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3階建て住宅で暮らす/3階建て住宅の基礎知識&ノウハウ

「光」を上手に取り込む3階建て住宅設計ノウハウ

これまで、狭小住宅や二世帯住宅、併用住宅など、主に3階建て住宅での暮らし方についてお話ししてきました。今回は、条件が厳しい都市部で「光、風、緑」をうまく取り入れ、快適に暮らせる3階建て住宅にするにはどのような工夫をしたらよいのか、具体的な設計手法も交えて説明しましょう。まずは「光」編です。

提供:旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)
西野 功市郎

執筆者:西野 功市郎

3階建て住宅で暮らすガイド

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光、風、そして緑といった自然の要素は、住宅にとっては欠かせないものであり、これらをきちんと意識して家づくりをしないと心地よい空間を作ることはできません。ところが、3階建て住宅が建てられる環境は多くの場合、敷地に余裕がなく隣家が迫っていたり、周囲に緑が少ないなど、自然を取り込むことが難しいケースが多いものです。そんな3階建て住宅だからこそ、光・風・緑を巧みに取り込む工夫、つまり設計ノウハウが必要になってくるのです。

直射光・間接光・天空光という「3つの光」を意識する

まず、住宅に取り入れたい「光」について説明していきましょう。
私は、光をうまく取り入れるために「直射光・間接光・天空光」という3つの光を意識しながら設計するようにしています。

直射光は、部屋に直接入る日差しのことです。直射光を建物内に取り込むには、光が入ってくる場所を見つけて、その場所に窓を配置するのが基本です。しかし、直射光が入ってくる場所は、敷地の条件や周辺環境によってまちまちであり、またその場所は生活する上で必ずしも最適な場所とは限らないこともあります。都市部の3階建て住宅であればよりこの傾向が強くなります。つまり、直射光が入る場所に単純に窓を設けるのではなく、さまざまな条件をクリアした適切な場所に窓を配置することが求められます。

間接光は、反射する光をイメージしていただければわかりやすいと思います。具体的には、隣家の壁が白ければ、そこに当たって反射する光を取り込んだり、庭に当たる照り返しの光を取り入れて明るさを確保する方法が考えられます。庭を利用する場合は、白い砂利を敷いたり明るい色の床材を貼ったデッキを設けて、光が反射しやすいようにします。反射する光を取り込む手法は、南側にあまり光が当たらない敷地や、庭が小さい敷地などに有効です。

天空光は、建物の上部から入る光のことです。天空光を取り込むには、天井に窓を設ける「天窓」いわゆるトップライトが一般的ですね。トップライトは、設ける場所がポイントになります。家の中でもみんなが集まる公共的な場所、例えばリビング・ダイニングなどに設けるとよいでしょう。トップライトは方位に関係なく光を取り入れることができるので、寝室など設ける際は、位置などに注意する必要があります。

天空光(トップライト)を採用した例

天空光(トップライト)を採用した例


3つの光を賢く使い、各所に光を導く

明るく心地よい住まいをつくるには、この直射光・間接光・天空光の3つをバランスよく取り込むことが必要になります。

住宅密集地に建てられることが多い3階建て住宅では、近隣の視線などを考慮すると、建物の壁面に自由に窓をとることが難しい場合があります。そのようなときに私がご提案しているのは、1階から3階まで貫通した「筒状のような空間」を設ける設計手法です。

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「筒状のような空間」は、奇抜なアイデアと思われるかもしれませんが、それほど取り入れにくいものではありません。実際には、階段や吹抜けをイメージしてください。例えば、1階から3階まで連続した階段は、上部から取り込んだ光を効果的に下の階まで届ける、光の通り道となります。

住宅密集地でも、吹抜け空間となっている階段をうまく活用して光を導くようにすれば、明るい家となるでしょう

住宅密集地でも、吹抜け空間となっている階段をうまく活用して光を導くようにすれば、明るい家となるでしょう


さらに、この光を取り込む筒状の空間(階段や吹抜け)の周囲の壁には、光をよく反射する白や光沢のある素材を使うとより効果が高まります。こうすることで、建物の上から入った光が筒状の空間の中を反射しながら1階まで届くことになります。

もし、冬場に風の通る量が多くなることを気にされる場合は、開け閉めできるガラスを入れて、光は通しながら風はコントロールできる、という方法をとるのもよいでしょう。

光は通しながら、風をコントロールできるガラスのスクリーン

光は通しながら、風をコントロールできるガラスのスクリーン


また、「高窓」も有効な手段になります。高窓とは、人の目線より高い位置の窓のことです。高い位置に窓を配置することで直射光を取り入れることができます。都市部の住宅の場合は、外部からの視線を遮りながら光をどう取り込むかがとても重要なポイントとなります。視線を気にせず、建物の上方から光を室内に導くにはとても効果的な方法です。


光をより意識させる「可視化」もポイント>>


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