集大成で魅せるドゥクフレ・ワールド!

この夏、フィリップ・ドゥクフレが自らのカンパニーDCAを率い、8年ぶりとなる待望の来日を実現! ドゥクフレといえば、サーカス学校出身という異色の経歴を持ち、ダンスにアクロバット、映像にトリックを交えたファンタジックなステージで魅了するコンテンポラリー・ダンス界きっての鬼才であり異才。また1992年に開催されたアルベールビル冬季オリンピック開会式の演出を31歳の若さで手掛けたことで、ダンスの枠を越え世界中に広くその名を知られています。

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『PANORAMA』 (c)Christian Berthelot


今回の来日公演では、自身の集大成ともいえる『PANORAMA ―パノラマ』を上演。過去に発表した『バーグ・カフェ』(1983)、『コデックス』(1986)、『トリトン』(1990)、『シャザム!』(1998)といった自身の代表作からハイライトシーンを一挙に集めて再構成し、奇想天外なドゥクフレ・ワールドの魅力を余すとこなく披露します。

ドゥクフレが本作に込めた想いとは……? 来日公演に先駆け、創作の発端とこだわり、見所についてお聞きしました!

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フィリップ・ドゥクフレ (c)Cie DCA






今回上演される『パノラマ』は、過去の代表作からハイライトシーンを一挙に集めて再構成したとのこと。集大成ともいえる作品をつくろうと考えたきっかけをお聞かせください。

ドゥクフレ>2012年に私の過去30年間の仕事を振り返る展覧会がパリのラ・ヴィレットであり、その一環として「ベスト・オブ」を集めた舞台作品『パノラマ』をつくることを思いつきました。音楽でも「ベスト・オブ・マイケル・ジャクソン」というようなものがありますよね。ならば、ダンスでもやってみたらどうかと考えたんです。

バニョレ国際振付コンクールで受賞した『バーグ・カフェ』や、僕の最初のビデオ作品『ジャンプ』はこれまで一度も再演されてこなかったし、若い頃につくった作品の独特なエネルギーを伝えたかったという気持ちもありました。

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『Shazam!』 (c)Quentin Bertoux


過去の作品を再構築していく上で苦心した点、こだわった点をお聞かせください。

ドゥクフレ>僕のカンパニーには昔から特徴あるパフォーマーがいて、彼らのパートは“ハマリ役”になっていることが多いのですが、今回はオーディションで若いダンサーたちを選びました。

初演時の時代背景について話をしても通じないような若いひとたちと仕事をするのは新作をつくるより大変でしたが、いつもとは違った刺激もあってとても面白かったです。それに時代は移り変わっている訳ですから、昔の作品の振りや要素を今の視点でもう一度注意深く見直して、組み合わせを変えていきました。

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『Triton』 (c)Antoine Le Grand






独特の世界観で魅せるドゥクフレさんの作品。その創作の発端とは? 

ドゥクフレ>依頼を受けてつくるものと、自ら自発的につくる作品では異なります。依頼された企画にはテーマがあって、例えばアルベールビル・オリンピックの時には冬季スポーツを意識して欲しいという注文でしたので、そこから雪の結晶にインスパイアされた装置と演出を思いつきました。与えられたテーマがあって、そのなかでいかに表現の自由を確保するか。

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『PANORAMA』 (c)Christian Berthelot


カンパニーとの作品や、とりわけ自分のソロ作品は、より密に自分自身を表現していかなければならない。知的限界、物理的限界と常に渡りあっています。でも創作の手法や過程はどちらも同じです。自分が提案する世界観を皆と分かち合いたいと思いながらつくっています。大変な作業でストレスも大きいけれど、多くの喜びがあります。

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『Shazam!』 (c)Quentin Bertoux


フィリップさんの作品といえば、ユニークな衣裳やセットも特徴的です。衣裳やセットについてのこだわりについてお聞かせください。

ドゥクフレ>衣裳や装置は目に見えて特徴的かもしれませんが、僕にとってはまずパフォーマーの身体があって、それに衣裳、装置、音楽、照明があり、全てが揃ってはじめてひとつの世界をあらわすものです。

表現したい世界観を実現するためにはどれも同じように重要で、それぞれが等しく作品に貢献しています。なので、どの要素も大切に扱っています。

衣裳に関して言えば、身体の延長でもありますから、それに触発されたり制限されたりして独特な動きが生まれることもありますね。

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『PANORAMA』 (c)Laurent Phillippe





ドゥクフレさんがダンサーに求めるもの、良いダンサーとは?
『パノラマ』のキャストに望むものとは何でしょう?

