家計簿・家計管理/家計管理の基本

知ってる人は貯まる!やってはいけないお金のルール10

漠然とした将来への不安。収入も上がらない、物の値段は上がる、年金はもらえなくなるかも……。日々、こんな不安を抱えた生活は、楽しくありませんね。少しでも不安を解消するには、お金の力を使う必要があります。そのためには、お金の知識を身につけなければなりません。これからは、お金が貯まらないどころか、減っていく可能性が高くなっているのです。最低限、知っておきたいお金のルールを紹介しましょう。

伊藤 加奈子

執筆者:伊藤 加奈子

貯蓄ガイド

  • Comment Page Icon

マネー知識の獲得が最大の生活防衛

QRコード決済や電子マネーなどキャッシュレスの波が押し寄せてきていますが、それでも日常で現金払いがなくなるわけではありません。そうなるとお金をおろすのに一番便利なのは、コンビニATMです。店舗数も多く、いつでもどこでもお金が引き出せます。
 
お金まわりでやってはいけないこと

お金まわりでやってはいけないこと


でも……ちょっと待ってください。お金を引き出すときに、手数料がかかっていませんか?

「ATMでお金を引き出すときに手数料を意識したことがなかった」、「時間外手数料がかかっても仕方がない」、「銀行ATM以外は手数料がかかると思っていた」。そんなあなたは、お金が貯まらない人から脱出できません。

お金は、貯めて、増やして、使うもの。お金を減らしてしまう行動をする人は、総じて同じパターンでソンを繰り返しています。自分の行動を見直して、まずはお金を減らさないことに注意しましょう。

お金には、やってはいけないルールがあります。どれもお金を減らさないためのルールです。何も難しいことではありません。これからご紹介する「やってはいけないお金のルール」で自覚症状がある人は、できることから改善していくようにしましょう。

【やってはいけないお金のルール10】
1 ATMでお金を引き出すときに、いつも手数料が引かれている
2 家賃などの振込で手数料がかかるのは仕方ないと思っている
3 クレジットカードの支払いはリボ払いにしている
4 夏冬のボーナス払いで買い物をする
5 会社帰りに毎日コンビニに寄る
6 特売日にまとめ買いをする
7 子どものために学資保険に加入するのは当たり前だと思っている
8 保険に加入していない、加入したら見直しをしなくてもよい
9 銀行を変えたことがない
10 普通預金にお金を入れっぱなし


挙げたらキリがありませんが、最低限ここに挙げた10個のうち、ひとつでも改善できれば、次々と自分のお金の使い方に疑問がでてくるはずです。1つも当てはまらないという人は、すでにお金の基本的なルールが身についている人。さらにブラッシュアップさせましょう。
 

「無意識のうちに減らしてしまうお金」は、一番もったいない

先に挙げたATM引き出し手数料が典型ですが、無意識だろうが、わかっていようが、ATMでお金を引き出すのに手数料を引かれるのは愚の骨頂。銀行の定期預金に100万円預けていても1年でもらえる利息はたったの100円(税引前)。ATM手数料でなくなってしまいます。それどころか、引き出すたびに自分のお金が減っていくということです。

基本的に、自分の口座がある銀行のATMや提携先のコンビニATMなら、平日の日中はほとんどの場合、無料で引き出せます(コンビニATMは提携内容による)。問題は平日夜や土日、祝日。忙しくて無料の間に引き出せずに仕方なく、という人もなかにはいるでしょう。でも、残高や取引内容次第で、手数料なしで引き出せる銀行もあります。該当していても手続きをしていないだけという人もいるはずです。日常的に使っている口座で特典がないか、きちんと調べましょう。

毎月の振込。家賃や子どもの塾の月謝など、いろいろな振込で手数料がかかっていませんか? 銀行が違うのだから振込に手数料がかかっても仕方ないと思っていませんか? ATM手数料と同じように、何も考えていなければ、銀行に言われるがまま、振込手数料を払うことになってしまいます。

