衆議院議員選挙も終わり、2014年もすっかり師走の様相ですね。住宅を取得する上で消費税率の引き上げの影響に注目が集まった1年でしたが、では2015年はどのようなことに注目すれば良いのでしょうか。住宅分野で今年起こった出来事を振り返りつつ、来年における住宅取得の環境を考えていきます。

消費税率10%引き上げは延長されたが…

まず、消費税や住宅税制、住宅ローンといったお金のことについて。今年4月に消費税率が8%に引き上げられたのはご存じの通りです。その結果、住宅市場に大きな変化が見られました。

建築現場

消費税率の引き上げの影響から、2014年の住宅着工は前年に比べ10%程度の減少に。消費税率アップというインパクトがなくなり、消費者の購入意欲が下がり、「買い控え」の様相となったと考えられる(クリックすると拡大します)

例えば、2014年度の新設住宅着工の予測(一般財団法人 建設経済研究所)は、前年度比10%減の88万8300戸となっています。ただ、これは一見、落ち込みはあまり大きくないように感じられます。

しかし、このうち「持家」は同22%減の27万5200戸。持家とはほぼ「注文戸建て住宅」のことを指しますが、これはリーマンショック後の2009年度(28万7000戸)を下回る数字です。

アベノミクスの成果は株高などに反映されていますが、住宅着工のような実体経済をみると実は低調さが目立つのです。このような状況を受け、消費税率10%へのアップが1年半先延ばしにされ、現状では10%の課税は2017年4月からということになりました。

また、2015年には政府が住宅取得支援策として、大きく以下の二つを検討しています。
  • 「住宅エコポイント」の復活
  • 「フラット35S」の金利引き下げ
住宅エコポイントは、これまでに二度実施されたことがありますから、皆さんにもなじみがあると思います。ある報道によると、新築やリフォームの場合には最大30万円分、耐震工事の実施や中古住宅を購入してリフォームを行う場合は、最大45万円分のポイントが発生し、商品券などと交換できるよにする方針のようです。

一方、住宅ローンの金利は現状でも史上最低レベルを維持していますが、フラット35Sの金利引き下げが行われることで、住宅取得を目指す方々にとってさらに有利な環境になるわけです。

このほか、住宅ローン減税の拡充や「すまい給付金」といった制度も用意されていることから、住宅事業者がいう「住宅は今が買い時」というアナウンスは、あながち間違いのない状況といえるでしょう。

「軽減税率」導入に関する議論が活発化

ちなみに消費税率10%への引き上げ延長の決定と共に、「軽減税率」導入の議論が活発化し始めました。これは国民が生活する上で重要な商品やサービスについて、消費税をなしあるいは税率を低減するという制度です。

軽減税率

衆院選では「軽減税率」を強く訴える政党も。「住宅はお金持ちの買い物」とみる風潮もある中、住宅取得にどのような軽減税率が適用されるか、国の判断には不透明さもある

欧米では一般的に導入されています。簡単な例で説明すると、食品は生活上、必要不可欠ですから税率が優遇され、逆に宝飾品などは「ぜいたく品」と見なされ、税率が高く設定されるというイメージです。

ただ、食品一つとっても実は複雑で、お米や食パンなどは軽減されていても、加工食品や外食の場合は税率が高く設定されるなど、欧米各国でも適用の実態は様々です。ただ、住宅については軽減税率が適用されています。

我が国では「住宅はお金持ちが取得するもの」という考えがあるように感じられますから、今後、どのような税制度になるかはわかりません。ちょっと先のことですが、これから住宅を取得するという方々には覚えておいていただきたいお話です。

さて、住宅に関するお金のことに話を戻すと、地価や施工費、材料費は上昇傾向にあるため、私の個人的な見解では2015年もまた住宅取得を考える上では不透明感が高い1年になりそう。これは東京五輪が行われる2020年までは高止まりの傾向になると考えられます。

住宅取得に関するコストの問題は、社会情勢に大きく影響を受けます。つまり、住宅支援取得策の拡充で表向きなコストでは「お買い得感」が出る一方で、周辺コストではそうでもない可能性があるということです。

次のページでは、2014年に発生した気になる太陽光発電システムに関する出来事から、2015年の住宅取得の環境を考えていきます。