フィンランド/フィンランド基本情報

フィンランドを格安で巡る!バス界の革命児オンニバス

前代未聞の低価格志向と国内外どこからでも手軽に利用できる予約サービスによって、今フィンランドで話題沸騰中の新興バス会社オンニバス。移動費が高額なのは当たり前だったこの国において、路線や予約のタイミングによってはなんと1ユーロから100キロ以上先の主要街への移動ができてしまう、フィン交通サービス業界の革命児。価格面以外でも旅行者にとって利用価値の高いサービス内容や予約方法について、紹介します。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド

驚愕の価格破壊で勢いを強めるオンニバスは、長距離移動者の強い味方!

バス車体

赤いボディの2階建ての車体がトレードマーク。オンニ(onni)とはフィンランド語で、「福、幸運」の意味


従来、フィンランド国内で街から街へと長距離移動をする場合、飛行機のほかにヴェーアール(VR)社の鉄道サービスか、マトカフオルト(Matkahuolto)社の長距離バスサービスを利用するのが一般的でした。一方、これまでチケット価格の高さがネックであった長距離移動サービスのマーケティングに本格参入してきた新興バス会社が国内外でにわかに注目を集めています。それこそが、真っ赤な車体の2階建てバスを国内各地に走らせるオンニバス(Onnibus.com)。

オンニバス公式ウェブサイト(英語)

オンニバス最大の魅力は、物価が高いフィンランドでは前代未聞としかいいようのない、驚愕の低価格志向。チケットの販売価格を走行距離だけではなく移動時間帯や予約のタイミング、キャンペーンなどで柔軟にコントロールしており、買い時や出発時間の選び方によってはなんとたったの1ユーロで何百キロも先の街への移動が可能になってしまうのです(チケット予約料1ユーロは別途必要)。たとえ最高価格で買うことになったとしても、同じ移動区間の他社サービスと比べればまだお得。近年はこのオンニバスに刺激されて、他の長距離バス会社・長距離列車も運賃を下げる傾向にあるほどです。ここまで安いとサービスに問題があるのではないか?などと、当初国内でも戸惑いの声があがっていたほどでしたが、実際オンニバスは低価格であるだけでなく、さまざまな優良サービスによってもリピート客の固定に成功しているのです。

外国人旅行客でも安心して利用できる、オンニバスの優良サービス

wi-fi

無料wi-fiが使える上に、充電用コンセントがあるので車内でもネット利用に困らない

まず、予約については世界どこからでもオンライン予約が可能。英語サイトも充実しているので、外国人旅行客でもスムーズにチケット予約ができます。乗車時には、予約完了後に送られてくるEチケットを印刷して見せるか、Eチケットに書かれた予約番号を控えておき運転手に伝えるのでもOK。現地でのわずらわしい発券手続きや支払いなどもなく、予約さえ成功していればとてもスムーズに乗り込むことができます。従来は完全自由席でしたが、2017年夏より予約の段階で座席指定も行なうシステムに変更されました。ミニテーブルを挟んで4人グループで向かい合って座れるシートや、最前列のゆったりシートなどは、数ユーロの追加運賃を払わないと席が取れません。一般座席は多少リクライニングができますが、席幅はやや狭いかなとという印象。

バス車内では、無料wi-fiが使えるほか、各席の足元にコンセントが完備されていて携帯電話やパソコンの充電もできてしまいます。長距離移動中にメールチェックやブログ更新ができるのは、旅行者にとってもありがたい環境ですよね。また車内にはトイレもついているので、いざというとき安心。夜間はバス全体の照度を落としますが、個々人用に読書ランプが利用できます。

トイレ

車内にあるトイレも清潔で頼れる存在

積み込める荷物に関しては、バスのお腹に最大20キロの荷物を1つまで、そして手荷物1つを車内に、というのが基本ルール。スーツケースも預けられるので旅行者でも困らないはずですが、あまりに持ち込み手荷物が多いと、混雑時は断られる可能性もあるのでご注意ください。ベビーカーや自転車は、折りたたみ式のものなら預け荷物にすることが可能。ペットの乗り込みは禁止されています。

運行区間については昨今どんどん路線拡大が進んでおり、2017年8月現在、ヘルシンキ、タンペレ、トゥルク、ポリ、コトカなど南部の臨海都市間はもちろん、ユヴァスキュラ、クオピオ、カヤーニ、オウル、ヴァーサなど中北部の街、そしてなんとラップランドの玄関口、ロヴァニエミまで移動できるようになりました。利用者が多い区間は1日に数本の便が出ています。また、主要都市間の小さな街や村にも乗り場が増えてきており、列車ではアクセスできない地方街へのアクセスが可能、という場合も。なお、ヘルシンキのメイン発着バス停は、ショッピングセンター・カンッピの地下にある長距離バス発着場です。

オンニバスチケットの予約方法

ウェブサイト

オンニバスの予約サイトのトップページ(英語版)。現地語や英語が堪能でなくとも、シンプルな単語やアイコンを追いながら、楽々予約手続きを進められる

オンニバスのチケットは、事前のネット予約が基本。もし当日に空席があれば直接運転手に運賃を支払って乗車することも可能ですが、人気区間は満席も当たり前なので、やはりあらかじめチケットを抑えておくのが賢いでしょう。オンニバスのウェブサイトで発着都市と移動予定日、人数を入力すれば、候補便とそのチケット価格が一覧となって表示されるので、希望時間を選択し、座席指定を行なって精算ページに進みます。

バス

バス停では別の行き先のバスが並んでいることもあるので、行き先をよく確認してから乗車しよう

前述したように、同じ区間のチケットでも価格は予約のタイミングによって変動し、基本的には早く予約するほど安いチケットが買える可能性が高まります(ただし予約ができるのは先3,4ヶ月の分まで)。チケット料金は学生もお年寄りも同価格となります。またチケット料金とは別に、精算時には予約手数料1ユーロが自動的に引かれますが、1回の予約で同時に何枚も購入することができます。支払いには、各種クレジットカードが利用可能。一度精算を完了したチケットのキャンセルや払い戻しはできませんので、ご注意ください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます