もう一昔前になりますが、この「田舎暮らし」サイトで、マルチハビテーションの話題を取り上げたことがあります。都市と田舎にそれぞれ住まいを確保して両方に暮らす、二地域居城という暮らし方。少々経済的に苦しくても、自分(家族)らしいこだわりを目指すラフスタイルでした。

同じ頃、総務省が「交流居住」という、多様な居住スタイルを実現させる施策を提案しています。都市と田舎の両方に滞在拠点を持ち、双方を仕事や余暇で使い分け、地元の人々との交流を楽しみながら生活するというもの。

しかし、マルチハビテーションも交流居住も決して楽ではありません。都市と田舎の複数住居の購入とそのメンテナンス、移動のための交通費、急ぎの仕事への対応、都会人と地元の人との付合といった、様々な面での負担が増えるのが課題でした。

二地域居住から週末田舎暮らしへ

UIターンといった従来型の田舎暮らしには、コノ地に根を張るぞという覚悟と退路を断ったような(ちょっと大袈裟ですが)イメージがあります。しかし、慣れない田舎の自然環境やご近所付き合いにヘトヘトになったり、都会の便利な暮らしが忘れられず、再び都会に戻る人も少なくないのが現実です。

ここ数年、平日は都市部でバリバリ仕事をこなし、週末は自然の中でゆったりと過ごすという、新しい田舎暮らしのスタイルが登場してきています。マルチハビテーションより気楽に実践でき、将来の100%の田舎暮し実現のための試運転ともいえるスタイルです。

週末に通える田舎(地域)を探す

東京・大阪・福岡などの大都市近郊の田舎候補地をピックアップしました。大都市から週末ごとに通える、都市と田舎いいとこどりの暮らしです。(ガイドの独断チョイスですので、あくまでご参考に)

早朝サーフィン!それから通勤/東京→千葉県一宮町

目指せ週末サーファー

目指せ週末サーファー

・JRで約60分/東京駅から京葉線・外房線を通る「特急わかしお」利用で、上総一ノ宮駅下車。
・JRで約80分/通勤快速列車の始発駅(上総一ノ宮)なので座って通勤可能。
・車で約90分/首都高速~京葉道~千葉東金道路~東金九十九里道~九十九里有料道路を経由。

ココがイチ押し
・早朝にサーフィンをしてから都内へ通勤する人など、リゾート定住を提案。
・九十九里浜の南端に在り、沿岸を流れる黒潮でしきを通して過ごしやすい気候。日本有数のサーフポイントを有しています
・中学校3年生まで所得制限なく医療費の補助、高齢者むけの無料の外出支援「新にこにこサービス」などの生活支援が整っています。
・移住お役立ちサイト「ICHINOMIYA」を開設し、カフェ・農業・子育て・ファーマーズマーケット等々、様々なライフスタイル情報を発信中。

都会田舎(とかいなか)でスローライフを/東京→栃木県矢板市

・JRで約80分/JR東北新幹線で東京駅から約50分で宇都宮駅。JR宇都宮線下りに乗換え約30分で片岡駅・矢板駅下車。
・車で約90分/東北自動車道浦和I.Cから矢板I.Cまで約120キロ。(市内を国道4号が縦断・国道461号が横断)

ココがイチ押し
・ほどよく都会でほどよく田舎だから、都会田舎(とかいなか)をキャッチフレーズに、スローライフを提案。
・豊かな山々に囲まれ湧水も多く、夏涼しく、ウィンタースポーツと温泉が楽しめます。
・就農・住宅・育児・起業などへの多彩な支援策を展開しています。
・1時間圏内に通学できる学校教育等施設や、総合病院から町医者的医療機関までの医療施設が整っています。

湖のほとりで田園ブランドを創る/大阪→滋賀県米原市

交通インフラを駆使しよう

交通インフラを駆使しよう

・新幹線で約35分/新大阪から米原までひかりで約35分。
・在来線で約1時間25分/大阪から京都まで新快速で30分。京都から米原まで新快速55分。
・車で約80分/名神高速道路の大阪から京都まで30分。京都から米原まで1時間。

ココがイチ押し
・琵琶湖の畔から広がる田園地帯に在り湖から山までの自然に恵まれ、尚かつ中京、京阪神方面へのアクセスに優れています。
・空き家見学会とそば打ち体験や雪掘り野菜収穫体験などを数の集落が連携し、都市と田舎の交流事業を開催しています。
・地域産業の振興と雇用の促進を図るための「若者・女性起業支援事業」や、地域資源を活用した特産品等の開発・販売と情報発信を図る「米原ブランド創造事業費補助事業」など、起業支援を展開しています。

アウトドアを楽しみながらのハローワークを/大阪→兵庫県加西市

・車で1時間程度/新大阪駅から北条間で約69分。高速バスが充実しており、乗り換えなしで移動できることから京阪神への通勤で利用されています。

ココがイチ押し
・市の北部では播磨平野が一望することができ、晴れた日は明石海峡大橋が見えます。南部は自然公園が整備され、ハイキングやキャンプが楽しめます。
・約1,300年前に編纂された「播磨国風土記」に登場し、市内には古墳群・石造文化・神社仏閣・伝統芸能など、数多くの文化遺産があります。
・新規就農者支援を始め、住宅取得と家賃補助、保育料や医療費補助、空き店舗活用補助、ハローワーク連携の職業相談など、若者向けの独自のバックアップ体制をとっています。

交通インフラを駆使して田舎の子育てを考える/名古屋→静岡県島田市

高速バスで読みながら飲みながら

高速バスで読みながら飲みながら

・車で約1時間19分/新東名高速道路の島田金谷ICから東名高速道路の名古屋ICまで。

ココがイチ押し
・南アルプスへ続く山々と緑豊かな台地、空港・高速道路・国道1号など国内有数の高速交通の結節点。都会的な便利さとのどかな田舎の良さの両方を併せ持つ町です。
・子供に係る相談窓口として「子育てコンシェルジュ」、家庭訪問による育児支援や相談を行う「育児サポーター」を配置しています。
・農業を始めてから経営が安定するまでをバックアップする。青年就農給付金制度があります。

大都会から約60ミニッツ!スキー&温泉に飛び込む/名古屋→岐阜県郡上市
車で約1時間/名古屋から東名高速道路の一宮JCTまで約10分。東海北陸自動車道の一宮から郡上八幡ICまで約52分。
長距離バスで約1時間26分/名鉄バスセンターから(名鉄バス・JR東海バス・濃飛バス等が共同運行)郡上八幡ICまで。

ココがイチ押し
・市の面積の約90%を山林が占め、長良川をはじめとして数多くの川が流れており、緑に囲まれ豊かな水に恵まれた土地です。
・市北部に8ヵ所のスキー場がある、ウィンタースポーツのメッカ。スキーやスノーボードの他、自然の中を歩くトレッキングも盛んです。(温泉施設も13ヵ所あり、様々な泉質が楽しめます)
・新規就農者向けに、遊休農地の貸し手と借りたい人への紹介制度や、準備段階から経営までを総合的にサポートしてくれます。
・商工会が中心の「郡上創業塾」が企画され、カリキュラムの開催や創業者支援資金の融資など起業支援が行われています。

次回の、週末田舎暮らしはゼイタクなのか?は、住居(滞在先)編。廃校、滞在型農園、空き家バンクなどをリサーチします。
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