新宿御苑の桜は晩春がおすすめ!

新宿御苑のパンフレットによれば、晩春(4月中旬~4月下旬)が御苑の桜のベストシーズンなのだそうだ。たしかに、新宿御苑は遅咲きの桜が多い。というわけで、行ってみた。

まずはこのマップを見て苑内に入ることをおすすめする

インフォメーションセンターには見頃の桜がわかるマップがある

新宿御苑には新宿門、大木戸門、千駄ヶ谷門と三箇所の入口がある。もし新宿門から入るなら、その前にインフォメーションセンターに寄ることをおすすめする。ここにはマップがあって、その日の見頃の桜を教えてくれる。ちなみに新宿御苑の春の時期の呼び方は「早春」(2月中旬~3月中旬)、「盛春」(3月下旬~4月上旬)、「晩春」(4月中旬~4月下旬)となっている。

左が英語版で右が日本語版

「桜ウォッチング」(勝木俊雄著/税込520円)

桜の場所を探しながら歩くのは「桜ウォチング」という冊子が便利だ。桜のある場所、写真、特徴などが記されている。苑内の売店でも売られているが、インフォメーション内の「カフェはなのき」で売られているので、ここで購入しておくのがいいだろう。桜を探しながら歩く、まさに宝探しの散歩のようなものだ。というわけで、苑内へ。

一葉 イチヨウ

一葉(イチヨウ)は「桜ウォッチング」によれば盛春の桜となっているが、4月16日でもきれいに咲いていた。花期が長いようだ。

新宿御苑には約150本ある

八重咲きの桜のなかでは比較的早く咲く「一葉」

新宿御苑を代表する桜のひとつで、苑内には約150本ある。比較的薄い花色と緑褐色の若芽の色合いが特徴。10m以上の高木になっているものが多い。

新宿御苑の一葉は10mを超える高木が多い

手前の人と比べると一葉の大きさがわかるだろう

遠くから全体を見ても圧巻だし、地面すれすれまで枝が伸びているので、目の前で花を見ることもできる。上の一葉の動画はこちら。また別の一葉の動画も。苑内にはたくさんあるので、すぐに見つかるはず。

関山 カンザン 

別名、セキヤマともいわれる新宿御苑の晩春の桜を代表する桜で、苑内には100本位上ある。花は鮮やかな紅色八重。寒さや病害虫に強いこともあり、最近では街路樹や公園に植えられているのをよく見る。そのため、八重桜の代表とも言えるだろう。

最近では街路樹や公園でもよく見かける。代表的な八重桜。

花は濃い桜色で花弁は多い場合は50枚を超える関山

新宿御苑にはけっこう高い関山を見ることができる。人と比べてみると、その高さがわかるだろう。

花といっしょに記念撮影する人も多い

10mほどの高さになることもある関山


遠くからでもその濃い桜色で関山だとわかる。関山の動画はこちら。こちらも苑内には多数あるので、すぐに見つけられるはず。


普賢象 フゲンゾウ

関山とともに晩春の新宿御苑の桜を代表するのが普賢象(フゲンゾウ)。

葉は生え始めは赤っぽく、徐々に緑になり、秋には紅く紅葉する

花期が長い普賢象。最初は薄紅色で、だんだん白くなり、最後は中央が赤く染まる

変わった名前の由来は、花の中央から2本の雌しべが出ていて、それが普賢菩薩が乗る像の花に形が似ているためにこの名前がついたそうだ。

室町時代にはすでに知られていたというからサトザクラの中でもけっこう古い

花の中央から出ている2本の雌しべが象の鼻の形に似ている

普賢象の動画はこちら。また、新宿御苑を代表する晩春の桜である普賢象と関山が並んでいた。見比べてみるとわかりやすい。動画はこちら。こちらも数はけっこうあるので、すぐ見つかるはず。

鬱金 ウコン

苑内には9本ほどあるので、探すのはさほど難しくはないだろう。黄色い桜を探せばいい。鬱金とはあのショウガ科のウコン(ターメリック)に由来したネーミングだそうだ。
両隣の関山と比べると独特な色合いの鬱金

古い記録には「浅葱(あさぎ)」「黄桜(きざくら」の名称もある鬱金)

