マリリン・モンローが主演した往年のコメディ映画『お熱いのがお好き』になぞらえれば、世の中の女性は「お硬いのがお好き」なのかもしれません。

東邦大学医学部泌尿器科学講座の調査(2007年)によると、女性が「よりよい性生活のために求める男性の機能」で「勃起の持続」と「陰茎の硬さ」が上位2項目を占めました。勃起の持続には硬さが必要ですから、両者を合わせると、陰茎の大きさや太さ、長さなどよりも硬さが重視されていることがわかります。

その一方で、わが国にはED(勃起不全)患者が1130万人以上いると推計されています。しかし、EDは男性だけが抱える問題ではありません。硬さを損ねるEDのせいで満足な性生活ができないと、パートナーと一緒に育む性的なQOL(生活の質)を低下させるからです。

勃起の持続と硬さの理想は男女共通 

よりよい性生活を営むためには「勃起の持続と陰茎の硬さ」が大きな決め手に

よりよい性生活を営むためには「勃起の持続と陰茎の硬さ」が大きな決め手に

この調査は性的な男性パートナーをもつ首都圏に住む20歳以上の女性5665人を対象としており、女性が望む性生活を知る手がかりとして定評があります。

その中で「男性パートナーに求める機能的側面」(複数回答)を尋ねた質問では、

  • 「勃起がより持続する」=48.5%
  • 「陰茎がより硬くなる」=17.3%
  • 「陰茎がより大きくなる」=10.3%
  • 「陰茎がより早く勃つ」=9.1%
  • 「陰茎がより太くなる」=7.6%
  • 「陰茎がより長くなる」=7.3%
という順番でした。

硬さが関係する上位2回答を足すと65.8%となり、過半数の女性が「硬さ」に関心を寄せていることが分かります。

30歳以上59歳以下で軽~中等度のED患者1000人を対象にした意識調査(2005年)で、よりよい性生活における「陰茎の形状」について尋ねた質問では、

  • 「勃起がより持続する」=55.3%
  • 「陰茎がより硬くなる」=23.0%
  • 「陰茎がより大きくなる」=11.6%
  • 「陰茎がより早く勃つ」=4.2%
  • 「陰茎がより太くなる」=3.1%
  • 「陰茎がより長くなる」=2.8%
と、ほぼ同様の結果が出ています。

期せずして似た回答となったことは、望ましい性生活のあり方に対する男性と女性の考えが共通であることを物語ります。

受診した上であれば安全性に問題はない

そして、今回取り上げた、東邦大学医学部泌尿器科学講座の調査の中でも興味深いのは、自然な勃起を助ける効果のあるシアリス、バイアグラ、レビトラなどのED治療薬に言及していることです。

調査対象者のうち「男性パートナーがED治療薬の服用経験を持つ」と回答した166人に聞いた「病・医院を受診してED治療薬を服用することは安全だと思うか」には、58.4%が「はい」と回答しました。「受診した上であれば」安全性に問題はないと考えているわけです。

「治療が期待通りであったか」という問いに対しては、

  • 「半分期待どおり」=34.9%
  • 「かなり期待どおり」=24.1%
  • 「少しだけ期待どおり」=21.1%
  • 「全く期待はずれ」=14.5%
  • 「完全に期待どおり」=5.4%
の順でした。

期待した治療効果が少しでも得られたとの回答が全体の85.5%を占めたことは、ED治療薬が一定の評価を得ていることを示しています。

ED治療薬に対して85%強の女性が「ある程度は期待どおりだった」と回答している一方で「受診した上であれば」と安全性に条件がつけられている背景には、ネット通販などから入手できる偽造品の存在が見え隠れします。

規則正しい生活態度がEDの最大の予防策

「よりよい性生活とは自分だけでなく、パートナーのコミュニケーションや関係も含めて考えるか」という問いには、93.7%が「はい」と回答しました。性生活において、パートナーとの良好な性的関係を保つ大きな要因が「勃起の持続と陰茎の硬さ」であることは、調査結果からも明らかです。

では、勃起の持続や陰茎の硬さを損ねるEDを予防するにはどうすればよいのでしょうか。日本性機能学会の『ED診療ガイドライン2012』はEDを招く恐れのある「リスクファクター」として「加齢」「喫煙」「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」「肥満と運動不足」「うつ症状」「下部尿路症状/前立腺肥大」「慢性腎臓病」「睡眠時無呼吸症候群」「神経疾患」「不妊症」「薬剤」の13項目を挙げています。

加齢や神経疾患、不妊症などを除けば、ほとんどが生活習慣病といわれる病気やその合併症であることが分かります。生活習慣病の多くは体内の一酸化窒素が減少し、動脈が硬化することによって起こります。ですから、血管を健康に保つことはED予防につながります。その意味で「規則正しい生活」や「バランスのよい食生活」「適度な運動や休養」などはいずれもEDの予防に役立つはずです。

EDは生活習慣病を引き金にして起こる病気ですが、実はEDそのものも生活習慣病の一種です。EDは陰茎周りの血管に起こる動脈硬化現象ですから、脳梗塞や心筋梗塞への注意を促す役目を果たしているともいえます。つまり、EDの予防はより重い血管障害の発症を未然に防ぐことでもあるのです。

欠かせぬ、パートナーとの良好な関係

よりよい性生活を考える多くの女性がパートナーとの良好な関係を望んでいる

よりよい性生活を考える多くの女性がパートナーとの良好な関係を望んでいる

今回取り上げたのは調査結果の一部ですが、多くの女性が「よりよい性生活」を望み、その実現には男性パートナーとの良好な関係を築くことが欠かせないと考えていることがわかります。

前述の『ガイドライン』も「(EDの)治療の目的は、満足のいく性的関係を回復することであり、単に硬い勃起を得ることではない」と明言。国内外での十分な有効性や安全性を踏まえた上で、ED治療薬の服用を治療の第一選択としています。

最近の研究では、ED治療薬本来の目的である勃起の手助けだけでなく、頻尿の改善や肥満由来の生活習慣病の抑制、血管機能の向上などにも効果のあることが報告されています。

男女が性生活で共通に求める「勃起の持続と陰茎の硬さ」を妨げるEDを治療する最も効果的で簡単な方法は、ED治療薬を適切に使うことです。よりよい性生活を実現する手助けするために、ED治療薬を処方している病医院やED啓発サイトで検索したクリニックで相談するとよいでしょう。

>>頼りになるのは、やっぱり硬さ?
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。