フラメンコは、曲の種類や歌詞の内容に合わせて、様々な衣装や小物を使い分けます。衣装や小物は踊り手や舞台を美しく、華やかに演出します。皆さんもフラメンコ衣装の華やかさはご存知ですか?衣装と共に活躍してくれる小物たち、パリージョ(カスタネット)、ソンブレロ・デ・コルドベス(帽子)、マントン(肩に羽織るマント)、アバニコ(扇)、バストン(杖)等など。レッスンが進むにつれ、このような小物を使った練習も大事になってくることでしょう。

今回は初めてフラメンコを学ぼうとしている方に、私が考える初心者に必要だと思える基本の道具をご紹介します。


レッスンで必要な基本の道具

初心者道具

左上から時計回りに レオタード、5本指靴下、パリージョ、靴、スカート、スパッツ

私が考える重要な物から、優先順位を付けてみました。

【1】靴(サパトス)
まずはやはり、靴です。皮またはバックスキン製のフラメンコシューズです。サパティアードという靴底で打ち出すフラメンコ特有のリズムを刻む為に、つま先とかかとに細かく釘が打ってあります。私のお勧めは、やはりスペイン製のもの。作られてからの歴史が違うため、足のフィット感が違います。正しいバランス位置が取れるように作られていますので、足に掛かる負担が少ないです。

 

フラメンコシューズ

フラメンコシューズ裏  かかととつま先に釘が打ってあります

スペインに専門店がいくつかありますが、日本でも扱っているお店がありますので、「フラメンコシューズ」で検索すると専門店がいろいろ出てきます。マドリッドに工房がある「ガジャルド」は特に有名な工房です。プロは足型に合わせてオーダーしますが、出来上がってくるのに最低3ヶ月くらいはかかります。

フラメンコは足を特に酷使しますので、フィットするかどうかは本当に大切です。自分の足に合ったシューズを選びましょう。

 


【2】パリージョ(カスタネット)
パリージョ

パリージョ 合成樹脂製(フィブラ)

先ほど小物の中で紹介しました。打楽器です。ざくろの木で作ったもの、布を圧縮して張り合わせたもの(テラ)、合成樹脂でできたもの(フィブラ)などがあります。2つで1対となり、左手でリズムをキープ、右手でリズムのバリエーションをつけるために使用します。

こちらも靴のサイズと同じように、手の大きさによって大~小まで、サイズがあります。手の中におさまる大きさのものを選びましょう。小さすぎても大きすぎても、うまくリズムを刻めないので、実際に着けてみると良いと思います。

 
私はフラメンコのリズムの刻み方を覚えるために、特にパリージョを、自分のレッスンの中で取り入れています。打楽器を使いながら踊るということは、足の動きもあるわけですから、手足バラバラになって難易度が高いです。ですが、このフラメンコ特有のリズムキープの訓練として、パリージョを練習するというのはたいへん有効と考えています。初心者の方は、まずこのパリージョを使った「セビジャーナス」という踊りから練習しています。

パリージョは、テラを使えば繊細な音色を、フィブラを使えば大きな音が出るなど、用途に合わせて使い分けたりしますが、初心者はフィブラで良いのではないでしょうか?フィブラは合成樹脂製ですので、最近では黒色だけでなく、いろいろな色つきのものもあるようです。黒檀で作ったもの、今では禁止されていますが、象牙で作ったものもあったようです。


【3】スカート
「ファルダ」という円形のスカートです。女性にとっては、フラメンコ舞踊の衣装の始まりといったところ。女性らしい踊りをするために、その扱い方を知る最初の道具です。

ファルダは足首まである長いスカートですので、足元が隠れてしまいます。足さばきなどの体の使い方を確認しにくいため、私は最初から身に付けてのレッスンはしていません。

ある程度踊りの形が身についてから、最後の仕上げのときに衣装を着用してもらいます。衣装を身に着けて踊るときこそ「舞踊」として形を作ることになるからです。裾のさばき方、効果的な衣装の見せ方で、女性らしい踊りを視覚的に学ぶ、という理由もあります。

ファルダも種類が様々あります。踊りの中で回転した時にふわっと広がり、女性らしい動きが出るものです。こちらも「フラメンコ ファルダ」と検索すると、練習用から舞台用までいろいろと出てきます。その中から、自分の身長に合った、扱いやすいものを選ぶと良いでしょう。

【4】5本指ソックス
フラメンコシューズを履くときだけでなく、ストレッチ運動をするときなどにも推奨しているのが、5本指のソックスです。5本の指、それぞれが離れているタイプです。今はシューズを履くときにも履けるように、薄手のものも市販されています。

フラメンコを踊るときの理想として、身体の上半身は「天に向かって伸びやかに」、下半身は「大地をしっかりと踏みしめて」、踊りの中に重力を感じる、私はこれを理念として持っています。

5本指のソックスを履くことにより、足の5本の指をしっかりと開き、左右前後のバランスが常に保てるように、身体のばらつきのない均整の取れた身体作りに使っています。フラメンコの踊りの中では、回転やサパティアードを打ちながら移動するなど、スムーズな動きが重要になっています。その安定した、力強いしなやかな踊り、軸のある踊りを作るために、足裏の柔軟性はとても大事です。そのために、足指が自在に動けるように5本指ソックスを使って、訓練していきましょう。


【5】レオタード
上に着るものとして、Tシャツなどもあげられますが、基本ダブダブした服装はお勧めできません。身体の線がはっきり出たものを身に付けたほうが良いです。自分でわかって動きが確認できるということももちろんですが、先生にも確認してもらえるほうが、レッスンを受ける側としても有益です。お互いが今の動きの状態を確認できる、これは重要です。

きれいな身体を作るために、必要な服装ですね。


【6】スパッツ
ダブダブしたものより、足の線が出るものを使って練習したほうが良いでしょう。フラメンコでは足さばきは特に重要です。先生も教えるときに素足を見せて、動きの確認を生徒に教えるくらいです。常に自分の動きを確認しましょう。上達の第一歩です。


いかがでしたか? 簡単ですが、フラメンコを始めるにあたって必要なものを、私なりにご紹介してみました。特別なものはいりませんし、最初からいろいろな小物を用意する必要はありません。

まずはフラメンコという踊りを楽しむために、その独特なリズムに実際に触れてみてください。教室によっては、体験スクールのときに貸し出しをしてくれたり、実物を使わせてくださるところもあるかと思います。先生は良くご存知ですから、どこで購入できるか、教えてくださる方もいると思います。伺ってみましょう。始めるときは本当に必要なものだけを用意して始めてみましょう。
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