『花子とアン』でスタートからずーっと気になっていたのが、冒頭と時代の変わり目に出てきた空襲シーンでの吉高由里子の凝った老けメイク。時代が進んで太平洋戦争末期になったら空襲シーンは間違いなく出てくるでしょうが、吉高由里子の凝った老けメイクまでそのままでしょうか。

ドラマは少なくとも『赤毛のアン』が出版される1952年までは描くでしょうから、老けメイクでそこまで行くのか?

近年なかった老けメイク

昔の朝ドラは、終盤で若い女優に老けメイクをさせて「コントかよ」といわれることも少なくありませんでしたが、『おしん』で老年期を乙羽信子に演じさせて以降、極端な老けメイクはなくなりました。このあたりのことは以前に書いた、以下の記事で分析しています。

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老けメイクはつながらなかった

そして9月13日放送の第144回でついに空襲シーンにつながりました。注目の老けメイクはしていません。

おそらく演出の意図は、最初の段階だと老けメイクをしないと若いころとの違いがわかりにくい、しかし終盤はドラマの展開を重ねることで花子が年をとったことがわかるので必要ない、ということなのでしょう。

しかし結婚して村岡花子になったあたりからあまり変わらないように思います。やっぱり納得がいきません。

一年かけて戻る

朝ドラや大河ドラマなど長い年月を描くドラマで、最初に未来のシーンを描いた後、過去にいったり、また明らかな伏線を張るパターンがあります。その場合、果たしてドラマが進んでいってそこに戻ってくるのか?ということが、個人的にやたらと気になります。

朝ドラだと代表的なのは『おしん』。老年のおしんが思い出の地をめぐる旅にでるところから始まり、回想により物語が進みます。旅に出かけるところまで回想が戻ってきたのが一年間放送の全297回中288回。ドラマの中でも一ヶ月間回想しています。

『すずらん』も老年のヒロイン(倍賞千恵子)が北海道の廃駅で孫娘に自分の生涯を語りだすところから始まります。そして半年後の最終週にその場面に戻ってその後ヒロインが永遠の眠りにつきます。

次は「伏線回収に12年

大河ドラマでも

大河ドラマだと『花の乱』。冒頭、足利義政(市川團十郎)から「将軍を辞める」といわれた日野富子(三田佳子)が寺に篭って過去を回想するところから始まり、冒頭に戻ってくるのは約三ヶ月後の第11回。

最近では『八重の桜』。第一話ででてきた戊辰戦争・鶴ヶ城籠城戦が、本格的に描かれたのは半年たった第26回です。
 

伏線回収に12年かかったケースも

伏線が回収されるまでに、ガイドが知る限りで最も待たされたのが『花へんろ・風の昭和日記』。

1985年の第一シリーズで、昭和初期に登場人物の一人がアメリカ人と結婚するエピソードがあり、ナレーションで「将来、重要な意味を持つ」ことを匂わせていました。おそらく敗戦後につながってくるんだろうな、と思って見てると、1988年の『第三章』で敗戦までを描きシリーズ終了。あの伏線はどうしてくれるんだ? と長らく思っていました。

ところが1997年に『新花へんろ・風の昭和日記』で奇跡の復活。終戦後を描いて、12年かけて伏線がようやくつながり安心しました。


『花へんろ』はなぜ奇跡の復活をしたのか? おそらくこの頃、脚本の早坂暁が自身の戦争体験をもとにした映画『夏少女』(監督は『若者たち』の森川時久)をつくっていて、その制作費が必要だったんじゃないかと思います。

『新花へんろ』と同じ1997年には怪作として有名な映画『北京原人 Who are you?』まで書いていて、かなり仕事してます。
 

つながりそうになくても

最近だと『仮面ライダー鎧武』。第一話冒頭に主役ライダー・鎧武とライバルライダー・バロンによる戦国合戦風の戦いが描かれました。これはさすがにイメージで、こんなシーンはでてこないだろうと思っていました。しかし9月7日放送の第43話で同じシーンが登場。最初からラストの展開をちゃんと考えていたんだなと感心しました。

平成ライダーシリーズは大風呂敷を広げすぎて結末がまとまらないことが多いのですが、『鎧武』はかなりうまく風呂敷をたためてます。

冒頭に出てきたシーンがうまくつながるのはストーリーを緻密に組み立てている証拠。決しておろそかにはできません。

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