身体の状態とニオイの関係

肉

おいしいお肉も食べすぎは悪臭に!

私たちは、生きるために食べ物や飲み物を身体に取り込み、それを代謝して栄養やエネルギーを得る一方、様々なものを排泄しています。

身体のニオイの元となる代表的なものは、便や尿のほか、小汗腺(エクリン腺)からの汗、大汗腺(アポクリン腺)からの分泌物、皮脂腺からの分泌される皮脂、呼気などです。身体の状態が変化すると、身体のさまざまな代謝も変化します。身体のいろいろな細胞がおこなっている代謝が変化すると、その細胞から出る代謝産物の量が変化したり、正常な時には出なかった物質が出たりします。そうすると腸内環境や血液の状態も変化し、その結果、さまざまな排泄物に含まれる成分も変化して身体のニオイも変化します。

この代謝が変化する代表的な要因は、食べ物や飲み物、環境要因、身体の活動状況、精神状態、食べ過ぎ、飲み過ぎ、飢餓や渇き、年齢、病気、薬物、喫煙などです。身体のニオイはこれらが複合的に作用して、それに皮膚の常在菌が作用することによって発生します。この常在菌も、汗や皮脂などに含まれる成分が変化すると、その成分を好む菌の種類や割合が変化して、更に悪臭を発するようになります。

肉の食べ過ぎで、悪臭の三重奏

私たちは生命を維持するために、食べ物や飲み物を摂り、様々な状況に合わせて代謝を変化させて対応しています。ニンニクやニラなどの、もともとニオイが強い食品はもちろんですが、そうではない食べ物や飲み物も、身体のニオイに大きく関係しています。

生理的な悪臭の代表選手である、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどは硫黄を含む化学物質で、肉などの動物性タンパク質を多く摂ると、多く産生されます。これは動物性タンパク質には、タウリンやメチオニンのような含硫アミノ酸が多く含まれるためです。肉でも適量をバランスよく、良く噛んで食べれば、ほとんどが消化吸収されて血肉となるため、それほど多くの含硫化合物が代謝産物として排泄されることはありません。

しかし、おいしいからといって、大量の肉を良く噛みもしないで食べると、消化吸収の限度を超えてしまうため、ほとんどは血肉にならず、腸や血液を経由して、大量のニオイ物質が便や尿はもちろん、汗、皮脂、呼気など、ありとあらゆる分泌物に混ざり、とてもキツイ体臭となります。肉を食べすぎると、含硫アミノ酸だけでなく、大量の動物性脂肪を摂ることになり、脂肪酸が皮脂腺から大量に排泄され、脂臭いニオイを発します。これに加齢臭が加われば、悪臭の王様である含硫物質、悪臭の女王である脂肪酸、そしてオヤジ臭代表ノネナールの「悪臭の三重奏」のはじまりです。

腸だけでなく皮膚や口腔内の常在菌にも善玉菌と悪玉菌がある

悪臭

悪臭がひどいと、シャワーやコロンではニオイが落ちない場合も!


私たちの住む環境にはありとあらゆる細菌に満ち溢れています。人間は進化の過程でこれらの菌と共生関係を築いてきました。その代表的なものが腸内菌叢(ちょうないきんそう)と呼ばれる腸内菌群や皮膚、口腔内などの常在菌です。

一部の菌は人間にとって良くない作用を及ぼす悪玉菌ですが、ほとんどの菌は善玉菌です。善玉菌といっても、何か積極的なメリットを与えてくれる菌は少数派で、ほとんどは無害です。しかし、無害な中立性の善玉菌が多数派であるために、悪玉菌や外から入ってきた病原菌が繁殖する余地をなくして、防衛してくれているのです。しかし、この善玉菌と悪玉菌のバランスは、微妙な関係の上に成り立っており、環境が変わるとそのバランスはすぐに崩れてしまいます。

腸内の善玉菌と悪玉菌は有名ですが、皮膚の常在菌や口腔内の常在菌にも善玉菌と悪玉菌がいます。バランスの良い食事を腹八分目で食べ、適度な運動なども行う健康な身体の皮膚常在菌は、善玉菌が多く存在しています。こまめに入浴やシャワーを心がけ、清潔な衣類を身に付けていれば、皮膚に分泌された汗、アポクリン腺分泌物、皮脂などを善玉菌が食べて分解しても、悪臭は発生しません。

しかし、肉などを中心にバランスを欠いた食事をしたり、暴飲暴食をしたり、怠惰な生活をしていると、皮膚の分泌物に悪臭原因物質が増えてしまいます。そうすると、この悪臭原因物質を大好きな悪玉菌が増え、悪臭原因物質を食べ、悪臭物質を盛んに排泄するようになってしまいます。こうなると少し入浴やシャワーをするぐらいでは悪臭は消えなくなってしまいます。オーデコロンも逆効果です。

身体のニオイは、生活や身体の鑑(かがみ)

日々の微妙な身体の変化も、必ず体臭に影響を与えます。人間でも天賦の嗅覚を持ち、訓練された医者はニオイで患者の病気を“嗅ぎわける”といいますが、特に犬は主人の身体的変化や精神的変化を敏感に“嗅ぎわける”といわれます。

イギリスに住むモーリーン・バーンズという女性は、愛犬のマックスの行動が以前と異なり、元気がないのが気がかりでした。犬としては9歳半と高齢だったので、何かの病気かもしれないと思いましたが、彼が彼女の胸に鼻を押し付けた後、悲しい目で見つめるという奇妙な行動を繰り返すため、何か悪いことを知らせようとしているのではと思うようになったそうです。モーリーンさんの乳房には以前からしこりがありましたが、乳癌検診の結果は異常がなく安心していたのですが、悪い予感がしてもう一度検診を受けることにしました。検査の結果は再び陰性でしたが、さらに内視鏡検査も受けたところ、乳癌であることがわかったというのです。

身体のニオイをスッキリ解消したければ、先ず食事などの生活習慣を正し、心身とも健康にこころがけ、常に身体の清潔を心がけることです。当たり前のようなことですが、身体のニオイはあなたの生活習慣の一つ一つの現れであり、鑑なのです。



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。