筆者がオールアバウトガイドとして一部執筆をした「街本」が出版されたのでココに紹介します。『京阪神 暮らしたい街』は、街のニュアンスがわかる定性情報と行政別データ比較などの定量情報がバランスよく書かれているMOOK。『散歩の達人』の別冊です。

「街の選び方」を漫画で解説

今回縁あって、本書内の漫画にオールアバウトガイドとして登場しています。登場しているのは「暮らす街を決定レポート」。どこに住んだら良いのかわからないという方は結構多く、そのような方向けにオーソドックスな「街選び」の流れを以下のように説明しています。

  1. 通勤パターンから路線/駅を決める
  2. 休日の過ごし方をイメージ
  3. 街に出る、5年後をイメージ
  4. 行政サービス等の確認

暮らす街を選ぶためのアプローチはいろいろとあります。しかし、実際に住む場所を決める際は「なんとなく」「近所だから」「知ってる場所だから」といった理由で決定している場合がほとんど。知っている街なんて、それほど多くはないはずです。よりよい環境に巡り合うために、是非とも本書で紹介した方法を実践してみてください。

エリアのチョイスが面白い

『京阪神 暮らしたい街』をざっとみて感じたのは以下の2点。
  • マイナーな播磨町、栗東市等も紹介されている。
  • 多くのエリアはバッサリときられ、市内/北摂/阪神間とその沿線にフォーカスされている。
書名には「京阪神」とありますが、JR東海道線~山陽線+JR大阪環状線沿線をメインに、「京阪神」エリアより相当広めに街紹介がされています。

一方、京阪方面、東大阪、奈良等々のことは触れられていません。姫路方面から滋賀方面と紹介されているエリアは東西に長いですが、網羅的ではありません。とはいえ関西で住宅を探される方の多くが口にされるのが「(大阪)市内/北摂/阪神間」。そう考えれば掲載エリアもちょうど良い頃合いのボリュームではないでしょうか。

マイナーな街の情報も面白い

取り上げているエリアは市内/北摂/阪神間が中心であり、メジャーな場所を押さえているのですが、個別の街紹介ではマイナーエリアにも目が向けられています。

「昔町に暮らそう」では伊丹、立花。尼崎市のJR立花が「暮らしたい街」的コンテンツで紹介されることなんて、まずありません。とはいえ立花が「暮らしたい街」では無い、ということではありません。多くの「街本」がオシャレで垢抜けたエリアを紹介するため、立花のような下町が紹介されることが少ないのです。

同じように「三大ターミナル駅から自転車圏内に暮らす」ではJR塚本駅、JR灘駅、東福寺駅が紹介されています。JR塚本駅は着目される機会が多いですが、東福寺駅ついてはかなりマニアックなチョイスです。とはいえこの「東福寺」駅、京阪とJRの2線の駅が隣り合っていてとても便利。「マイナーだけどポテンシャルが高い駅・エリア」が紹介されているのはポイントが高いです。

データを眺めるのも面白い

読み物としてバラバラと眺めるのに適したこのMOOK。じっくりとデータを見たい方には素敵なコンテンツが用意されています。各エリア毎の「データで見る行政比較」「暮らしたい度チャート」、そして巻末の「行政サービス比較一覧」です。

面積、年齢講師得、人口密度、図書館人口比率、交通事故件数人口比率等が表になっており、家賃/治安/文化/利便性/自然/買い物の6つの切り口でレーダーチャートとして掲載されています。細かく読み込むもよし、なんとなく眺めるもよし。自分が住んでいる街のポジションを知るのにも使えます。

行政サービス比較の一覧表では、掲載エリアの各行政区の、学童の状況、子ども医療費、子育て支援等が掲載。これは新婚さんの新居選びに使えそうです。特に子供の医療費については、「2歳迄通院無料」と「中学3年生まで通院無料」では、家計の負担もかなり違います。

水道料金や下水道使用料の比較は、それを持ってして街えらびをする人も少ないでしょうが、ネタとしては面白い項目です。例えば、向日市の水道料金が4,350円/月に対して、大阪市内は1,920円/月。2倍以上の格差です。

これから街探しをする人や、広く関西の土地柄やエリアイメージをつかみたい方に役立つ一冊です。

 

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