2014年11月16日――花組娘役トップスター・蘭乃はなさんが、ミュージカル『エリザベート -愛と死の輪舞(ロンド)-』の千秋楽(東京宝塚劇場)にて宝塚歌劇団を退団しました。

同時に、春花きらら(2005年入団)さん、大河 凜(2007年入団)さん、花奈 澪(2007年入団)さん、美蘭レンナ(2009年入団)さんも退団しました。

また、『Ernest in Love』のセシリィ、『ファントム』のカルロッタ、『エリザベート』のゾフィーなどの大役を、いつもパワフルに演じた演技巧者、桜 一花(1999年入団)さんも退団しました。


蘭乃はな 主な舞台歴

月組時代
2007年『パリの空よりも高く』新人公演・カロン(本役・夢咲ねね)
2007年『大坂侍』 おきみ
2008年『ME AND MY GIRL』 新人公演・ジャッキー(本役・城咲あい/明日海りお)
2008年『夢の浮橋』 新人公演・浮舟(本役・羽桜しずく) *新公初ヒロイン
2009年『二人の貴公子』 牢番の娘
2009年『エリザベート』 マデレーネ
2009年『ラスト プレイ』 ポーリーン/(新人公演) エスメラルダ
2010年『HAMLET!!』 オフィーリア *バウホール公演初ヒロイン

花組時代
2010年『虞美人』 青青/戚

花組トップ娘役時代<トップスター・真飛聖>

2010年『麗しのサブリナ』 サブリナ *トップ娘役お披露目
2010年『メランコリック・ジゴロ』 フェリシア
2011年『愛のプレリュード』 キャシー・ローレン

『カノン』蘭寿とむ・蘭乃はな

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

花組トップ娘役時代<トップスター・蘭寿とむ>

2011年『ファントム』 クリスティーヌ・ダーエ
2011年『小さな花がひらいた』 おりつ
2012年『復活 -恋が終わり、愛が残った-』 カチューシャ
2012年『長い春の果てに』 エヴァ
2012年『サン=テグジュペリ』コンスエロ
2012年蘭寿とむコンサート『Streak of Light -一筋の光…-』
2013年『オーシャンズ11』 テス・オーシャン
2013年『戦国BASARA』 いのり
2013年『愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ-』 マッダレーナ・ド・コワニー
2014年『ラスト・タイクーン ―ハリウッドの帝王、不滅の愛―』 キャサリン・ムーア/ミナ・デービス

花組トップ娘役時代<トップスター・明日海りお>
2014年『ベルサイユのばら』―フェルゼンとマリー・アントワネット編― マリー・アントワネット
2014年『エリザベート -愛と死の輪舞-』 エリザベート


蘭乃はなさんは、2006年 宙組公演『NEVER SAY GOODBYE』で初舞台を踏みました。
愛称、らん。
元宙組娘役で同期生のすみれ乃麗さん(7月27日に『ベルサイユのばら』で退団)は、双子の妹さんです。

初舞台後、月組に配属されます。
新人公演初ヒロインは2008年『夢の浮橋』。二人の貴公子に愛される浮舟(本役・羽桜しずく)を、しっとりと品良く演じました。
そしてバウホール公演初ヒロイン、『HAMLET!!』のオフィーリアを最後に、蘭乃さんは月組から花組へ組替え。
2010年、桜乃彩音さんの後任として、11年も学年が上の真飛聖さんの相手役として花組トップ娘役に抜擢されます。

トップ娘役としてのお披露目作品は『麗しのサブリナ』。サブリナパンツもショートカットも似合う、可愛らしいサブリナでした。



やがて2011年『ファントム』より蘭寿とむさんの相手役に。新トップコンビの一作目はミュージカルの大作『ファントム』で、ファントムが一途に愛する娘、クリスティーヌを可憐に好演。
可愛らしい娘役から一転「こんな役も似合う!」と面白かったのが『復活』のカチューシャ。初々しい少女から娼婦に落ち、やがて殺人罪に問われる罪人となっていくカチューシャの生き様を巧みに熱演しました。

『オーシャンズ11』蘭寿とむ・蘭乃はな

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

いくつもの色を見せたのが『サン=テグジュペリ』。タンゴも情熱的だったコンスエロ、妖艶なバラ、ナイーブな星の王子様と演じ分け、新たな魅力を。
ハリウッド女優のようにキュートでセクシーだったのが『オーシャンズ11』のテス。蘭寿とむさんとのフィナーレのデュエットダンスは、名ダンサーコンビの魅力が盛りだくさんのナンバーになりました。

古典的なコスチュームプレイの『愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ-』のマッダレーナでは、愛する人と共に死ぬことを選ぶ強さや深さを表現。
F・スコット・フィッツジェラルド原作の『ラスト・タイクーン ―ハリウッドの帝王、不滅の愛―』では、キャサリン・ムーアとミナ・デービスの二役を好演しました。

蘭乃はなさんと言えばダンス。エレガントで伸びやか、キレがありセンス抜群。極上のダンスの名手、蘭寿とむさんの隣で、さらに技術やセンスを磨きあげ、近年のトップ娘役の中で随一のダンサーとなりました。

蘭寿とむさん退団後、明日海りおさんの相手役を務めます。
新コンビお披露目作品は『ベルサイユのばら』-フェルゼンとマリー・アントワネット編―。我が子との別れ、牢獄の場面では観客を泣かせ、凛とした風格で堂々とマリーアントワネットを演じました。

そして退団公演は、前出のマリーアントワネットと共に、宝塚の娘役なら誰もが憧れる最高峰の役、『エリザベート』のエリザベート。自由奔放で、何物にもとらわれない蘭乃さんの役作りは、新たなエリザベート像を作り上げました。
エピローグのトートを受け入れ昇天するシーン。すべてを成就し、そしてすべてを解放したかのように輝く笑顔は、宝塚を去る蘭乃はなそのものでした。


サブリナを演じていた頃、三名ものトップスターの相手役を務めることになろうとは、ファンも、そしてご本人も思っていなかったことでしょう。
ダンスに比べ課題だった歌の力もめきめきと付け、やがてエリザベートを演じるまでに成長しました。
芝居のセンスの高い人で、蘭乃さんの演じた役はどれも実在感を感じさせ、観客の心に気持ちよくストレートに響きました。

ひと役ごとに大きく開花した偉大な娘役、蘭乃はな。
らんちゃん……
ありがとう。お疲れ様でした。


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