盆栽/盆栽の種類

冬の花もの盆栽

12月から2月の寒い時期に可憐な花を楽しませてくれる盆栽もあります。花の色や形を愛でるという楽しみは勿論のこと、寒い季節だからこそ花を開いているような強さを教えてくれるのも彼らの魅力だと思います。今回は、冬に咲く花もの盆栽の種類と、寒い季節に花を咲かせきるためのポイントをご紹介します。

山田 香織

執筆者:山田 香織

盆栽ガイド

1.椿(ツバキ)、山茶花(サザンカ)

白侘助

筒咲きの白侘助椿の花

早咲きのものだと10月頃から咲き始める椿は、多くの種類が12月から3月頃に開花します。写真は白侘助(しろわびすけ)椿です。

椿はお茶の木の仲間。山茶花(サザンカ)や初夏に花が咲く夏椿(ナツツバキ)も近い仲間です。11月から12月にかけて、椿よりも一足咲きに咲くのがサザンカですね。サザンカは花びら一枚一枚が独立しているのに対して、椿は花びらの元がくっついているので、花ごと散ります。サザンカもツバキも冬の訪れを告げるような花です。

2.寒木瓜(カンボケ)、長寿梅(チョウジュバイ)

寒ボケ

真っ赤な花が美しい寒ボケ

ボケの花は大部分の品種が3月から4月にかけて咲く春咲きの種類ですが、それよりも早く寒い時期に咲く品種をまとめて寒木瓜と呼びます。写真のような真っ赤な花もあり、この時期の赤い色彩は目を見張るような美しさがあります。


 
チョウジュバイの花

白花のチョウジュバイの花

こちらの写真は同じボケですが、草ボケという野生種の園芸種で、チョウジュバイと言います。長寿の梅という字を当てるので、梅だと思われる方が多いのですが、正しくはボケです。花期が9月から翌年の4月までと長いので、花期が長く梅のような花が咲き、おめでたいということで長寿梅という品種名になったそうです。


 

3.臘梅(ロウバイ)

ソシンロウバイの花

うつむきに咲くソシンロウバイの花

1月から2月にかけてはロウバイが花と何よりも爽やかな芳香を楽しませてくれます。よくニュースで各地のロウバイの開花が花便りで流れますが、本当に香りが良いです。盆栽で楽しまずとも、ぜひその香りは植物園などで楽しんでみてください。香りが良い花もの盆栽のナンバー1と言っても差し支えないでしょう。ちなみにナンバー2は初夏のクチナシの花だと思います。

4.梅(ウメ)

沢山の品種

梅には200種類以上の品種があります

ロウバイと同じく、1月から2月にかけてはやはりウメの花です。ウメについては別の記事でもご紹介していますが、数百種類の園芸品種があり、年末年始の園芸店では常連の花木ですね。ぜひ一鉢は盆栽としても楽しんでみていただきたいです。


 

花を咲かせきるポイント

このような花もの盆栽ですが、ついている蕾を咲かせきり、最後の一輪まで楽しむポイントをご紹介します。

1.置き場所
寒い時期の花ですが、だからといって過保護にはしません。暖房の効いた室内に入れ放しにすると開花が一気に進み、逆に木を消耗させてしまうからです。「凍らない程度、冷たい霜や風から盆栽を守る」、つまり寒冷地以外は簡易フレームの中や南側の風の弱い軒下で育てましょう。寒冷地の場合は暖房の入っていない屋内(できれば外光のはいる屋内)で育てます。

2.水やり
花を咲かせきる体力

花を咲かせるには木も体力を使います

冬の盆栽の水やりは、通常乾きを確認して2~3日に一度が目安です。花もの盆栽では、蕾が膨らみ始めると意外と乾くものです。2日に一度は乾きを確認しましょう。また、花の旬の時期、2~3日室内に飾って鑑賞することもあると思います。そうした際、室内は想像以上に乾きが早いので、水切れに注意しましょう。

3.肥料
花が咲く冬場の肥料のポイントについてですが、蕾が膨らみ始めたら、咲き終わるまで週に1回液体肥料をやりましょう。この場合の液体肥料は、水で薄めるタイプの肥料のことです。冬に咲く花は、基本的には休眠中に開花しており、前年に蓄えた養分で咲いています。ですから、速効性のある液体肥料を補って最後の一輪まで栄養を補給しましょう。

寒い季節の花もの盆栽はとてもあたたかみがあって魅力がありますから、ぜひ一鉢育ててみてください。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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