST250 Eタイプが存在し、マニュアルデコンプ式キックスターターや各部にメッキパーツが装備されていました。しかし現在では、ST250とST250Eタイプは統合され、カタログにはST250Eタイプのみが掲載されています。

ボルティーからST250に進化したスズキの単気筒250ccクラシックバイクの歴史は20年に及びますが、私が乗った事があるのは前モデルのボルティーだけです。

2008年のマイナーチェンジを最後に大きな変更は加えられていませんが、ボルティーからどれだけの進化があるのか?今回も一週間都内の通勤で使用して試乗インプレッションをお届けします。

ST250は価格は上がってしまったが質感も向上している

st250 フロントビュー

st250 フロントビュー


発売当時34万9千円だったST250ですが現在は特別な仕様だったEタイプしかラインナップされておらず、価格が44万9千円(税抜き)と割高になっています。

価格高騰の一番の原因はアナログな燃料供給方式であるキャブレターからコンピューター制御のインジェクション方式に変更されたことや厳しくなった排気ガスの規制に適合する為にマフラー内部に白金コーティングが施された触媒が装着されたことによって車両原価が高騰したのが原因であると言えます。

結果的に新しい環境基準に適合する為に値上げしたということになりますが、インジェクションを採用したことによってより細かい燃料の管理ができるようになり燃費が向上し、キャブレターのモデルと違い季節に関わらずエンジンの始動性が向上した為、より手軽な乗り物になったと言えます。

インジェクション化されたことでマニュアルデコンプ式キックスターターは廃止されましたが各所にはクロームメッキパーツが配置され、グラデュエーションのグラフィックが施されたガソリンタンクは質感の高さを感じさせます。


ボルティーから引き継いだ乗りやすさはST250Eで更に進化


st250サイドビュー

st250サイドビュー


最高出力19ps/7500rpmを出力する空冷4サイクル単気筒2バルブエンジンは高回転での伸びこそないものの、装備重量146kgという軽さもあり極低速から60km/hぐらいまでの加速には不満はなく、フロントの2ポッドキャリパーの油圧式シングルディスクブレーキの制動能力にも不安がありません。

シート高は770mmと特別低いわけではないはずですが、跨ってみると車両重量が軽いこともあり足つき性に不安は一切ありません。

ガソリンタンク容量は12Lと250ccクラスとしては一般的な容量ですが、最も燃費が悪い都心部でのストップ&ゴーが多いシチュエーションで30km/L程度の燃費が確認できました。

実用的なスピードレンジは80km/hぐらいまでで、100kmでの巡航も不可能ではありませんが振動は多くなってきます。

フロント90mm、リア110mm幅のタイヤは台湾のチェンシンタイヤが使われています。最近は台湾のタイヤメーカー、デューロやケンダ、チェンシンなどが純正採用されることも増えてきており街中走行ぐらいであれば不満はありません。

ただし、ボルティーを所有していた際に体感したことですが、純正タイヤは比較的溝の多いクラシックなパターンのタイヤが純正採用されていますが、もう少し溝の少ないロードタイヤを装着する事で、旋回、加速性能が飛躍的に向上し更に乗りやすくなるので、タイヤ交換の際にはロードパターンのタイヤを選ぶことをオススメします。

短いホイールベース、軽い車重、細いタイヤの為、ヒラヒラとレーンチェンジや旋回が可能で、都心部での通勤などにもピッタリです。

ST250Eタイプは性能を気持ちよく使い切る事が出来るバイク


st250 リアビュー

st250 リアビュー


最近のバイクはどんどん乗りやすくなってきています。それと同時に大型化してきています。

以前は400ccクラスのバイクを例にとってもリアタイヤは140mm程度の太さのタイヤを装着していましたが160mmサイズの極太タイヤが装着されるのが当たり前になってきました。

それに比べて、ST250は10年前のボルティーと比べても大きくなっておらず、相変わらず軽く扱いやすいバイクとしてラインナップされ続けています。

スペックを見比べてみても、ボルティーは乾燥重量が125kg。ST250はガソリンやエンジンオイルなどを入れた装備重量で146kg。

ガソリン1Lの重さは大体700g前後なので、ガソリンが8.4kg。それにエンジンオイルなどの重さも加わるので乾燥重量で考えればボルティーもST250もあまり変わりません。

伝統的な小さく軽いシングルエンジンのクラシックバイクST250は軽量コンパクトで足つきが良く、パワーもほどほど。扱いやすいパワーは初心者ライダーにはバイクを操舵する楽しみを教えてくれます。

熟練ライダーにとっては、性能を気持ちよく使い切る事ができるので人によっては物足りなく感じてしまうかもしれませんが、自分の手の内に納まっている感覚は余裕を持って運転する事ができるので安心です。

カワサキのニンジャ250Rの登場以来、250ccのスポーツバイクは人気のカテゴリになっており、各社高性能化に拍車がかかっています。

ST250Eタイプは性能を追い求めず扱いやすさに特化した一台といえます。

ST250Eタイプ ちょっとカスタムするなら



ちょっとコンビニに行くのにも出し入れが苦にならないバイクなので積載量を増やしておきたいところ。あまり社外のリアキャリアは販売されていませんが、キジマさんから専用のリアキャリアがリリースされています。もちろんトップケースはセットで欲しいところ!


軽量で扱いやすいことから女性やリターンライダーにもオススメのST250Eタイプですが、立ちゴケしてしまった際のダメージを軽減するだけでなく、倒れてしまった車体を起こしやすくする効果もあるエンジンガード。

もしもの時の為に装備しておきたいところですが、あまり大きいエンジンガードはちょっと、、、という方にオススメなのがキタコのエンジンガードです。小さめながら効果はしっかりとあります。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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