日本で長い話数のドラマといえば、「水戸黄門」などのシリーズドラマを除けば、全150話前後の“朝のテレビ小説”くらいでしょうか。対して韓国では、全100話を超えるドラマが週に8本くらい放送されています。このように、日本とはかなり違う韓国ドラマの放送事情をお伝えします。
韓国ドラマ

韓国ドラマ話数



韓国のドラマの放送形態は?

韓国でドラマを制作している地上波は、公営のKBS(韓国放送公社)半官半民経営のMBC(文化放送)、民営のSBS(ソウル放送)の3社。他にもケーブル局や、総合編成チャンネル(大手新聞社を母体とした新規チャンネル)もドラマを制作していますが、ここではわかりやすく地上波の放送形態を例にとります。

まず日本と大きく違うのは、夜のゴールデンタイムのドラマが週に2話分オンエアされること。つまり、月曜日と火曜日の同時間に同じドラマが放送されることになります。この時間帯の枠のドラマは月・火ドラマ、水・木ドラマ、週末(土日)ドラマと、それぞれ呼ばれ、各局が一番力を注ぐドラマが放送されます。週2話を2ヶ月間=全16話が基本ですが、最初から全20話~50話くらいのドラマが編成されることもあります。

また朝と夜には、半年クールで各社2~3本の帯ドラマをオンエア。朝8時前後に放送されるドラマは“朝ドラマ”と、夜19時前後に放送されるドラマは“日々連続ドラマ”と呼びます。1話あたり30分で全120話くらいが基本ですが、人気を受けて延長になると200話を超えることも。ちなみに、これまでの最長記録は2002年の「人魚姫」で、全246話です。(1話完結タイプのシリーズ作品はのぞく)


どうして、そんなに長いのか?

冒頭でも述べたように、韓国では明確な改編時期がなく、視聴率が良ければそのドラマを延長で引っ張るということは、いたって普通に行われています。有名なドラマを例にとると「宮廷女官チャングムの誓い」は全50話予定が全54話に、「イサン」は全60話予定が全77話まで延長されました。

ドラマの人気を測るのはもちろん視聴率ですが、インターネット大国の韓国ではドラマの公式サイトの掲示板に寄せられる視聴者の意見も重要視されます。掲示板は、日本のように書きこみ内容を制限しておらず、視聴者の意見がそのまま反映されるので、制作陣も、俳優陣も戦々恐々。

視聴者の意見を取り入れた結果、話数のみならず、ストーリーすら変えてしまうこともあります。2001年の大ヒットドラマ「美しき日々」で、病に冒されて死ぬ予定だったヒロイン役のチェ・ジウが、視聴者の猛反発によって、病を克服し、ハッピーエンドに終わったのは有名なエピソードです。

さらに面白いのは、人気ドラマが放送されている間は、裏でドラマをオンエアする他局が、新ドラマの放送開始をズラすこと。つまりライバル社が人気ドラマを放送している期間は単発ドラマやバラエティー番組でつなぎ、最終回が終わった翌週から、新ドラマをスタートさせるというもの。近年では2012年のKBSドラマ「太陽を抱く月」の大ヒットを受けて、MBCとSBSが新ドラマの放送開始をずらし、翌週に3社が一斉に新ドラマをスタートさせた例があります。


反対に、打ち切られるドラマも

もちろん、延長もあれば、打ち切りもあるのは当然のこと。視聴率不振により、予定の半分程度の話数で突如打ち切りになり、視聴者そっちのけでストーリーを強引にまとめてしまうことも。なかには、決して面白くないわけではなく、裏番組が強力すぎただけという、惜しまれる作品もあります。

打ち切りで興味深い例は、1997年の「Ready Go!」ウォンビンチャン・ドンゴンチャ・テヒョンぺ・ドゥナユンソナなどの超豪華キャストが総出演した学園ドラマでしたが、放送開始直後に韓国がIMF経済危機に陥ったため、不況の影響で全8話で突如終了。視聴率30%を超えながらも、打ち切りになった作品として、今でも語り継がれています。

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