アゼルバイジャン

ガイド:
旧ソ連から独立したアゼルバイジャン(Azerbaijan)は、カスピ海に面する、約人口950万人の国。アゼル&バイジャンは、元相対性理論の西浦謙助と真部脩一のユニット。トルコ等と同じくテュルク系民族、イスラム教徒が主体で、隣国のアルメニアとは領土問題で仲が悪いです。

松見:
コーカサス3国の中で唯一のイスラム教国(グルジアとアルメニアはキリスト教)というのは興味深いですね。音楽的にも先の2国とは異なる文化的文脈をどことなく感じ取れるようなものが多く見受けられました。エレクトロ系音楽はなかなか見つかりませんでしたが、2008年にユーロヴィジョンに初参加して以降、毎年安定して上位に入賞していることもあり、ポップミュージックとしての土壌がどんどん拓かれている印象です。余談ですが今年の代表歌手Dilara Kazimova、個人的に上位を期待しましたが、22位となりました。

ガイド:
日本でユーロヴィジョンの動向に注目しているのは、松見さんと僕以外そんなに日本に居ないでしょうが、僕はいつかユーロヴィジョンに行きたいです。出来れば、辺境で開催される年に。そういう意味では、2012年のユーロヴィジョンに行けなかったのは、残念です。

Aysel & Arash

ガイド:
always

Always

Aysel Teymurzadeh(アイセル・テイムルザデ)は、アゼルバイジャンを代表する女性歌手。彼女はユーロヴィジョン2009でアゼルバイジャン代表として「Always」という曲でエントリーしましたが、その際デュエットの相手を務めたのは、イラン出身のArash(アーラシュ)。でも、彼の活動拠点はスウェーデンで、民族的にはアゼルバイジャン人の血も流れています。YouTubeで調べると、女性歌手とのコラボを趣味にしているようです(笑)。「Always」は、エレクトロとは到底言えませんが、中近東的エキゾチックなダンスミュージック。

Always (YouTube)
Always (amzaon.co.jp)

 

Ell & Nikki (Eldar & Nigar)

ガイド:
runningscared

Running Scared

ユーロヴィジョン2011でアゼルバイジャンは、歴史上初となる優勝をしています。その結果、2012年にアゼルバイジャンの首都Baku(バクー)でユーロヴィジョンは開催されました。その時のデュオがEldar QasimovとNigar Camal。英語的表記としては、Ell & Nikkiとされています。こちらは、エキゾチック度は低く、ヨーロピアンポップスの系統です。

Running Scared (YouTube)
Running Scared (amazon.co.jp)

 


Alim & Fargana Qasimov

松見:
spiritualmusicofazerbaijan

Spiritual Music Of Azerbaijan

では、このユーロヴィジョンの流れで1組。Ell & Nikkiが優勝した翌年の2012年にアゼルバイジャンで開催された際に、本国代表として出場した女性シンガーのSabina Babayevaのバックボーカルを務めていたのがAlim Qasimov(アリム・カシモフ)。彼はムガーム(アゼルバイジャンに伝わる民族音楽の体系)の巨匠として、日本でもドキュメンタリー番組で取り上げられていました。“The 500 Most Influential Muslims of The World(世界で最も影響力のあるムスリム500人)”の一人として選ばれるなど、アゼルバイジャンが誇る世界的な歌手として名を馳せています。 2008年に行なわれた来日公演では娘のFargana Qasimova(ファルガナ・カシモヴァ)とも共演しており、Alimのリリース作の中でも父娘の掛け合いを聴くことが出来ますが、これまたすんばらしい。

Nader Mashayekhi, Alim Qasimov & Fargana Qasimova (YouTube)
アゼルバイジャンのスピリチュアル・ミュージック (amazon.co.jp)

 

ガイド:
お、初めての父娘の男女ペア! 紹介されているように日本でCD(DVD付き)がリリースされているのが驚異的です。

Vagif Mustafa Zadeh / Aziza Mustafa Zadeh

松見:
jazzcompositions

Jazz Compositions

またまた非エレクトロではありますが、父娘の2代で活躍するミュージシャンをもう1組。アゼルバイジャン出身の著名なジャズミュージシャンとして活動しているMustafa Zadeh(ムスタファ・ザデ)一家がいます。父のVagif(ヴァギフ)はジャズにムガームを取り入れたパイオニアとして1960年代に活躍したジャズアーティストとして有名です。

Vagif Mustafa Zadeh - Azida (YouTube)
Vagif Mustafa Zadeh / Jazz Compilation (amazon.co.jp)

 

always

Always

彼は1979年に39歳の若さで亡くなっていますが、グルジア出身の歌手である妻Elizaとの娘であるAziza(アジザ)が彼のスタイルを引き継ぎ現在も活動しています。Azizaが3歳の頃に生前の父Vagifのステージで歌を披露したのが最初の父娘コラボだったそう。親子共演の映像等は見受けられませんでしたが、父が娘に、娘が父に宛てたであろう楽曲がありました。

Azida Mustafa Zadeh - Vagif (YouTube)
Aziza Mustafa Zadeh / Always (amazon.co.jp)

 

ガイド:
結果、極めて強引ですが、エレクトロ度はほとんどない記事となってしまった事をお許しください。言い訳をすれば、日本では知名度がないアゼルバイジャンなので、特別扱いしました。ソ連という国は、ロシア的イメージが付きまといますが、民族・文化的に多様性に富んだ連邦国家だったですね。いつか訪れてみたい辺境(肯定的な意味で)です。次は、中央アジアです。

【関連記事】
世界のエレクトロ男女ペア連載(All Aboutテクノポップ)
1)~23)までは24)以前の記事から辿ってください。

24) ウクライナ編
25) ベラルーシ編
26) グルジア&アルメニア編

Bitpop! Breezesquad (All Aboutテクノポップ)
対談相手の松見真之介さんへのインタヴュー
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