2人の愛の証、そしてこれからの結婚生活の象徴ともなる婚約指輪。その主役となるダイヤモンドは“地球上で最も美しい石”として知られています。とかくそのグレードや価格ばかりが注目を集めがちですが、ダイヤモンドという石には、それ以上の“ロマン”が秘められているのです。

何億年もかけて地中で育まれた、奇跡の石

ダイヤモンドは、歴史の浅いものでもだいたい5億年、古いものになるとなんと45億年かけて生成されます。45億年といえば、地球が生まれたころに相当します。

それほどの長い歳月をかけ、地下約200kmの圧力のなかで気の遠くなるような歳月をかけて生成される高密度の石。それを地上へ押し上げるのが、火山の噴火です。マグマとともにものすごい速さで地表に出てきますが、ダイヤモンドは熱に弱く600~800℃で溶けてしまうため、マグマとともに溶け散ってしまうものがほとんど。

運よく地上にたどり着いた石もごくわずかながら、そのなかで宝飾品として扱えるほどの原石は、万にひとつ。まさに奇跡の賜物といえるのではないでしょうか。

ダイヤモンドの原石は茶褐色のかたまり

ダイヤモンドの原石

ダイヤモンドの原産国は、南アフリカやインド、ブラジルなど。原石は茶褐色のかたまり

原石は南アフリカを中心に、インド、ブラジルなどで採掘され、その7~8割は工業用だといわれています。

ダイヤモンドは最初から透明なのではなく、もともとは茶褐色の鉱物のかたまりの中に入っていることが多いです。そこから原石を取り出 し、ベルギーのアントワープ、イスラエルのテルアビブ、インドのボンベイなどにある研磨工場へ送られ、磨かれて初めて耀くダイヤモンドとなります。ここから先、さらに幾人ものプロフェッショナルの手を経ていくことになります。

ダイヤモンドは通常、ひとつの原石から2つのルースが作られます。ダイヤモンドが最も美しく輝くといわれるラウンドブリリアントカットに仕上げる場合、ちょうど、2つのピラミッド型を切り離すようなイメージになります。

どのような位置でカットすれば大きく、美しい形にデザインできるか――これを「マーキング」と呼ぶのですが、このマーキングの作業が最も難しく、熟練者だけに許される重要な作業。ダイヤモンドのサイズや質に大きく影響します。

それが終わると、面取り、削り出し、仕上げと、どの工程も各分野の職人たちが技を尽くしていきます。