ペアやアイスダンスでは、活発なパートナーの組みかえ

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ペアやアイスダンスのパートナーの組みかえが一番多いのが、五輪直後のシーズンオフです。

五輪をひとつの大きな目標に設定していることから、五輪直前期にはペアやアイスダンスカップルの解消をとどまった選手たちも、五輪後のシーズンオフに新しいパートナーを求めることが少なくありません。

これまでにも、数多くのペアやアイスダンスカップルが、五輪後のシーズンオフに誕生してきました。

2010年のバンクーバー五輪後にそれぞれのパートナーとペアを解消し、新しく組んだタチアナ・ヴォロソジャール&マキシム・トランコフ(ロシア)は、4年後のソチ五輪で金メダリストになりました。また、2006年トリノ五輪後には、川口悠子とアレクサンドル・スミルノフ(ロシア)がペアを組み、3年後には世界選手権銅メダリストとなっています。

今年のシーズンオフには、これまでの五輪後には見たことのないくらいたくさんのペアとアイスダンスカップルが解消して、新しい組み合わせが生まれています。

ペアでは、引退したロビン・ゾルコヴィー(ドイツ)とともに世界選手権で5度チャンピオンになったアリョーナ・サフチェンコが、ブリュノ・マッソ(フランス)とペアを組み、すでにアイスショーでも演技を見せています。

世界選手権のメダルが目前のカーステン・ムーア=タワーズ&ディラン・マスクビッチ(カナダ)も解消し、それぞれマイケル・マリナロ、リューボフィ・イリュシチキナと新しいペアを結成しました。マリナロもイリュシチキナも以前のパートナーと国際大会で活躍していたけれどあと一歩というペアでしたが、新しいペアの結成によって、新しい風を吹き込むことになりそうです。

その他にも、ロシアのべラ・バザロワとユーリ・ラリオノフも解消し、それぞれ新しいペアを結成。また、以前日本代表として世界選手権銅メダリストになったマーヴィン・トラン(カナダ)もペアを解消し、同じくこのシーズンオフにペアを解消したマリッサ・キャステリ(現全米チャンピオンペア)と組むことになりました。

アイスダンスでは、ソチ五輪アイスダンス銅メダリストで、これからの世界のアイスダンス界を引っ張っていくと思われていたエレーナ・イリニフ&ニキータ・カツァラポフ(ロシア)がカップルを解消するという衝撃が走りました。その後発表されたのは、イリニフ&カツァラポフとヴィクトリア・シニツィナ&ルスラン・ジガンシン(ロシア)の男女が入れかわる形のカップルが2組できるということ。イリニフ&ジガンシン、シニツィナ&カツァラポフという、なんだか不思議な組み合わせの2組ができあがりました。



強化選手やルール改正が発表に

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新しいシーズンの輪郭が見えてくるのも、この時期のことです。まず6月半ばには、日本スケート連盟から新しいシーズンの強化選手(PDF)が発表されました。

休養の高橋大輔や浅田真央、引退した織田信成、鈴木明子、安藤美姫の名前がないのが寂しくもありますが、若い世代の名前が頼もしく感じられる新しい雰囲気が漂っています。

6月下旬には、ルール改正の内容も発表になっています。細かな改正はたくさんありますが、新しいシーズンから変わる主な内容は、

・これまでアイスダンスだけに認められていたボーカル入りの曲が、シングルやペアでも使えるようになった。

・ジャンプの回転数が足りなかったり踏切るときのエッジが正しくなかったりした場合の判定が厳しくなった。


・名前をコールされてから30秒以内にスタートポジションにつかないと減点される(これまでは1分だった)。

などです。ジャンプの踏切りなどが見分けられない方でも、選手の競技用のプログラムにボーカルが入ると、雰囲気が大きく変わるのははっきりわかることでしょう。


グランプリシリーズのアサインも発表されて

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6月下旬にはもうひとつ、新しいシーズンのグランプリシリーズの出場予定選手が発表になりました。

男子シングル
(PDF)
女子シングル(PDF)
ペア(PDF)
アイスダンス(PDF)

ここ数シーズン10人だったシングルのエントリーが12人に戻ったこともあり、初めてグランプリシリーズにエントリーされた選手(グランプリシリーズにエントリーされるのは、世界の上位選手の証でもある)や、10代半ばのフレッシュな選手などが増えて、これまでとは違った顔ぶれの大会が、楽しみになってきます。


羽生結弦は新しいショートプログラムを披露

6月最終週には、日本スケート連盟の強化選手などが中心となった、ドリーム・オン・アイスが開催されました。これは、ISU(国際スケート連盟)の新年度のスタートである7月1日付近に行われる日本のアイスショー。春から初夏にかけて振り付けたプログラムを初披露したり、シーズンオフにこつこつトレーニングしてきたことを発表したりする場でもあります。

羽生結弦が新しいショートプログラム『バラード第1番』(ショパン)を初披露したり、ボーカル入りの新しい競技プログラムを見せる選手がいたり、今年もまた、新しいシーズンへの息吹が感じられるショーになっていました。

梅雨から夏にかけて、さまざまなことが決められ、フィギュアスケート界は、新しいシーズンにむかって進んでいきます。五輪シーズンのあとのシーズンオフのこの時期は、とりわけ寂しく、それ以上に楽しみで彩られるときです。
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