奇跡の島スリランカの魅力と楽しみ方

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紅茶畑の広がるスリランカの景観 (c) スリランカ政府観光局

この島、スリランカは一つの小宇宙である。この島の何十倍もの大きさの国々が抱える程の、沢山の様々な文化や風土がここにはある。ここで何を得るかは、あなた自身にかかっている。もしあなたがホテルのバー、あるいは、ほこりだらけの西洋化されたコロンボのストリートから、一歩も外に出ようとしなければ、一週間も経たずに退屈のうちに終わってしまうことだろう。それはまた、あなたにとって良い事かもしれない。だけれども、もしあなたがこの島の人々や歴史、自然、芸術といった本当に重要なものに興味関心があれば、私が気づいたように、あなたも気づくことでしょう。この島を巡るのに、自分の一生が十分でないことを。

出典: 『The View from Serendip』Arthur C. Clarke著 Random House刊 1977年(邦題: 『スリランカから世界を眺めて』早川書房刊 1988年)
『2001年宇宙の旅』でも知られるSF作家アーサー・C・クラークの言葉です。クラークは1956年に移住してから、晩年をスリランカで過ごしたことでも知られています。彼の言葉が示す通り、北海道よりも一回り小さい島国スリランカには自分の一生を費やしても十分でないほどの様々な魅力に溢れています。ここでは、観光で訪れる際の「スリランカといえば!」な魅力と楽しみ方を5つのテーマに分けてご案内します。

セイロンティーの香りを求めて

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スリランカの紅茶工場 (c) スリランカ紅茶局

スリランカと聞いてピンと来なくとも、セイロン島と聞けば何となく思い浮かぶ方も多いはず。それもそのはず。1972年に改名するまで、スリランカはセイロンとして知られていました。

セイロン島と言えば、何と言ってもセイロンティー。セイロンティーはスリランカ産紅茶の総称です。世界三大紅茶(他にダージリン、キーマン)の一つとして知られるウバも、スリランカの中西部に位置するウバ州で作られた紅茶のことを指します。ウバ州を含む小高い山々が連なる丘陵地帯は、紅茶の栽培で有名です。特に丘陵地帯の街ヌワラエリヤ周辺は、360度緑鮮やかな紅茶畑が広がります。標高が1,200m以上となり気温も涼しく、青々とした茶葉の香りが漂います。

この地域には沢山の紅茶工場があり、茶園で働く女性たちによって大切に摘まれた茶葉が、良質な紅茶へと変わるその生産過程を見る事ができます。紅茶工場で飲むフレッシュなブラックティーの味わいもまた格別です。英国の植民地時代に、茶園の英国人園主たちが過ごしたバンガローやホテルなども残されています。古き良き英国の田舎街を彷彿とさせる街並や景色に浸りながら、ゆったりアフタヌーンティーを楽しむのもおすすめです。

スリランカで太古の遺跡を巡る大冒険

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シ―ギリヤ・ロックのライオンの入り口

スリランカには8つの世界遺産があります。そのうち5つは、スリランカの北中部に位置する文化三角地帯と呼ばれるエリアに集まっています。乾燥した赤土の大地とオアシスのように茂るジャングル。そして、そこに佇む遺跡の数々。

中でも注目なのは、シ―ギリヤ・ロックです。父を殺して自らの王国を後にしたカーシャパ王が、紀元5世紀に建設した要塞。インドから戻った王位継承者の兄による報復から自らを守るため、14年もの歳月をかけて岩山に創られた空の上の要塞です。戦象を用いた壮大な戦いが繰り広げられたジャングルにそびえ立つこの迷宮は、何とも冒険心をかき立てられる場所であります。

紀元前4世紀にまでさかのぼる遺跡の数々が、乾燥した大地に転々と佇む世界遺産の古都アヌラーダプラやポロンナルワ。仏陀の生涯が色鮮やかに描かれた壁画と、153体もの仏像が彫られた神秘的な5つの石窟寺院の残る世界遺産ダンブッラ。秘宝として数多の王の手に渡った仏歯の物語の終焉地キャンディー。そしてシ―ギリヤ・ロック。力強い人類の痕跡が残される文化三角地帯の5つの世界遺産をめぐる大冒険。インディ・ジョーンズになった気分で楽しんでみてはいかがしょうか。

スリランカの驚くべき大自然を体感

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子供も大人も楽しめるピンナワラの象の孤児院 (c) スリランカ政府観光局

ここちよい風を受けながら、壮大な大地に潜む野生の象や希少なレオパードを追うジープサファリ。色鮮やかな固有の野鳥やカメレオンなどの爬虫類を求めて、マイナスイオン感じる熱帯雨林を巡るトレッキング。インド洋の荒波を体感しながら、地球上に存在する世界最大の哺乳類シロナガスクジラと出会うホエールウォッチング。

スリランカは国土の8%が国立公園や自然保護区に指定され、生物多様性に溢れた国です。スリランカは海陸共に沢山の種類の動植物に溢れ、大自然の息吹を感じることができます。

