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専用端末と汎用端末

電子書籍は、Amazonの「Kindle」や楽天の「Kobo」などの専用端末を購入して楽しむものと思っているならば、これは間違いです。iPadやAndroidタブレット、スマホ向けには、電子書籍リーダーアプリが公開されており、これを使えば、専用端末を購入しなくても電子書籍が楽しめます。

今回は、専用端末のKindleと汎用端末のiPad、Androidタブレット、Windowsタブレット、そして、大型ディスプレイを搭載するスマホを比較しつつ、それぞれで電子書籍の楽しみ方がどう変わるのかをご紹介します。
 

本の読み方は変わりないが「質」は違う

専用端末でも汎用端末でも、ディスプレイに映し出された文字を読む行為には、大きな違いはありません。ただ、専用端末で使われている電子ペーパーディスプレイは、グレースケール表示ですが、紙と同じように反射光を使うので、ギラツキがなく目に優しいのが特徴で、長時間の読書でも目が疲れません。
 
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最良の読書体験が得られる「Kindle Oasis」


タブレットやスマホのディスプレイは、高解像度化が進んでいます。たとえば、iPad mini Retinaは、326ppi(数字が大きいほど文字がきれいに見える)で印刷物と見間違えるほどの品質を持ちます。これならば、ディスプレイに映し出された文字のギザギザが気になることはありません。ただし、LCD特有のギラツキ感があるので、長時間の読書は目が疲れるという方もいるはずです。

専用端末は本の購入先が限定されます。たとえば、KindleならばAmazon、Koboならば楽天から購入し、他では購入できません。対して汎用端末は、KindleやKoboアプリを入れれば、アプリを複数インストールして使い分けるなどの荒技もできます。

気持ち良く操作できる点では、汎用端末のタブレットやスマホが優れています。専用端末の電子ペーパーディスプレイは、描画速度が遅く、操作していても再描画の様子が分かるものもあります。一方のタブレットやスマホは、進化のペースが専用端末の比ではなく、最新技術が惜しみなく投入されています。たとえば、描画速度だけではなく、周囲に合わせて、ディスプレイの色温度まで調整するのはタブレットやスマホならではです。

両方とも「読む」行為は変わりませんが、使用感や書籍の買い方など、その「質」は異なります。読書に特化している専用端末は上質な読書体験が得られますが、よほどの本の虫でなければ、自由度やストレスなく使える点で、タブレットやスマホの方が数段優れているのでオススメです。
 

専用端末と汎用端末のスペック比較

具体的な違いを見るために、専用端末と汎用端末を比較します。Kindleの最上位端末(2016年5月現在)である「Kindle Oasis」と5.5インチディスプレイを搭載する「iPhone 6s Plus」のスペック比較を行います。iPhone 6s Plusを選んだのは、Kindleのディスプレイサイズに近いためです。性質の異なる端末を同列で比較するのは誤解の元ですが違いの理解を深めるためです。
 
電子書籍を読む際のおすすめタブレット

Kindle OasisとiPhone 6s Plus


■Kindle Oasis Wi-Fi+3G
ディスプレイ:電子ペーパー6インチ 16階調グレースケール 1072x1448ドット 300ppi
サイズ:143 x 122 x 3.4-8.5 mm
重量:133g / 専用カバー:107g
容量:4GB
通信機能:Wi-Fi、3G通信

■iPhone 6s Plus
ディスプレイ:5.5インチ カラー 1920×1080ドット 401ppi
サイズ:158.2 × 77.9 × 7.3mm
重量:192g
容量:16GB, 64GB, 126GB
通信機能:Wi-Fi、Bluetooth、4G通信

iPhoneの方が小さなディスプレイを搭載していますが、重さは200g近くになっています。Kindleの方は、バッテリー内蔵の専用カバーを装着すると240gになり、どちらかが極端に軽いということはありません。サイズも異なり、iPhoneが長方形、Kindleが正方形です。Kindleの方は、持ちやすいようにグリップがあり、ここにページ送りのボタンが配置されています。これが使いやすく良質な読書体験を提供します。
 
