J1優勝は浦和とガンバに絞られた

シーズン最終盤を迎え、いよいよ優勝争いも佳境に。

シーズン最終盤を迎え、いよいよ優勝争いも佳境に。

J1リーグは残り4試合となり、優勝争いは勝点58で首位の浦和レッズと、勝点55で2位のガンバ大阪がリードする(30節終了現在。以下データは同)。数字の上では5位のサガン鳥栖まで可能性はあるが、実質的には2チームに絞られたと言っていいだろう。

首位の浦和はここ3試合勝利から遠ざかっている。昨シーズンも終盤まで優勝を争いながら、残り4試合で1分3敗と失速した。当然ながら、同じ轍を踏むつもりはない。

キーマンには二人の選手を指名したい。ゴールキーパー西川周作(28歳)と、フォワード李忠成(28歳)だ。

サンフレッチェ広島から今季加入した西川は、“勝点を運ぶ”男だ。ここまでリーグ最少失点の堅守を支えてきた西川の存在は、ロースコアの攻防になるほど際立つ。僅差で逃げ切るゲームが計算できるのだ。J1優勝の実績は、日本代表での定位置奪取にもつながる。

李忠成への要求はシンプルだ。ゴールである。チームトップの12得点を記録している興梠慎三(28歳)が、ケガで戦線離脱してしまった。代わって1トップを務めるのは、この男になるだろう。

2012年から14年1月まで在籍したサウサンプトン(イングランド)では、コンスタントに出場機会を得られなかった。13年シーズンの前半を過ごしたFC東京でも、途中出場が多かった。

その結果として日本代表から遠ざかり、ブラジルW杯出場を逃した。ハビエル・アギーレ監督(55歳)の日本代表にも、招集をされていない。チームの勝利とその先にある優勝へ結びつくゴールは、彼自身の未来を切り開くものでもあるのだ。

追いかけるガンバ大阪は、J1復帰1シーズン目での優勝を狙う
。そもそもJ2へ降格するようなチームではなく、勝者のメンタリティが息づいている。

ブラジルW杯に出場したDF今野泰幸(31歳)、MF遠藤保仁(34歳)も健在だ。“クラブの至宝”宇佐美貴史(22歳)は、遠藤とともに攻撃を牽引する。

かつては撃ち合いを制することを得意としたが、就任2年目の長谷川健太監督(49歳)のもとで守備も整備されている。日本代表経験のあるGK東口順昭(28歳)の存在も大きい。

浦和とガンバ大阪は、11月22日の32節で激突する。浦和のホーム埼玉スタジアム2002で勝利をつかんだチームが、そのまま優勝へ駆け抜けるのではないだろうか。

>>ACL出場権、そして熾烈なJ1残留争いも見逃せない!

ACL出場権はストライカーの活躍がカギに

J1の上位3チームには、AFCチャンピオンズリーグ(以下ACL)の出場権獲得という目標もある。可能性を残すのは、3位の鹿島アントラーズ(勝点51)、4位の川崎フロンターレ(同51)、5位のサガン鳥栖(同50)、6位の柏レイソル(同48)だ。

カギを握るのは各チームのストライカーである。

川崎FはブラジルW杯日本代表の大久保嘉人(32歳)、鳥栖は豊田陽平(29歳)と、絶対的な得点源を持つ。ここまで15ゴールで得点ランキング首位の大久保は、2年連続の得点王を視野にとらえる。一方の豊田も13得点をあげ、ランキング3位で大久保を追いかける。アギーレ監督へのアピールも、彼らのモチベーションとなっている。

鹿島は得点源を失った。チーム最多の10得点をあげているダヴィ(30歳)が、ヒザのケガで戦列を離れてしまったのだ。世代交代を進めながら優勝圏内に食い込んできた名門の胆力が、残り4試合で問われる。

柏レイソルの前線は、レアンドロ(29歳)のひとり舞台だ。Jリーグでの実績が豊富なブラジル人は、ワンチャンスを得点に結びつける決定力を備える。柏レイソルがACL圏内へ飛び込むことができたら、そこにはレアンドロの活躍があるはずだ。


「現実的」になれたチームがJ1に残る!

リーグ制覇やACL出場権争いよりも混沌としているのが、J1残留をかけたサバイバルだ。

J1は下位3チームがJ2へ降格することになり、すでに徳島ヴォルティスの最下位が決定した。しかし、16位と17位は最終節までもつれそうだ。

残り4試合の段階で、残留を争っているのは5チームだ。13位のヴァンフォーレ甲府と14位のベガルタ仙台は勝点33、15位の大宮アルディージャと16位の清水エスパルスは同31、17位のセレッソ大阪は同30と、5チームが勝点3差でひしめきあっている

残留争いのキーワードは「現実的視点」だ。

シーズン開幕前から、残留争いに加わることを覚悟しているチームは少ない。「最終的には残留が目標になるかもしれない」という思いがあっても、なかなか割り切ることはできないものだ。自分たちが目ざすサッカーで、勝点を積み上げていこうとする。

そうやって理想を求めていくと、たとえ負けても「内容は悪くない」とか、「このサッカーを続ければ勝てる」といった思いが湧き上がる。選手なら当然の心理だ。

しかし、残留争いで問われるのは試合内容ではない。

結果だ。

自分たちが目ざすサッカーとかけ離れた内容でも、必要な勝点をつかむという「現実的視点」が、何よりも大切なのだ。

ほぼ毎シーズン降格の危機にさらされながら、それでもJ1に踏みとどまってきた大宮は、“生き残るための切り替え”ができるのだろう。甲府にも同じことが言える。

逆にセレッソや清水は、気持ちの整理が難しいかもしれない

セレッソは昨季4位に食い込み、今季はACLに出場している。FW柿谷曜一朗(24歳)はバーゼル(スイス)へ移籍したが、現役ウルグアイ代表FWのディエゴ・フォルラン(35歳)が加入している。日本代表の経験者も多い。少なくともACL出場を争える戦力が揃っている。それだけに、理想と現実の狭間で揺れているのかもしれない。

これまで一度もJ2に降格していない清水にも、セレッソと同じことが言えそうだ。


磐田のJ1復帰はなるか?

22チームが2回戦総当たりで争うJ2は、湘南ベルマーレが首位でのJ2復帰を決めた。さらにここまで2位の松本山雅FCが、クラブ史上初の昇格へ近づいている。かつてアルビレックス新潟と湘南をJ1へ導いた反町康治監督(50歳)が率いる松本は、攻守にハードワークできるチームだ。

残りひとつの昇格ワクは、リーグ順位が3位から6位の4チームがプレーオフで争う。

注目はジュビロ磐田だ。

DF駒野友一(33歳)、伊野波雅彦(29歳)、MF松井大輔(33歳)、FW前田遼一(33歳)ら日本代表経験者を揃えるかつての名門は、残り4試合の段階で3位につけている。自動昇格できる2位以内を目指していたチームには、3位でも屈辱だ。シーズン終盤には元日本代表でクラブOBの名波浩(41歳)が監督に就任し、チームの立て直しをはかっている。

J1からJ2へ降格したチームは、1年で復帰を果たさないとなかなかJ1へ戻れない傾向にある。2年目以降は主力選手を引き留められなかったり、新たな戦力補強が難しくなったりするのが原因だろう。

かつてアジアの頂点にも君臨した磐田は、J1へ返り咲くことができるのか。J2はリーグ戦終了後のプレーオフからも目が離せない。
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