特にスリランカは象好きにはたまらないアトラクションが豊富。北中部に位置するミンネリヤ国立公園でのジープサファリでは、6月から9月の乾燥期に300頭以上もの野生の象たちが大移動を繰り広げる「ザ・ギャザリング」を目撃することができます。約50頭の傷ついた象たちが保護されるピンナワラの象の孤児院も外せません。沢山の象たちが一斉に大河で水浴びをする姿はこれまた圧巻。その他、ハバラナでは象の皮膚から伝わる大きく包み込まれるようなあたたかさと、チクチクした毛の感触をお尻で感じる象乗り体験もできますよ。

アーユルヴェーダで身体と心のリトリート

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トリートメントに使われる贅沢なオイル (c) アマヤ・レイク

一カ所滞在でのんびりと、太陽の光溢れる常夏のスリランカで贅沢なアーユルヴェーダ・リトリートもスリランカの楽しみ方の一つです。アーユルヴェーダはスリランカやインドに伝わる伝統医学。スリランカでは専門の病院もある他、街中の小さな薬局でもアーユルヴェーダの薬が簡単に手に入る程広く一般に根づいた療法です。

スリランカには快適にリゾートステイを楽しみながら、本格的なアーユルヴェーダ治療を受けられるアーユルヴェーダ専門のリゾートが存在します。人肌にあたためられたハーブやスパイスの複雑な香りが入り交じる特別なオイル。琥珀色に輝くこってり重めのオイルをふんだんに用いたマッサージなど、様々なトリートメントが毎日施されます。ハーブやスパイスを使った苦ーいお薬が処方される他、太陽の光をたっぷり浴びて育った採れたての野菜やフルーツ。これらを使ったフレッシュで健康的な食事も朝昼晩と用意されます。鳥やリスといった動物たちの声や、風にそよぐ木々の音に耳を傾けながら、リラックスした環境でヨガや瞑想も楽しむことができます。

アーユルヴェーダは少なくとも1週間から2週間かけて治療を行うのが良いとされています。日常生活から離れ、のんびりとした時間の流れる自然豊かな環境で、自分の身体と心に向き合ってみるのはいかがでしょうか。

インド洋が目前に広がる南国の島国でビーチステイ

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ウナワトゥナのビーチ

スリランカは360度周りをインド洋に囲まれた南の島国。海岸線にはヤシの木々と砂浜が広がり1日中のんびりできるビーチリゾートが点在しています。様々な全く別の雰囲気を持つビーチが連なり、自分のスタイルに合わせていろいろな楽しみ方を味わえます。

街歩きを楽しみながら贅沢な滞在をするならネゴンボ、マウントラヴィニア、ベントータ、ゴール周辺、東海岸のトリンコマリーなどがおすすめです。昼間は現地の人々で集まる活気ある近場のマーケットやレストランを覗いて、夕方は設備の整ったリゾートホテルのビーチバーでまったり。プールで汗を流したら、夕日に染まるインド洋を見ながら現地のライオンビールやココナッツの蒸留酒アラックを使ったカクテルで乾杯!

昼はサーフィン、夜はパーティーのアクティブ派には、ヒッカドゥワやウナワトゥナ、東海岸のアルガンベイがぴったりです。ビーチいっぱいに小さなレストランやゲストハウスが並び、現地や海外からの若者で賑わうエリア。真っ昼間から各国の旅行者たちとビールを煽るのも最高です。ドラッグなどの問題もあるので夜の外出は充分に気をつけて!

その他にも、アマンリゾーツをはじめとした、上質のプライベートなサービスを受けられる、こじんまりとした部屋数の少ない隠れ家ホテルも南西海岸を中心に点在しています。自分だけのお気に入りリゾートを見つけてみるのもおすすめです。

スリランカの魅力はやっぱり人!

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笑顔のかわいいスリランカの人々 (c) スリランカ政府観光局

「スリランカといえば!」な5つの魅力と楽しみ方をご紹介いたしました。しかし!何と言ってもスリランカの最大の魅力はのんびりとしたホスピテリティー溢れる現地の人々。

茶園で出会う茶摘みをする女性たちの仕事ぶりを見れば、一杯の紅茶が大変貴重なものに感じられます。遺跡の数々を巡れば、現地のスリランカ人旅行者が満面の笑みで一緒に記念撮影をしてくれたり。その素晴らしい視力で野生動物を探し当ててくれるサファリやトレッキングのガイドたち。やさしいオーラで包み込んでくれるアーユルヴェーダ専門リゾートのお医者様やスタッフのサービス。ビーチで出会う元気な現地の青年たちとの出逢い。

のんびりしすぎていらっとしたり、ホスピタリティー溢れすぎてしつこく感じることもありますが、そのうち「ま、いっか」と思えてしまうのもスリランカならではの魅力かと思います。現地の人々との交流もスリランカの楽しみ方の一つです。是非楽しんでみてください!
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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。