ナポリタン激戦区の新橋で、まずは「むさしや」さんへ

以前、上野御徒町界隈のナポリタンを食べ歩くという記事を書いた。それを読んだ知り合いから「ナポリタンの聖地は新橋じゃないの?」と指摘された。その通りなのだ。東京でナポリタンの激戦区といえば、新橋だ。そして、おもしろいことにほとんどのお店がニュー新橋ビルにある。まずは、超老舗ともいえる「むさしや」さん。
この日はSL広場でバザーなどが行われていた

SL広場の隣、新橋駅からすぐのニュー新橋ビル

ニュー新橋ビル一階にある「むさしや」さんは、カウンターだけのお店。「創業明治拾八年」と書かれている。超老舗。
いつも行列が絶えない

むさしや  東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル 1F

さすがに明治18年のことは知らないが、80年代半ばくらいからこの店のことは知っている。いまはもうやっていないようだけれど、当時は焼きそばが名物で、ソースが焼けるいい香りに誘われて、行列に並んだものだ。
ケチャップを炒めるいい香りがしてきた

行列の進みはけっこう早い

行列に並んでいる時に注文を聞かれる。このときは半分くらいのお客さんがナポリタンをたのんでいた。あとは、オムライスやハンバーグ。後ろの若い男性が「和風の大盛り」と注文している声が聞こえた。
600gとかなりの量

ナポリタン 650円

席に座ると、すぐにナポリタン登場。あー、そうだ、菅野夕霧さんの記事によれば、こちらのナポリタンは、600グラムだそうだ。たしかに出てきた瞬間、全部食べられるかなと不安になる。でも、ひとくち食べて、さらに不安。かなり強めのケチャップ味だ。

しかし、食べ進むとベーコン、玉ねぎ、ピーマンなどの具材の美味しさや、タバスコや粉チーズをかけて、変化をつけたり、少しだけついてくる味噌汁なんかを飲みながら食べ進むと、最期までおいしくいただけた。不思議なナポリタンだ。そうそう、和風スパゲティの大盛りを頼んだ若者は隣に座ったんだけど、提供されたものは、ものすごい量だった。

【関連サイト】
むさしや(洋食/新橋/創業1885年) [100年店ランチ] All About

次ページではカフェテラス ポンヌフさんでハンバーグスパゲティをいただきます。
 

「カフェテラス ポンヌフ」さんでハンバーグスパゲティ

最初に就職した出版社で営業をだったが、担当するエリアのひとつが新橋だった。その後出版社をやめて、フリーライターになったんだけれど、やっていた雑誌が『とらばーゆ』とか『週刊就職情報』という雑誌で、編集部が新橋にあった。その関係で、週に何度か新橋にはきていた。80年代のことだ。

まだメールはもちろん、ファックスだってそんなに普及していない頃で、手書きの原稿を編集部に持参するために新橋にやってきていたのだ。
このビルの一階にカフェテラス ポンヌフがある

新橋駅の地下からも入れる新橋駅前ビル

たいてい〆切りの時間近くになっても原稿できていなかった。僕は地下鉄で新橋まで行き、この新橋駅前ビルの地下にある喫茶店(今はもうない)で原稿を仕上げて、編集部まで持っていった。なぜか喫茶店で原稿を書くとはかどった。

編集者はざっと原稿を見て、よければ「お疲れ様」と解放される。ダメなら、ライター用の机があって、そこで書きなおした。そして、帰りに「カフェテラス ポンヌフ」さんによく寄った。
以前は第一京浜側の入り口から入れた

カフェテラス ポンヌフ 港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館 1F

書店営業時代にも何度か訪れたことがあった。フリーライターになって、新橋に来たとき第一京浜側から入ろうとしたら入れなくなっていた記憶がある。今もそちら側の扉は閉ざされている。当時は、日替わりのランチセットのようなものもやっていて、たいていはそれをいただいていたと思う。
ハンバーグスパゲティというメニューがある

カフェテラス ポンヌフのメニュー

こちらのメニューに注目してほしい。「ハンバーグスパゲティ」というのがある。ここでいうスパゲティとはナポリタンのことなのだ。昔は、スパゲティ=ナポリタンという店が多かった。というわけで、ハンバーグ+ナポリタン。昔は「ハンスパ 大盛りで」と注文していた気がする。今は大盛りどころか、普通でも食べられるかどうか心配。ということでやってきたのがこちら。
ナポリタンは650円

ハンバーグスパゲティ 850円

オレンジ色の憎いやつだ。おっと、ここのハンバーグはまさに昔ながらなんだね。昔、母親がよく作ってくれたのによく似ている。玉ねぎがシャリシャリするかんじがいい。ソースを掛けたくなるんだけど、卓上にはなかった。卓上にあったのは粉チーズ、タバスコ、塩だ。

で、ナポリタン。一口目はけっこう甘さを感じる。見た目ほどケチャップは強くはない。いや、人によっては強いと感じるかもしれないけれど、「むさしや」さんよりマイルドだ。まさにタバスコ、粉チーズコンビが合うタイプ。麺は昔ながらの茹で置きタイプ。やわやわ感がケチャップに合うねぇ。量は「むさしや」さんほどではないけれど、けっこうある。銀のお皿もなんだか懐かしいね。

【関連サイト】
カフェテラス ポンヌフ (Pont Neuf) - 新橋/喫茶店 [食べログ]

次ページではPOWAさんでナポリタンをいただきます。
 

喫茶店「POWA (ポワ)」さんで懐かしいナポリタン

再びニュー新橋ビルの2階。いつの間にか、2階はマッサージ屋さんだらけになっていた。それにしてもこのビルに喫茶店はまだいくつかあるんだねぇ。目指すは「POWA (ポワ)」さん。
まさに昭和テイストの喫茶店

POWA 港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル 2F

店頭にある食品サンプルがなんともいい雰囲気。昭和テイストな喫茶店だ。こちらの喫茶店、頻繁ではないけれど、何度かきたことがある。フリーライターになって、ビジネス評論家の人たちを取材することが多かったんだけど、そのときにこの喫茶店を指定する方がいらっしゃったからだ。コーヒーを飲んだことはあるけれど、食事をするのは初めてかも。

もちろんナポリタンを注文。ウエイターの男性が、「セットでなくていいですか」と言う。「いいです」とキッパリ。単品だと690円。コーヒーとセットだと970円。「あとでセットにしてくれと言われてもできませんので」と言われる。で、まずは、粉チーズとタバスコという必須アイテムがセットされる。そして、ちょっとしたサラダがやってきた。
こういうの、うれしいね

ちょっとしたサラダがつく

こうして、ちょっとだけ付くサラダもいいよね。さらに少し待って、到着したのが、こちらのナポリタン。香ばしいいい香りがする。思わずフォークを入れたくなるビジュアルだ。さっそくいただいてみよう。
実にオーソドックスなスタイル

ナポリタン 690円

これまでの2店に比べると、懐かしさということでいえば、こちらがいちばんかもしれない。昔はこういうナポリタンを出す喫茶店が多かった。
マッシュルーム、ベーコン、タマネギ、ピーマンという定番の具がいい

もっちりした茹で置きの麺にケチャップ味

ケチャップ味はさほど濃くない。ほどよくよく炒められているのがいいね。食べていて、ふと学生時代のことを思い出した。70年代の後半、僕は喫茶店でアルバイトをしていたことがある。僕の仕事のひとつは茹で上がったスパゲティを200gずつラップに包むというものだった。それらはすぐには使わず、翌日の分となる。ひと晩寝かすのだ。たぶん、そういったかんじの麺だと思う。

食べ終わると、やはりコーヒーが飲みたくなった。周囲からコーヒーのいい香りがしているからだろうか。しかし、セットにはならないので、ブレンドコーヒーは500円。合計で1190円。セットだと970円。うーん、がまんして、席を立ち、会計をした。

【関連サイト】
POWA (ポワ) - 新橋/喫茶店 [食べログ]

次ページではスパゲティ・キングさんでナポリタンをいただきます。

「サンマルコ」さんでいただく家庭的ナポリタン

再び、ニュー新橋ビルへ。おっと、その前に、SL広場から道を渡った、ビルの地下二階にある「パンチョ 新橋店」を見てみよう。けっこう階段を降りる。地下一階にはラーメン店の「一蘭」が入っていた。さて、パンチョさん、けっこうな行列だ。まあ、ここは前回の上野・御徒町編でも訪れたので、今回はいいか。後ろ髪を引かれる思いでニュー新橋ビルへ。2階にあがる。「ポア」さんと同じフロアにある「サンマルコ」さんをめざそう。
ニュー新橋ビルの2階にある喫茶店「サンマルコ」

東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル 2F サンマルコ


「ポア」さんとおなじフロアだけれど、ちょっとわかりづらい場所にある。 久しぶりにこのエリアに来たけれど、昔とはずいぶん変わった雰囲気だ。
 
ラインアップは喫茶店の王道メニューだ

手書きのメニューがなんとも素敵

2番目に書かれているのがナポリタン。こちらをいただいてみよう。

 
なんだか家で食べているかんじ

味噌汁にちょっとしたおかずもついてくる

やってきたのはこちら。喫茶店のナポリタンというより家庭的なセットになっている。

 
毎日でも食べられそうなやさしい味だ

よく炒められていて、なかなかおいしいナポリタン!

やはり、新橋のナポリタンは奥が深いねぇ。喫茶店系の「ポワ」「サンマルコ」、ロメスパ系の「むさしや」「パンチョ」、洋食系の「ポンヌフ」などいろいろなパターンがある。
 
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