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女性がフルタイムで働くのはつらい? 更年期症状との向き合い方

50歳前後の女性の多くが悩まされる、更年期障害。女性がフルタイムで定年まで働くことが難しいとされるのもこの時期が一つの原因です。身体の不調だけでなく、集中力が低下したりマイナス思考になるなど、職場に行くのがつらいと考える人も多いのが現状です。

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

女性は定年まで働くのが難しい?更年期を乗り越えたいあなたへ

女性が定年まで働くのが難しい……乗り越えるためには?

女性が定年まで働くのが難しい……乗り越えるためには?

外で働く女性が、自分の意思に反して仕事を辞めるかどうか悩む時期は人生で「2度」あるのではと私は考えています。

前半は妊娠出産の時期。そして後半は更年期の時期です。出産前後の女性は年齢的にも若く、体力と気力もあります。環境、保育所など周りのサポートが整えば仕事と育児、家事をフル回転でこなすことが可能です。もちろん大変なことは間違いないのですが、「若さ」は「やる気」を鼓舞します。

そして更年期。平均50.5歳で閉経を迎え、その前後の期間が女性ホルモン減少の影響でマイナスの影響が出る時期です。その期間は人によって様々です。それほど気にならない人もいれば6年以上、焦燥感が持続し不眠に悩んでいるという人もいます。

40代になると、昔のようには体力がないのに加え、女性ホルモンの影響で「やる気」を出そうと思ってもヘナヘナとくじけてしまう世代です。更年期障害で仕事に支障が出るほど辛いと思う女性達はいったいどのくらいいるのでしょうか。

「ホルモンケア促進プロジェクト」で「体調と仕事・家庭に関するアンケート」を行いました。その調査結果をもとに更年期の体調と仕事について考えてみましょう。
 
<目次>
 

あなたはどう? 更年期障害が辛くて仕事やめたい?

「更年期障害が辛くて、仕事をやめたことや、やめようと思ったことはありますか」という設問の回答結果があります。

「仕事をやめた」「仕事をやめようと思った」方は合わせると20.8%。約2割が職場に行くのが辛い、職場で自分の今までのパフォーマンスを維持できないと思っていることがわかります。

「更年期によって、仕事に支障が出た事がありますか」という設問では「集中力の低下」が際立って目立ちます。「よくある、たまにある」の割合が54%を超えています。

集中力の低下とはどんなことが起こるのか?まさに私も更年期世代なので、そんなシーンに多々遭遇します。今いる場所から他の部屋に必要な物を取りに行くとします。途中でふっと別のことを考えると(例えば宅配便の不在届けが入っていたから電話しなくてはなどのたわいないこと)、その部屋に着いた時「何を取りに来たっけな?」となるわけです。物忘れと言えばそれまでですが、集中力が低下すると情けないほど思考回路が駆け巡らなくなるのです。

30代の頃の比ではありません。厳しい職場で「ああ、次に何をすれば効率よくできるかな」「○○さんに仕事の手順をわかりやすく説明したいけど何が重要ポイントなのかな」「上司にあれもこれも指示されたけど、どれからやればいいのかな」と混乱するシーンが重なると、職場で今までのパフォーマンスを発揮するのは難しいと悩むことは間違いありません。そのうえ、更年期には鬱っぽくなる、身体がだるくなりシャキシャキ動けないという厄介な症状もあるものですから、三重苦です。調査結果でも「仕事が嫌になる」と答えた人が半数近くいました。

私の周りも同世代50歳前後の知人が多いのですが、フルタイムはきつくなったので時間を短縮してもらった、週3回のパートタイムにしてもらったという人もいます。職場でイライラして人にあたってしまうのを反省している人もいました。
 

不安でいっぱい! マイナス思考のスパイラルにはまる更年期女性

「更年期障害がつらくて、管理職ポストや責任のある立場を辞退したことがありますか」

この設問には半数が辞退した事がある、17%が辞退を考えたことがあると回答しています。前述した更年期の症状が長引くようでは職場で責任がある仕事ができないと不安になります。

妊娠出産で仕事を続けるかを悩む時期と違い、更年期世代は漠然とした不安を抱えています。「保育所のお迎えがあるから帰ります」「子供の手が離れたらばりばり頑張ります!」という力のある言葉は言えません。「こんな状態が老後まで続くのかしら」「このままおばあちゃんになってしまうのね」というマイナス思考になりがちです。この症状と戦っていると「職場で迷惑をかけるので定年まで働き続けるのは難しい」と考えるのは当然のことです。ここでくじけないようしなければいけません。
 

更年期症状と良好な関係を築くことの大切さ

職場の方々は、50歳前後の女性はホルモンの影響で身体と気持ちが不調になるという事実を少しでも知っていただきたいです。そしてまさにその症状に悩める更年期世代は周りに自分の症状を伝えてみるのもいいと思います。

「眠れない日が続いたの。ぼーっとしてたら背中叩いてね」というように具体的に症状を伝えることで、周りの人に更年期障害について知っていただけると思います。そして頑張りすぎないことも必要です。職場で甘えるのはダメと頑張りすぎも、身体はついていかないし、頑張りすぎることで逆にむなしくなるので、一旦休みを取るなどして自分の更年期症状と「良好な関係」を見つけてゆくのがよいと思います。いつかはその症状は治まると前向きにとらえて仕事に臨む姿勢を忘れないようしましょう。

さて女性の人生、仕事を続けるか否かの2回の選択時期。いずれも女性ホルモンが大きく関わっています。

そしてお気づきですか? 前半の若い次期は、パワーで乗り切れるけれど後半の更年期はパワーダウンしていることを。それを補うような体調管理と、気持ちのリフレッシュ方法を職場の仲間にも相談しながら仕事の継続をする方法を考え出すことが大切だと考えます。

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