世は犬猫の殺処分ゼロに向けて大きなうねりを見せ始めていますが、環境省が公開している2012年度の殺処分数は161,847頭(保管中の病気などによる自然死も含む数)。このうち犬は38,447頭となっています。本来であれば、他の犬たちと同様、幸せに暮らせたはずの命の数です。

返還・譲渡数は上がっているものの、犬では半数以上が殺処分

保護犬イメージ

犬は成犬からでも充分飼える/ (c)Shirokuma/amanaimages

保健所や動物愛護センターなど自治体に引き取られた後、飼い主に返還されたり、新しく飼い主となる人に譲渡されたりする犬猫の数は年々増えています。その返還・譲渡率は35年前の1979年には1.6%程度でしたが、2012年では22.9%に上がっています。

しかし、犬だけを見てみると、2012年度には71,643頭の引き取りがあり、そのうち飼い主に返還された犬と新しい飼い主に譲渡された犬を合わせると33,269頭、約46%となります。約54%にあたる数は殺処分されており、引き取られた犬の半数以上が未だに殺処分されているということになります。

また、新しい家庭に譲渡された犬は17,112頭となっていますが、全国には民間の保護団体がいくつもあり、そこで保護されている犬たちを合わせれば、相当な数の犬たちが新しい家族を必要としているということです。

いっぽうで、生体を扱うペットショップなどでは、売れ残った犬たちが“セール”と称して安く売られることもあり、両者の間にあるものは何なのだろうと考えたくもなります。

保護犬を選ぶ際のデメリット

こうした現状の中、1頭でも救いたいと考える人も多いことでしょう。また、ともに暮らす犬の出自は問わないという人もいることでしょう。しかし、そのような犬たちを愛犬として迎えたいと思った時、考えておかねばならないこともあります。

・ 特に成犬の場合は、すでに歯周病や心臓疾患など、何らかの病気をもっている場合もある。
⇒自分にその治療費を出し、その後の世話をするだけの金銭的および精神的な余裕があるかどうか。

・ これも成犬の場合、すでにある程度の癖がついていたり、なんらかのトラウマをもっていたりして、しつけ直すのに時間がかかる場合がある。または、なかなか直らない場合もある。
⇒しつけ直すだけの気構えができているかどうか。または、場合によっては寛容に見る必要もある。

・ 年齢のいった成犬やシニア犬であると、一緒に暮らせる時間は短くなる。子犬の時の可愛さを知ることはできない。
⇒子犬時のしつけにかけるだけの自信や余裕がないので、少し落ち着いた成犬のほうがいいという考え方もある。

・ ある程度成長していると、慣れるまでに時間がかかることがある。
⇒しつける以前に、新しい人間や環境に慣らす努力がまず必要になる。

では、逆にメリットとは?



保護犬を選ぶ際のメリット

保護犬イメージ

関係が築ければ、どんな犬でも家庭犬になれる/(c)Doable/amanaimages

メリットしては、以下のようなものが考えられます。

・ たとえ1頭でも行き場のない犬に住み場所と愛情を与えてあげることができる。
⇒チャンピオン犬であろうと、道端で拾われた犬であろうと、犬は犬。同じ犬として幸せに暮らすチャンスは与えられるべき。

・ 穏やかな性格の成犬であれば、子犬時のしつけに苦労することなく生活を始めることができる。
⇒自分の年齢を考えた時、子犬のやんちゃぶりについていくだけの体力がない、犬より自分のほうが先に高齢になるといった場合、敢えて成犬から飼うというケースもある。

・ 成犬である場合、性格もより読み取ることができ、体のサイズもはっきりわかる。
⇒連れてきたものの、予想外に大きくなってしまったというようなこともない。その犬に合わせたグッズや生活場所を整えてあげることができる。

・ ブリーダーやペットショップから手に入れるほどの高額な購入費用はかからない。
⇒しかし、多くの場合、ワクチン代をはじめ、若干の費用は支払う必要がある。

・ 成犬になっていれば、とりあえず子犬期に罹りやすい病気はクリアできているということ。
⇒子犬期というのはいろいろな病気にもなりやすいもの。最悪、感染症などに罹って命を落としてしまうこともある。成犬になっているということは、その時期を過ごした分だけ丈夫であるという考え方もできる。(*もちろん、生き物である以上、成犬になってから病気に罹る場合もあるのは人間と同じこと)

・ 成犬で迎えた場合、お互いの気持ちが通じた一瞬は、この上ない喜びになる。
⇒子犬から迎えた場合は別として、成犬である時、人見知りをしない犬はともかく、新しい飼い主として認めてもらえるまで、お互いの関係が築けるまでにはそれなりに時間がかかり、努力も必要とする。しかし、やがて犬との間に絆が生まれたと感じる瞬間がきっとやってくるはず。

この最後の1つがあれば、デメリットも何もすべて消え去ってしまうことでしょう。保護される犬の中でもっとも多いのは、やはり成犬です。ころころとした子犬は確かに可愛いですが、シニア犬にも格別の可愛さがあり、また、わけあってやって来た犬と絆が築けた後の可愛さもこれまた格別です。これから犬と暮らしてみたいと考えている方は、こうした行き場のない犬たちも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

保護犬だったコの写真投稿で動物保護のために1円寄付!

そうは言っても、「保護された犬たちのことは気になるし、どうにか力になってみたいとは思うけど、私にはちょっと無理……」という人も多いことでしょう。そういう場合は寄付という手もあります。

ペットに特化したオンライン寄付サイト一般社団法人「アニマル・ドネーション」とペット写真共有SNS「パシャっとmyペット」(GooglePlay AppStore) では、“Happy moment Project~保護犬、保護猫たちとの幸せな瞬間を集めよう~”と題して現在共同企画を開催しています。それは「パシャっとmyペット」内にて、この企画に「賛同する」ボタンをクリックした後、かつて保護犬、または保護猫、保護された小動物であったというペット写真を投稿すると、1回の投稿につき1円が「アニマル・ドネーション」を通じて動物保護関連団体に寄付されるというもの。この企画は10月27日~11月30日まで行われていますので、興味のある方はサイトを訪問してみてください。

いずれにしても、犬との出会いというのはどこに転がっているかはわかりません。いい出会いがありますようにと願います。


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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。