本社一括管理で効率化!社会保険・労働保険事務

本社一括管理で事務処理の合理化・簡素化が進みます

本社一括管理で事務処理の合理化・簡素化が進みます

社会保険(健康保険・厚生年金)、労働保険(労災保険・雇用保険)は、各事業所ごとの事務処理が原則。業容拡大等で支店や営業所などを設置した場合、それぞれで所属従業員の事務処理をしなければなりません。一方で企業の実情を見てみると、小規模事業所等では、事務処理能力が不足している場合がありますね。

この場合、要件を満たすと本社一括の事務処理ができる方法があるのをご存じでしょうか。IT化で更なる事務処理の合理化・簡素化が進展しています。本社一括管理による事務処理効率化の方法を確認し対応していきましょう。

社会保険事務を、本社一括適用で効率化しよう!

社会保険では、本社・支店等ごとに適用されている適用事業所について、本社で人事、給与等を集中的に管理し、事業主が同一である等一定の基準を満たす場合には、本社を支社等を含めた一つの適用事業所とする申請を行うことができます。承認されると、本社・支社等間の人事異動の際、被保険者の資格取得・喪失届の提出が不要となり、手続の効率化を図ることができます。貴社の管理体制を集中管理しませんか。

今回は、多くの中小企業が加入している、協会けんぽ管掌の健康保険に加入している前提で解説を進めます。

■一括適用の承認基準は?

一括適用の承認を受けるためには、厚生年金保険及び協会けんぽ管掌の健康保険について、次のすべての基準を満たす必要があります。自社の状況はいかがでしょう。

  1. 一つの適用事業所にしようとする複数の事業所に使用される全ての者の人事、労務及び給与に関する事務が電子計算組織により集中的に管理されており、適用事業所の事業主が行うべき事務が所定の期間内に適正に行われること。
  2. 一括適用の承認により指定を受けようとする事業所において、上記1.の管理が行われており、かつ、当該事業所が一括適用の承認申請を行う事業主の主たる事業所(いわゆる本社)であること。
  3. 承認申請にかかる適用事業所について健康保険の保険者が同一であること。
  4. 協会けんぽ管掌の健康保険の適用となる場合は、健康保険の一括適用の承認申請も合わせて行うこと。
  5. 一括適用の承認によって厚生年金保険事業及び健康保険事業の運営が著しく阻害されないこと。

■承認申請に必要な書類は?

一括適用の承認申請には、一つの適用事業所とみなされる事業所について次の書類の提出が必要です。

  1. 一括適用承認申請書
  2. 人事、労務及び給与に関する事務の範囲及びその方法
  3. 各種届書の作成過程及び被保険者への作成過程または届出の処理過程
  4. 被保険者の資格の確認等の通知及び健康保険被保険者証等の交付の処理過程

■承認申請先は?

一括適用の承認申請は、みなされる一つの適用事業所(いわゆる本社)の所在地を管轄する年金事務所へ行います。

■承認日は?

一括適用の承認日は、算定基礎届の事務処理期間である5月から8月を除く月の末日となり、承認日より一つの適用事業所とみなされます。承認日が属する月の厚生年金保険等の保険料から、みなされた一つの適用事業所にて支払義務が生じます。なお、承認については申請から約3か月を要します。

■その他実務上の留意点

上記による手続が原則ですが、実務上の取扱いは多少異なります。実は実務上の取扱いとして、一括適用の承認とは別に、従来から本社管理による社会保険事務が認められています。たとえば、転勤等で事業所間の異動があった場合でも、従来の適用事業所のまま継続することも可能です。該当する場合は必ず、管轄年金事務所で確認の上処理をしておきましょう。

その都度の手続きでは、漏れが生じることもありますから従来から合理化・簡素化の取扱いがなされているのです。したがって、上記による手続の原則は、既に事業所単位で適用されているものを、今後本社で一括に取りまとめる場合になるでしょう。

次のページでは、労働保険(申告・納付)事務の本社一括の解説をしています。