3階建て住宅の通風は「横と縦」で考える

3階建て住宅にうまく風を取り入れるポイントは、「平面上の通風」と「断面上の通風」の2つを考えることです。

平面上の通風とは、例えば、ひとつのフロアを水平、つまり横に通り抜ける風のことです。それに対し、断面上の通風とは、建物の内部を下から上、あるいは上から下へと縦方向に通り抜ける風のことです。

この場合の上下は、同じフロア空間での上下の場合もありますし、フロアをまたいで1階から3階、またはその逆も考えられます。

平面上の通風をよくするためには、部屋ごとに2つ以上の窓を設けて、風の入り口と出口をつくります。とくに、出口を意識することが大切です。プランを考えるとき、窓をたくさんつけたいと希望される方がいらっしゃいますが、窓は多ければよいというものではありません。生活をする上では、ある程度壁があったほうが家具などを置きやすくなりますし、断熱性も考慮しつつ、壁と窓のバランスを見ながら設計をしていく必要があります。つまりどちらかというと、肝心なのは窓の数より、窓の位置です。

同一面に窓を2つ設けるよりは、対面に振り分けて設けたほうが風が通ることは、みなさんもよくご存知のことでしょう。また、窓だけでなく、欄間やドアなどの建具の上に開閉できる小窓などを採用して、風の道を作り出す方法もあります。

そして、高さのある3階建て住宅で良好な通風を考えるなら、断面上の通風をうまく利用することをおすすめします。1階と3階では室内に温度差ができるため、その温度差を利用して気流が生まれるようにします。

また、1階から3階まで貫通した筒状の空間を設けると、光だけでなく風の通り道を効果的に確保することができます。都市で快適に過ごすためのノウハウのひとつです。

筒状の空間は建物内だけとは限らず、半屋外に設けて、ベランダの床を金属製のグレーチング(鋼材を格子状に組んだもの)にすることで上下階をつなげるという方法もおすすめしています。上階から階下へ格段に風と光がよく通るようになるでしょう。

外部に「筒状の空間」を設けたパターン。バルコニーには光や風を通すグレーチングを採用

外部に「筒状の空間」を設けたパターン。バルコニーには光や風を通すグレーチングを採用


風の通り道を確保する方法は、上下階だけでなく、同じフロアでも利用できます。例えば、地窓と高窓を利用して風を通すという具合です。3階建て住宅では、吹抜けなどを利用してフロアをまたいでダイナミックに風を通すことも可能です。

さらに、下の写真のように、窓の向きが上下で違う窓を取り入れると、どちらの方向からも風をつかまえることができます。都市部の密集地で風を取り込むのに効果的な方法です。人が入れない細長の窓なので、通風も確保しながら防犯性も保つことができます。

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