子育て/子供のしつけ

日本流"タイムアウト法"のしつけが子どもの癇癪に効く?!

子どもの望ましくない行動ってよくありますよね。何度も注意するけれど、なかなか言うことを聞かない。そんなときに使えるのが、アメリカ流しつけ「タイムアウト法」。そのまま真似るのではなく、受容や共感を大切にした日本流で実践することが大切です。

横山 知己

執筆者:横山 知己

子育てガイド

アメリカ流しつけ、タイムアウト法とは?

タイムアウト法によるしつけ

言うことを聞かない子供に冷静に関われるようになるとしたら、良いと思いませんか? アメリカ流しつけ「タイムアウト法」とは

「タイムアウト法」はアメリカで良くおこなわれているしつけの方法です。子どもが望ましくない行動を続け、ママの注意が聞き入れられない時に、子供の行動に中断を加え、クールダウンの時間を持たせます。 サッカーやバスケット等の「タイムアウト」が語源と言われています。

子供が望ましくない行動をとったら、止めるように指示。次に同じことをしたら「タイムアウト」になる旨を"最後の警告"として伝えます。それでもその行動が止まらない場合には、「タイムアウト」にし、「決められた場所」で、気持ちを落ち着けるための時間を過ごします。アメリカでは特定の場所に椅子を置いて、そこに座らせることもあるようです。時間の目安はおおよそ子供の年齢×分数。3歳なら3分、4歳なら4分程度。対象年齢は善悪の判断がつく1歳半頃~2歳くらいから使用可能とされています。

「タイムアウト」の時間が終了したら、何がいけなくてタイムアウトになったのか、気持ちが落ち着いた子供と再度話をし、終了。子供の希望する遊びにそのまま戻してあげます。
 
<目次>
   

アメリカ流タイムアウト法は日本でもしつけに使える?

前述した内容は、あくまでもアメリカの文化の中で定着しているものです。言葉や態度での分かりやすい愛情表現が多く、義務と権利がはっきりしているアメリカらしいやり方ですね。子育ての主流として、ママ達の中に浸透しているものであれば、どんな場面でも使いやすいのですが、ここは日本。アメリカのやり方をそのまま当てはめれば、上手くいくというものでもありません。日本の子育てに馴染みやすいかは、とても大切なことです。

現代の日本の子育てで大切にされているのは、受容と共感です。しかし、ママの気持ちを我慢してまで寄り添おうとした結果、よりストレスが高まりママの気持ちが爆発寸前というケースも少なくありません。こんな場面で受容と共感を大切にしつつ、「タイムアウト」の考え方の「気持ちの中断」の部分を取り入れるとしたらどうしたらよいでしょうか?
 

日本流”タイムアウト”は受容と共感+気持ちの中断

タイムアウト法によるしつけ

叱る前にまずは子どもの気持ちを受け止める。これを飛ばして「タイムアウト」だけでは、子供の心が傷つくだけです。

例えば食事の場面で、子供がご飯を食べたくないとぐずり、スプーンでお皿をたたいたり、体をそらせてまで嫌がり椅子から落ちそうになったとします。そんなときに日本流”タイムアウト”では、どう対応したらよいでしょうか。

■まずは受容と共感
子供にどうしたいか、何が嫌かなどを聞いて、気持ちを汲み取ってみましょう。理由を聞き取って受け止めても、その行動が止まらないときはまずは危険回避。スプーンは危ないので速やかに回収し、振り回してる手も握って止めてあげます。そして「まっすぐ椅子に座ろうね」と、子供が今とるべき行動を具体的に伝えます。

■気持ちの中断
それでも子供との話し合いが成立しない時には、このやり取りそのものを一旦中断することを伝えます(アメリカ流の「警告」の部分です)。「一回向こうに行って少し落ち着こう」と食卓から離れ、気持ちを落ち着ける時間を持ちます。決められた場所でなくても、今までの空間から離れるということで、十分に効果は期待できます。この部分にアメリカ流の「タイムアウト」の考え方を取り入れてみます。

子供自身が自分の気持ちと向き合っているように感じられる場合には、そのままそばにいてあげてもよいでしょう。叩く、蹴る等、攻撃がママに向くときには、「お話しできるようになったら呼んでね」と声をかけて、少しの間一人にしてあげます。外出中の場合には車に一度戻る、お友達のいる場所から一回離れる等し、クールダウンしてから、元の輪に戻るのも良いでしょう。

子供の姿を受け入れつつ(受容)、その場面からは一旦離れて気持ちの中断をする(タイムアウト)。両方の考え方を大切にできると良いですね。

■タイムアウトを終わらせる
そして気持ちが落ち着いたら、改めてどんな気持ちになったのか、何が悪かったのか、子供と一緒に振り返りましょう。これはタイムアウトの終わり方です。始めと終わりがしっかり分かることで、子供はこれでママからのお話は終わりと理解することができ、安心して遊びに戻ることができます。

アメリカ流の「タイムアウト」では、周りの目も気になりますが、しっかり受容し、具体的な指示を出した後にクールダウンの時間を持つ日本流であれば、他のママ達から変な目で見られることもありません。
 

こんなタイムアウト法の使い方に要注意!

気をつけなければいけないのは、あくまでもこれは「クールダウン」の時間であって、「バツを与える」時間ではないということです。場所を変える時に、暗いところ、押し入れやトイレに入れること、恐怖心をあおるような場面設定は望ましくありません。それ自体がトラウマになる可能性がありますので、絶対にやめましょう。また声かけをする際も、「これ以上聞かないなら、あっちだよ!」等罰を与えるような声掛けは逆効果です。あくまでも子供にとって心の調整をする練習であること、子供自身にその力があるとママが信じているというメッセージの元行うことに効果があるやり方です。
 

親子にとって必要なクールダウンの時間

子供が騒ぐとママもイライラするもの。それはとても自然な反応です。だからと言って、感情的に対応すると終息も遅くなる上に、ママ自身も後味が悪いものです。もちろん子供への心的影響も懸念されます。

「タイムアウト」は子供にとってのクールダウンの時間であると同時に、ママのための心を落ち着ける時間でもあります。お互いにクールダウンして、改めてしっかり向き合って話しをする。そんな習慣をつけていけたら良いですね。


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