ドゥクフレ>作品に相応しいパフォーマーを見つけるのは難しく、また刺激的でもあります。良いダンサーが見つかったら、作品の半分は出来上がったようなもの。ただ、ひとりひとりが良いダンサーであるだけでなく、彼らがひとつになった時にマジックが起こることが重要です。

『パノラマ』はこれまでの作品のさまざまなシーンの集合ですが、ある意味では新作よりも複雑なモザイクから成り立っていますから、全員がアーティスティックな感性を共有し、シークエンスを結びつけることが大切なのです。

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『PANORAMA』 (c)Christian Berthelot


『パノラマ』のなかで特に気に入っているシーンは?

ドゥクフレ>どれも僕にとっては想い入れがあるので、どこが気に入っているかというと、全部としか言いようがないのですが……。

ワイヤーを使った空中のシーンや映像を使った遊びは僕の得意分野ですし、宙吊りのパ・ド・ドゥは日本の皆さんも好きなのではないでしょうか。ほかにも僕の作品ではお馴染みの架空の生き物たちが登場しますし、司会を努めるサーカスのクラウン役のマチューも良いですよ。

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『PANORAMA』 (c)Christian Berthelot


『パノラマ』を通して日本の観客に届けたいものとは? メッセージをお願いします。

ドゥクフレ>楽しんでください。日本の皆さんに8年ぶりに会えるのを、僕も楽しみにしています。


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『PANORAMA』 (c)Laurent Phillippe







プロフィール

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(c)Eline Ros

フィリップ・ドゥクフレ
振付家・演出家。パリ生まれ。1983年に自身のダンス・カンパニーDCAを設立。1986年に発表した『CODEX』で評価を高める。1992年、アルベールビル冬季オリンピック開会式を手がけ、サーカスとダンスが交錯する奇想天外な演出で一躍世界に知られる。1994年『プティット・ピエス・モンテ』で初来日。2003年、日仏中の国際共同製作として『IRIS』を日本初演する。ディオールやエール・フランスなどのCMのほか、シルク・ドゥ・ソレイユやクレイジーホース・パリのショー『DESIRE』を演出・振付するなど、ジャンルを横断し幅広く活躍している。



公演情報

『PANORAMA ― パノラマ』
演出・振付:フィリップ・ドゥクフレ
出演:カンパニーDCA(ゲスト出演:スズキ拓郎)

《埼玉公演》
日時:2014年6月13日(金)19:30、14日(土)15:00、15日(日)15:00
一般S席5,000円 A席3,500円
学生(高校生以上)S席3,000円 A席2,000円
子ども(4歳~中学生)S席1,500円 A席1,000円
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
予約・問い合わせ:彩の国さいたま芸術劇場 0570-064-939 
www.saf.or.jp

《松本公演》
日時:2014年6月18日(水)19:00
一般4,000円
大学生以下2,000円
会場:まつもと市民芸術館 主ホール
予約・問い合わせ:まつもと市民芸術館 0263-33-2200 
www.mpac.jp

《北九州公演》
日時:2014年6月22日(日)14:00
一般5,000円
ユース(高校生~24歳以下)3,000円
子ども(4歳~中学生)2,000円
セット(一般+子ども)5,500円
一般発売:4月20日(日)
会場:北九州芸術劇場 中劇場
予約・問い合わせ:北九州芸術劇場 093-562-2655
www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp

《大津公演》
日時:2014年6月28日(土)19:00、29日(日)15:00
一般6,000円
青少年(25歳未満)4,000円
会場:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール
予約・問い合わせ:びわ湖ホールチケットセンター 077-523-7136  www.biwako-hall.or.jp


データは2014年4月1日現在のものです。
内容は変更になる場合があります。
詳細は公式HPでご確認ください。


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