革新的パッケージをモーターで動かす“BMW”

BMWi3

「持続可能な次世代モビリティを提供するプレミアムブランド」として誕生した、BMWのサブブランドBMW i。EVのi3に加え、プラグインハイブリッドのスポーツカーi8が登場した

いよいよ、BMWの新たなブランド“i”が日本の街を走り始めた。

ラインナップシリーズの一部を電動化するメルセデス(Bクラス)やVW(ゴルフ)とは違って、EVだけに的を絞り、まったくテイストの異なる専用デザインで挑戦する。

非常にコストのかかる方法だが、世界随一のプレミアムブランドを自認するBMWにとっては、十分に勝算のある手法なのだろう。同時に、既存シリーズとの、理論理屈の反故もなく、共存もたやすいし、逆に与える影響も少なくてすむ。エンジンフィールの良さをブランディングの一部とするBMWならではEV戦略ともいえる。
BMW i3

ボディサイズは全長4010mm×全幅1775mm×全高1550mm、ホイールベースは2570mm。価格は499万円。総電力量22kWhのリチウムイオン電池を搭載する

BMW i3

発電用に647cc直2エンジンを積んだレンジエクステンダー装備車も用意(写真)。こちらの価格は546万円となる

BMW i3

駆動コンポーネントやバッテリーなどを組み込んだアルミ製のドライブモジュールに、CFRP製のパッセンジャーセルを上に結合させたライフドライブ構造を採用

まず、世の中を走り出したのは、小さい方のi3だ。フルEV(航続距離100~200km)とレンジエクステンダー(同300km前後)の2タイプを用意する。レンジエクステンダーとは、付属のエンジン(i3の場合、BMW大型バイク用の650ccエンジン)を発電機代わりに用いることで、文字通り、走行距離(レンジ)を延ばす(エクステンド)もの。

両者の間には50万円程度の価格差がある。ただし、日本では補助金の多寡で、その価格差はいっきに詰まって、12万円程度。要するに、12万円で100km余計に稼ぐ発電機が付いてくる、となれば、多くの日本人がレンジエクステンダーを選ぶに違いない。

もっとも、いかに未来的だとはいうものの、4シーターの4m切りコンパクトカーに、450万円以上、つまりは欧州プレミアムCセグメント級(M・ベンツCクラスやBMW3シリーズ)のお金を使えるかどうか。そのあたりが、現実的には大きな問題になるだろう。

とはいえ、乗る前から“高すぎる!”と敬遠してしまうには、あまりにももったいない素材だ。アルミシャシーにCFRPキャビンという革新的パッケージを、電動モーターで動かすBMW、と聞いただけで、乗ってみたくなるのがガイシャ好き、クルマ好きというものじゃないか!