はじめに

行政書士の平均年齢は50代後半です。今回は、行政書士の高齢化についてまず言及した上で、事業承継について、他の士業のケースなども絡めてお話をしたいと思います。

なぜ高齢化が進むのか

行政書士はサラリーマンのように退職制度がありません。100歳でも登録は可能です。ちなみに、裁判官は定年退官した後で弁護士登録する人がいます。弁護士には定年がないからです。このように士業には定年がありません。これは士業の魅力の一つですが、高齢化の最大の原因でもあります。

実際、還暦や古稀を迎えている行政書士の先生は多くいらっしゃいます。それどころか、還暦を迎えてから開業する人も多いのです。これは、一定の要件を満たした公務員が退職すると、行政書士資格(特任行政書士)が与えられるためです。

このように退職制度がないために高齢化が進んでいきます。

高齢でも業務は可能か

「でも、高齢になっても行政書士の仕事はできるの?」と疑問に思う人がいると思います。規制緩和の影響で、許認可申請の一部は郵送請求が認められ、IT化も進みました。これにともない行政書士の事務量も減少しました。パソコンさえ使えれば、以前よりも、仕事がしやすくなっていると言えます。

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高度情報化社会は稼働年数を10年伸ばしたのではないでしょうか

ただ、実地調査や測量などを必要とする許認可業務は難しいでしょう。例えば、実地調査の代表的なものに「200調」があります。この風営法関係の許認可申請をする際に、半径200メートルの存在する建物を、住宅地図を片手に、全部歩いて調査することを指します。繁華街ともなると、一日がかりで調査することになり、体力勝負になるので、高齢の行政書士にはきついと思います。もちろん、事務員を雇って、代わりに調査させる方法もありますが、許認可の核となる部分は、専門職である以上、自分で行うべきだと考えます。

もっとも、このような実地調査や測量が必要とされる許認可は限られており、ほとんどがデスクワークです。従って、体の負担も少なく、行政書士は高齢になっても仕事ができるのです。

次のページでは、高齢化の大きな問題である事業承継についてお話をします。