花は大輪の半八重。咲き始めは花が黄色いが、散る間際は赤みを帯びて一葉と区別がつかなくなる。

新宿御苑内には9本の鬱金がある

江戸時代中期には京都で栽培されていた記録がある

別名「浅葱(あさぎ)」「黄桜(きざくら)」といった記述があるそうだが、個人的にはそっちのほうがいいと思う。動画はこちら。

駿河台匂 スルガダイニオイ

このあたりから、苑内にも数本しかない種類になるので、けっこう探すのが大変だ。というわけで、苑内に4本ある駿河台匂(スルガダイニオイ)。江戸時代、駿河台(現在の千代田区)の庭園に原木があったのだそうだ。
江戸時代後期から栽培が始まり、明治時代に荒川堤から全国に広まった

江戸の駿河台(千代田区)の庭園に原木があったといわれている駿河台匂

強い匂いがあると「桜ウォッチング」に書いてあったので鼻を近づけたが、何の匂いもしない。と、いきなり花の奥から蜂が出てきた。ひえ~。蜂もびっくりしたんだろうね。あっという間に飛び去った。刺されなくてよかったぁ。

かつては武家の屋敷によく植えられたそうだ

花は白色の中輪で、花弁が10枚以上になることもある

派手さはないけれど、とても美しい。動画はこちら。一重なので、花が散るときは風に煽られてより雅だ。そんな動画はこちら。

琴平 コトヒラ

香川県琴平町の金比羅宮の参道に原木があり、それを京都府の佐野籐右衛門氏が広めたそうだ。

京都の佐野藤右衛門氏によって広められたそうだ

香川県琴平町に原木があるのでこの名がついた

八重咲きのサトザクラの中では花が小さい。そのため、どことなく上品な感じがする桜だ。

ちょっと上品な感じがする桜だ

八重咲きの桜の中では花が小さい琴平


動画はこちらからどうぞ。「桜ウォッチング」によれば苑内に4本あるらしい。


松月 ショウゲツ

苑内に3本あるという松月。やっと見つけたのはこちら。けっこう背が低い。人間と同じくらいの高さだ。

木は低いけれど、花は見事に咲いていた。

わかるだろうか。人の背の高さほどの松月

でも、花はきれいに咲いている。1700年頃、京都で栽培されていた「瞿麦桜(ナデシコザクラ)」と同一種なのだと「桜ウォッチング」には書かれている。

葉は一葉と同じ緑色だ

花は大きな八重で淡紅色がなんとも美しい松月

とても美しく、大きな八重桜だ。動画はこちら。


福禄寿 フクロクジュ

苑内に4本あるという福禄寿(フクロクジュ)。この日はとてもきれいだったので、その4本すべて動画に撮影している。

大きな木にいっぱいの花が咲いていた

厚い花弁が大きく波打つのが特徴の福禄寿

花は淡紅紫色で、普賢象と同じ頃に咲く。見事に咲いている福禄寿の下でお弁当を食べている人が多くいる。

多くの人を集めていた

ねじれた花弁がなんともゴージャスなかんじの福禄寿

それにしても、同じ福禄寿でも高い木もあればそうでもないものもあるし、花の様子も違っていたりする。以下が動画。

ちょっと小ぶりの福禄寿
高木の福禄寿
幹がまだ細い福禄寿

ゴージャスな福禄寿

江戸 エド

新宿御苑には4本ある江戸(エド)。「桜ウォッチング」には「花は大輪八重、内側の花弁は淡紅色という特徴」とある。探してみたら、あったあった。けっこう小ぶり。

下でお弁当を広げたくなるような桜

幹はまだ小ぶりだけれども、しっかり咲いている江戸
 

まだ幹は細く、背も高くないので、若い木かもしれないが、花はとても立派に咲いていた。

ちょうどこの時が見頃だった

枝先に毬のように華が咲くのが江戸の特徴

この下に座ってずっと眺めていたくなるような花だ。動画はこちら。


妹背 イモセ

京都府京都市の平野神社に原木があったという妹背(イモセ)。普賢象よりもやや早く花が咲く。花は淡紅色の大輪八重。

迫力のある桜だ

普賢象よりも少し早く開花する妹背(イモセ)

花弁は50枚を超える八重だが、さらに正常の雌しべが1~3本あって、それらが咲くこともあって、よりゴージャスに見える。

二段咲きといって、次々と咲いていく

まさに咲き乱れるというかんじの花

動画でもゴージャスぶりを見てほしい。

梅護寺数珠掛桜 バイゴジジュズカケザクラ

やたらと漢字が並んでいるこの桜の名前。新潟県京ヶ瀬村にある梅護寺に原木があったそうだ。親鸞聖人が数珠を掛けた桜から数珠のような花が咲いたという逸話からこの名前がつけられたのだそう。