電子書籍を読む際のおすすめタブレット

Kindle Oasis


大きな差があるのは、ディスプレイに使われている技術です。Kindleの魅力は、上質紙のようなやさしい白さの電子ペーパーディスプレイです。明るい場所でも紙のように読書ができるのはもちろんのこと、内蔵ライトがあるので暗い場所でも読書ができます。

また、解像度が300ppiまで高められており、印刷物とも見紛う程です。iPhoneのディスプレイは、より高解像度できれいに文字を表示しますが、白背景で読書をすると目が疲れるので、黒背景にするなどの工夫が必要です。Kindleには3G通信機能が付いています。これは、Kindleストアへアクセスするための専用回線で、これ以外の用途では使えません。この点もiPhoneとは違うところです。
 

選択肢が多い電子書籍リーダーアプリ

Kindle OasisとiPhone 6s Plusを比較して、ディスプレイ以外に大きな差がなく、専用端末でなくても電子書籍を楽しめることをご理解いただけたはずです。では、汎用端末で読書をする場合、どの端末がベストか検討します。
 
電子書籍を読む際のおすすめタブレット

Kindle, Reader, Koboアプリ


読書に使えるもので、対象となる汎用端末は、iPadやAndroid、Windowsのタブレット以外に大型ディスプレイを搭載するスマホが考えられます。これらは、使えるアプリに大きな違いはなく、KindleやKobo、Readerアプリなど、好みのアプリを選べ、いずれも無料で使えます。ただし、異なるところもあります。

たとえば、KindleのAndroid版では、アプリ内からKindleストアの本が購入できますが、iOS版ではKindleストアへアクセスできず、読むだけにとどまります。本の購入は、ウェブブラウザーでKindleストアにアクセスします。
 
電子書籍を読む際のおすすめタブレット

Kindleアプリで電子書籍を読んでいるところ


Windowsタブレットは、他と比較すると分が悪いです。KindleやKoboアプリは存在しますが、モダンUIを持つアプリではありません。また、Readerアプリは、Windowsタブレット用がリリースされていません。モダンUIを持つアプリでは、Kinoppyがストアに公開されています。Kinoppyは、Android、iOS、Mac、Windowsと幅広く対応しているので、これから電子書籍をはじめてみようと考えている場合は有力な選択肢です。
 

電子書籍を『読む』には、スマホとタブレットのどちらがベストか?

最後に、読書には、どのタブレットがベストかを考えます。まず、アプリが少なく、300ppiを超えるディスプレイ解像度を持つ機種がないWindowsタブレットは選択肢から外します。今後に期待です。

残るは、iPadやAndroidのタブレットかスマホです。iPadを選ぶのであれば、iPad Air2よりも取り回ししやすく、手頃な大きさのiPad mini Retinaがよい選択肢です。マンガや雑誌の電子書籍を中心に楽しむのであれば、見開きで読める12インチのiPad Proもオススメです。

Androidタブレットを選ぶのであれば、手頃なサイズの7インチ、8インチタブレットはよい選択肢です。たとえば「ZenPad 7.0」はコストパフォーマンスに優れた端末です。Androidタブレットには、さらにディスプレイが大きい「Xperia Z4 Tablet」も選べます。「取り回しの良さを重視したい」や「大きな文字サイズで読みたい」などのこだわりがある場合は、Androidタブレットを選ぶとよいでしょう。
 
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iPhone 6s Plusで電子書籍を読んでいるようす


大型ディスプレイを搭載するスマホも読書に使えます。たとえば、iPhone 6s Plusであれば小説を読むのに十分な大きさです。また、スマホであれば、いつも持ち歩いて、マメに充電しているので、端末を忘れやバッテリー切れのトラブルとも無縁になるのと、ちょっとした隙間の時間を読書に使って有効活用できます。筆者は、隙間の時間を見つけてはiPhone 6s Plusで読書をしています。

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