フレッシュな3歳馬がベテランと対決
世代レベルが取り沙汰される11月

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11月のG1ジャパンカップは、3歳と古馬の真っ向勝負が見どころ(写真 JRA)

2歳の6月からデビューする競走馬は、翌3歳の春、G1日本ダービー(芝2400m/東京競馬場)という節目のレースまで、同世代のみで競い合います。牝馬の場合は、ダービー前週のG1オークス(芝2400m/東京競馬場)が目標となります。

3歳馬はその後、古馬(こば)と呼ばれる4歳以上の馬たちと一緒に走るレースが増えてきます。とはいえ、10月までは並行して3歳限定のG1レースなどがあり、真の意味での「3歳VS古馬」という図式はまだ本格化しません。

3歳馬と古馬の激突が本番を迎えるのは、11月から。3歳馬は同世代の頂点を決める「三冠レース」を終え、いよいよ古馬と一緒に走るG1レースに大挙参戦してきます。これこそが、11月の見どころ。3歳世代のトップクラスは、古馬と戦ってどのくらいの強さを見せるのか。3歳馬の“世代レベル”はどれほどなのか。いよいよそれが分かるのです。

もちろん、古馬にも意地があります。ベテランですから、若者にあっさりと敗れるわけにはいきません。一方の3歳馬は、とにかく挑む立場。なおレースでは、各馬が背負う負担重量(騎手の体重などを含めた重さ)が定められているのですが、3歳馬は1~2キロほど軽い負担重量でレースに臨めます。

競馬ファンにとって「今年の3歳馬のレベルは?」、「古馬に通用するのか?」という討論は、いわばこの時期の風物詩。そんななか、“世代闘争”としてもっとも盛り上がる11月のレースが以下の三つです。

G1ジャパンカップ(芝2400m/東京競馬場)
G1マイルチャンピオンシップ(芝1600m/京都競馬場)

G1エリザベス女王杯(芝2200m/京都競馬場)※牝馬(メス)のみのレース

距離や条件などが異なる三つのG1レース。それぞれについて、説明していきましょう。

王道の舞台で激突するトップホースたち
「ジャパンカップ」

イギリスやフランスなどの競馬先進国より、ずっと後から競馬の歴史が始まった日本。その間に生まれた差を埋めるため、「世界を追い越せ」というスローガンで日本競馬は躍進してきました。ジャパンカップも、「世界の一流馬を招待して、日本馬のレベルアップを図る」という目的のもと、1981年に生まれたG1レースです。

ジャパンカップには、ヨーロッパやアメリカ、香港などから競走馬が参戦。日本馬と戦う特別なレースです。2000年頃までは、この舞台で外国馬がたびたびその強さを見せてきました。しかし2000年以降は、日本馬の圧倒的優勢。そのため、近年のジャパンカップは「世界との対決」というより、「国内最高峰の決戦」という位置付けに近くなっています。

なぜ、国内最高峰の決戦なのか。理由は、舞台となる東京競馬場の芝2400m。これは日本ダービーと同じ条件で、広々としたこの舞台はごまかしの利かない実力勝負になることが多いのです。そんな「王道」の舞台で、3歳トップクラスと古馬の一流たちが激突するのですから、これはもう、1年のうちでもっともレベルの高いレースと言わざるを得ません。

2001年のジャパンカップも、「3歳VS古馬」の対決となりました。レース終盤、最後の直線でいち早く抜け出したのは、5歳馬のテイエムオペラオー。このレースまでにG1を7勝していた絶対王者は、ここでも強さを見せつけます。

しかしゴール前、テイエムオペラオーの外から迫る馬が一頭。それが、3歳馬のジャングルポケットでした。何を隠そうこの馬は、この年のダービーウィナー。3歳世代の代表として、王者を負かそうと果敢に迫って来たのです。

2頭は馬体を並べてゴールイン。まさに互角の戦いでしたが、勝ったのは3歳のジャングルポケット。テイエムオペラオーも古馬の意地を見せて必死に抵抗したものの、東京コースを得意にする若き3歳馬が栄冠を手にしたのでした。

2001ジャパンカップのレース成績

次ページでは、「マイルチャンピオンシップ」と「エリザベス女王杯」を紹介します。