来年はぜひ花をつけてほしい

最初に見かけた梅護寺数珠掛桜は幹だけだった

苑内には4本あるということで、探してみたら、最初に見つけたのは、なんと幹だけ。なんだか寂しい。そして次に小さな木を見つけた。

花は元気に咲いている

細い幹が竹に支えられている梅御数珠掛桜

花は薄紅色で普賢象よりは少し遅く咲くのだそうだ。

とても美しい花だ

100枚以上の花弁をつける菊咲の桜

こちらの梅御数珠掛桜のネームプレートは小さな手描きのものだった。来年は大きく成長してほしい。動画はこちら。最初に見た幹だけの梅御数珠掛桜の動画はこちら。

兼六園菊桜 ケンロクエンキクザクラ

さて、次は苑内に1本しかない桜を探す。これがけっこうたいへんで、場所がわからずあきらめかけた時、通りかかった職員の方に聞いて、場所がわかったのが、この兼六園菊桜。

写真などを撮っている人がけこういた

手前の木が兼六園菊桜(ケンロクエンキクザクラ)


教えられた方向を見ると、どの木だかよくわからない。近づいてみると、なるほど、よくわかる。遠目だと、葉が花を隠していてよくわからないのだ。近づくとこんなかんじでとてもきれい。
木の真下に来ると、その美しさがよくわかる

花は淡紅色で菊咲き、二段で咲く場合もある

花びらが300枚以上になることもある八重桜。色は淡紅色で中心が赤くなっている。動画はこちら。

市原虎の尾 イチハラトラノオ

これも苑内に1本ということで、かなり探した。たどり着いたら、やはりみなさん、桜をよくご存知で、この苑内に1本しかない桜を撮影していらっしゃる。

多くの人が入れ替わり写真撮影をしていた。

花がびっしり咲いている市原虎の尾

京都府京都市の市原に原木があり、これを佐野藤右衛門氏が増殖し、広めたのだそうだ。

普賢象と同じことに咲く花

花は白色中輪八重。まるで虎の尾のようなかんじ。

いろいろとこの日、遅咲きの桜を見たけれど、これがいちばん綺麗な気がした。風に吹かれて揺れる様子がとても優雅だった。動画はこちら。


天の川 アマノガワ

場所は新宿門から入ってすぐ、右に行った場所にひっそり立っていた。とても小さな木で、竹が添えられていた。丈夫に育ってほしい。
一葉よりも遅く咲く

花は淡紅色の大輪八重

枝が横ではなくまっすぐ上に向かって伸びる様子が天の川のようなので、この名前がつけられたそうだ。

なんだかとっても愛おしい花だ

枝も上に伸び、花も上向きに咲く

まだまだこの天の川は小さく、ネームプレートも手書きの小さなものがつけられていた。とても愛おしく思える桜だった。動画はこちら。

御衣黄 ギョイコウ

やはりこの御衣黄は人気だった。多くの人が写真を撮ったりしていて「あー、これが御衣黄ねぇ」なんていう声も聞こえる。

江戸時代中期には京都で栽培されていた

都内でも咲いているところは少ない御衣黄(ギョイコウ)

近づいて見ると、緑色の桜である。珍しい。

散り際には赤い筋がよく目立つようになってくる

花は緑黄色の中輪八重

多くの桜の中にあっても御衣黄は独特な色合いがある。日々色が変わっていくので、毎日でも見ていたい桜だ。というわけで動画はこちら。

簪桜 カンザシザクラ

「桜ウォッチング」の最後のページにあったのが、この簪桜(カンザシザクラ)だ。すぐに見つけることができた。
風に揺れる姿が優雅だ

とても上品なかんじで佇んでいる簪桜(カンザシザクラ)

宮城県塩釜市塩竈神社に原木があるそうだ。

普賢象よりもやや遅れて咲く

花は薄い淡紅色の菊咲き

動画はこちらからどうぞ。というわけで、新宿御苑の晩春の桜を見てきたけれど、これが全部ではない。少し漏れているものもあるのだ。また、「桜ウォッチング」に載っていないものもあって、今回は省いた。スタンプラリーみたいでなかなかおもしろいものだ。

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