年金

60歳から年金額を増やす方法(3ページ目)

超高齢化社会を迎えている日本では、リタイア後の収入の中心である年金額を確保することが重要です。60歳から年金を増やす方法や国民年金のみに加入するフリーランス・自営業者、さらに会社員だった人の年金を充実させる方法をご案内します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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国民年金任意加入と国民年金基金加入を事例で検証

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事例を使って60歳以降の年金の増やし方をみていきます

それでは、国民年金への任意加入と国民年金基金に加入した場合の老後の収入を事例で検証してみましょう。

■事例1
タカハシケンイチさん(昭和29年4月9日生まれ、60歳)は、弁護士です。大学院を卒業後、当時父親が経営していた法律事務所で仕事を始め、現在はその事務所を引き継いでいます。妻のケイコさん(昭和32年4月21日生まれ、57歳)は音楽大学を卒業後、ケンイチさんと結婚するまで個人でピアノを教えていました。タカハシさんは、仕事を始めてから国民年金に加入したので、学生時代に5年間の未加入期間があります。ケイコさんも学生時代と結婚前の時期に5年間の未加入期間があります。夫婦とも、厚生年金に加入していた期間はありません。
現在、ケンイチさんとケイコさんが加入している国民年金基金の加入口数と年金の種類は以下の通りです。
国民年金基金加入状況

 

ケンイチさんは今後も弁護士を続ける予定ですが、夫婦とも厚生年金に加入したことがないため老齢基礎年金の上乗せ部分を充実させたいと考えています。そのため、65歳まで国民年金に任意加入し、合わせて国民年金基金に加入するつもりです。
60歳以降の国民年金基金加入状況

 

タカハシさん夫婦が、60歳以降、国民年金への任意加入及び国民年金基金に加入した場合としなかった場合の65歳以降の年金額を比較すると以下のようになります。
老齢給付

 ※クリックすると拡大します。

老齢基礎年金と国民年金基金の老齢給付を合わせると、夫婦で約52万円(年額)、年金収入が増えます。

■事例2
イトウマコトさん(昭和29年4月30日生まれ、60歳)は、大学卒業後、現在勤務する会社に就職し、定年後は再雇用制度を利用して仕事を続けています。妻のユミコさん(昭和30年4月18日生まれ、59歳)は結婚前、マコトさんと同じ会社で働いていましたが、結婚後は専業主婦です。マコトさんは学生時代に3年間、ユミコさんは結婚後6年間の未加入期間があります。マコトさんの勤務先の再雇用制度は、65歳まで仕事を続けることができますが、短時間勤務になるため、厚生年金には加入できません。そこでマコトさんは、60歳以降夫婦で国民年金に任意加入し、さらに国民年金基金に加入することにしました。
60歳以降の国民年金基金加入状況

 ※クリックすると拡大します。

イトウさん夫婦が国民年金への任意加入及び国民年金基金に加入した場合としなかった場合の65歳以降の年金額を比較すると以下のようになります。
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(クリックすると拡大します)

老齢基礎年金と国民年金基金の老齢給付を合わせると、夫婦で80歳までは約35万円(年額)、80歳以降は約25万円(年額)年金収入が増えます。
 

60歳以降でも間に合う老後資金準備

老齢厚生年金の支給開始年齢の引き上げに伴い、60歳以降も仕事を続ける人が増えていますが、事例のイトウさんのように同じ会社で仕事を続けても厚生年金の加入対象とならない場合があります。国民年金の未加入期間がある人は、まず国民年金の任意加入で老齢基礎年金の年金額を増やすことがお勧めです。さらにゆとりがあれば、国民年金基金に加入すると、老後の収入がより充実します。また、国民年金の保険料と国民年金基金の掛金は全額所得控除の対象となります。

60歳は働き方に変化がある年齢かもしれませんが、一方で、子どもの教育や住宅ローンなど大きな支出も終わっている人も多い年齢です。60歳からでも長い老後を充実させるため老後資金準備を心がけてみましょう。

※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。

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