しかし、一定の残高があれば月数回の振込手数料がタダ、もしくは手数料相当額がキャッシュバックされる銀行も数多くあります。今、自分が使っている銀行で振込手数料が無料になる条件は何かを、確認しておきましょう。

一方、マイナス金利政策の影響もあり、ATM手数料、振込手数料の改定が各金融機関で行われています。これまで無料だった手数料が有料になったり、無料になる条件が変更されていたりします。今一度、自分が日頃使っている銀行の手数料体系を確認しておくといいでしょう。

 

「先送りしたお金」は、ツケ=借金である

現金での支払いは、ポイントもつかないしもったいない。だからクレジットカードで支払う。という人も多いでしょう。使い過ぎに注意しなければいけませんが、使用履歴と家計をきちんとチェックでき、ポイントも有効に使えれば問題ありません。しかし、クレジットカードを利用する際に気を付けたいのはリボ払い。なかにはリボ払いにするとポイントが多くなるというクレジットカードもありますが、なぜポイントが多くなるのか考えてみてください。それはカード会社にとってオトクだからです。

毎月の支出を平準化できるからと、リボ払いを選択する人も少なくありません。一括払いなら現金と同じで利息はかかりませんが、リボ払いだと利息が発生しているのです。ムダなお金の使い方です。そもそもリボ払いを選択する人は、自分の現金支払い能力を超えて、次々と買い物をしがち。いくら平準化するといっても、これでは支払いが膨らんで、いつまでたっても、支払いが終わらないことになります。

クレジットカードのリボ払いは、ローンを組んでいるのと同じと理解しましょう。

同じように、ボーナス払いで買い物をする人も注意です。リボ払いと違い、利息はかかりません。しかし、ボーナス払いは支払いの先送り。つまりツケ。借金を半年近く抱えているのと同じです。大型家電の買い替えなど、まとまったお金が必要なときに、便利な支払方法ですが、せっかくのボーナスが借金の返済に回り、楽しかったことの後始末に使われてしまうのです。

まとまったお金が必要な買い物は、貯めてから使う。これができないと、お金はお財布からどんどん逃げて行ってしまいます。
 

「無計画がお金を減らす理由」。本当に必要か自問自答する

毎朝、通勤途中にコンビニに寄ってしまう。飲んだ帰りはついカップ麺を買ってしまう。そんな経験はありませんか? 筆者もサラリーマン時代はよくやっていました。でも、コンビニに行くと、目的のもの以外にも、何かひとつふたつ余計に買ってしまうものです。新しいスイーツが出ていた! なんだかアイスも食べたくなった! ガムも買っておこう! 1回のコンビニで予想外の買い物をしていませんか?

1回は数百円の追加の出費でも、積み重なれば結構な金額になります。

スーパーや安売り店で買えば安くすむのに、どうしてコンビニでついで買いしてしまうのでしょう。それはコンビニの戦略だからです。それほど広くない売り場に効率的に商品を配置し、さらに顧客のデータを分析し、陳列棚を工夫しているからです。ついで買いする人は、まさにコンビニの戦略にはまった人なのです。

金銭的に余裕がある人なら別ですがお金が貯まらないと嘆いているような人は、そんなついで買いをする余裕はないはずです。どうしても今、これが必要で、コンビニで買うしかない!という場合だけ利用するようにしたいですね。

スーパーでのまとめ買いも同じです。特売日やポイント何倍といったセールストークには、注意が必要です。ついつい、こうしたときにまとめ買いをしがちですが、それで得られる割引やポイントがどのくらいか、一度冷静に考えてみるといいでしょう。また、日頃同じスーパーで同じ商品がいくらで売られているのかもチェックしておきましょう。

