ハリーポッターの質の高さ

 2014年10月初旬、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)の視察に行って来た。そこでマーケティングコンサルタントとして気づいたこと、今後の戦略について考えたことを書いてみたい。
子供にも人気

子供にも人気

ハリーポッターのこだわりは素晴らしかった。ホグワーツに到着するまでの道のりの雰囲気作り、トイレに至るまでの細かいこだわり、もちろん家の傾き加減や城の雰囲気なども抜群だ。オリバンダーの杖の店では、普通に杖を買うことも出来るが、アトラクションとしても参加できる。約10人くらいのグループでオリバンダーの店に入店すると、お客さんの中から、ある一人が選ばれて、老人が杖を選んでくれる。まさに映画の世界で見た光景だ。選ばれた本人はうれしいし、見ている周りも楽しい。

アトラクションに関するこだわりも素晴らしい。「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリーポッター」はハリーと一緒に空を飛んでいるような気持ちになるのだが、他のテーマパークのアトラクションよりも優れているのはディテールへのこだわりだ。アトラクションの最初に、ハーマイオニーの合図でフワッと浮くシーンがある。本当にフワッと浮く感覚を味わえるのだ。これには驚いた。このフワッと感一つとっても試行錯誤が繰り返されたことは想像に難くない。まさに妥協せずディテールにこだわった結果がハリーポッターだ。日本最高のアトラクションのひとつといっても過言ではないだろう。

赤字からのV字回復

現在のUSJの成功は、同社の森岡毅執行役員を抜きにしては語れない。ハリーポッターを完成させるために、赤字だったUSJの経営を一つひとつ立て直した森岡氏。評価されるのはハリーポッターを一発当てたことではなく、そこにいたるまでのプロセスを順を追って成功させて来たことだ。

最初からハリーポッターのような大きなイベントが出来るわけもなく、小さなイベントを積み重ねて成功させることで、徐々に大きな仕掛けを展開することができた。今やUSJの定番となったハロウィン仮装、カプコンの人気ゲーム「モンスターハンター(モンハン)」とのコラボイベント、そして従来のジェットコースターを後向きに乗る形に改良して人気アトラクションとなったバックドロップ。マーケッターとして称賛されるのは、その時の状況に応じた予算で目的を達成してきたことであり、それを積み重ねて徐々に大きくしてきたことだといえる。そして、ハリーポッターエリアを完成させた。

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