実際、筆者も1週間に2~3回消費するある商品の値段を観察したことがあります。結果的にはポイント何倍という日よりも、通常時に安くなる日があることがわかりました。それ以来、ポイント何倍の日、には惑わされず、その日に必要なものを必要なだけ買うことを心がけるようになりました。

コンビニもスーパーも消費者にウソをついているわけではありませんが、売り手側の思うツボにはまらない、賢い消費者になりたいものですね。
 

みんなやっているという「先入観がお金を減らす」

家計の節約を頑張っている家庭でも、子どもにかかるお金に関しては、十分に準備しておきたいと考えるものです。子どもの教育費のために、生まれてすぐに加入を検討するのが検討するのが、「学資保険(こども保険)」。親世代では郵便局(かんぽ生命)の「学資保険」を選択するケースが多かったと思います。

しかし、一般の生命保険会社の学資保険(こども保険)のほうが、おトクな場合もあり、なかには戻り率(積み立て元本に対する保険金の受取額の率)が106%など、魅力的な商品もあります。

ただ、マイナス金利政策以降、保険会社は利率のいい保険商品の販売を停止する動きがあり、学資保険(こども保険)も戻り率の低下が起きています。販売停止とまではならなくとも、これから新規加入の場合は、元本割れ(保険料払込総額に対して、満期で戻ってくる受取額のほうが少ない)しないか、十分に確認することが大切です。

子どもの教育費の準備=学資保険(こども保険)の時代ではなくなったともいえるでしょう。親に万一のことがあった場合、それ以降の保険料の払い込みが免除されるというメリットはありますが、同じ金額を積み立てるなら、ほかの貯蓄商品や、比較的安定した運用が期待できる投資信託などと比べてみることも必要です。みんな入っているから、と慣例的に保険選びをすると、かえってソンをする可能性もあるということです。

とかく保険は難しい、と仕組みを理解することを敬遠しがちですが、保険こそ、しっかりと中身を理解して加入しないと、ソンをしてしまいます。また、一度加入したから終わりではなく、生命保険や医療保険も、年齢や家族構成の変化に合わせて、見直しをしないとムダなお金を一生払い続けることになるのです

親がそうだったから、人に勧められたから。こうした先入観や思い込みを捨てて、どんな保険が自分に合っているのか、見極める力や専門家に相談する勇気を身につけたいものです。
 

「後回しにすればするほど面倒」になるから、貯まらない

冒頭に挙げた、ATM手数料や振込手数料。いつも無料で使っている、という人は、きちんと自分の口座管理ができている人でしょう。給与が振り込まれる銀行を変えたり、メインバンクから別の銀行に預け替えたりしているはずです。

何気なく決めた給与振込口座が、使い勝手よく、オトクな特典もあり、さらに預金金利がよければ問題ありません。しかし、お金の使い方が下手な人は、そうしたことに無頓着です。オトクな銀行がある、ということがわかっていても、今、特段不便を感じないから、後でいいや。こうして後回しにすればするほど、面倒になり、現状維持で甘んじてしまうのです。

お金は、手間をかけてあげれば、その分、きちんと働いてくれます。ほったらかしの銀行口座。普通預金に入れっぱなしのお金。そのお金は上手に働くことができません。

必要最小限のお金は普通預金に残し、少しでもオトクなサービスが受けられる、金利がいい銀行に預け替えるといったメンテナンスが大切です。水も入れ替えをしなければ、腐ってしまいます。お金も同じ。ほったらかしは、お金が貯まらない、一番の原因です。

年金問題や社会保険料負担、消費増税など不満に思うことは、たくさんあります。しかし、自分のお金の使い方は自分で決めることができます。生活防衛できるかどうかは、あなた自身にかかっているのです。

【関連記事をチェック】
年末大掃除でお宝発見。マネー断捨離でプチ収入
金利5倍!普通預金を使い分けて、貯蓄上手に!
どうしたらお金は貯まる?上手な貯蓄方法3ポイント
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/3/31まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます