古来、朝立ちは「オトコの自信の表れ」と言われてきました。朝の目覚めと共に布団の中でそそり立つ分身は何より心強い、オトコとしての存在証明です。その硬さは「きょう一日頑張るぞ」という自らへの励ましでもあります。
朝の目覚めと共に表れる朝立ちは、自らを励ます活力と自信の源

朝の目覚めと共に表れる朝立ちは、自らを励ます活力と自信の源



半面、いつもならある朝立ちがないと気分がすぐれないと感じる男性は少なくありません。たとえあっても、若いときほどの硬さを感じなくなる高齢者も多いようです。「朝立ちは若さのバロメーター」と言われるゆえんです。

朝立ちは睡眠の深さに関係する、自然な生物学的現象ですから、その有無だけでED(勃起不全、勃起障害)かどうかを判断することはできません。そこで今回は、朝立ちのメカニズムと硬さの関係について考えてみましょう。

朝立ちがあってもEDである可能性は高い

「朝立ちがあり、マスターベーションでは射精できるのに、女性相手だとうまくいかないのはEDでしょうか」という相談を受けることがあります。

EDの定義は「満足に性交ができるだけの十分な勃起が得られないこと」ですから、この相談者の場合は心因性のEDが疑われます。

心因性のEDは身体的にはなんの異常もないのに、さまざまなストレスや不安などが原因で肝心なときに勃起できないタイプのものです。

このことから、たとえ正常に朝立ちしていても、性交を維持するだけの硬さがなければEDである可能性が高いといえます。では、朝立ちはどのようなメカニズムで起きるのでしょうか。

朝立ちは目覚める直前に起きる勃起

陰茎の勃起は通常、視覚や聴覚、触覚、空想などで脳が「性的に興奮する」ことで起こります。刺激を受けた脳の興奮は脊髄神経を通り、骨盤内の神経を伝わって陰茎の勃起神経に伝えられることで勃起を促します。

これに対して、朝立ちは性的な興奮とは関係のない自然現象として起こります。一般に人の眠りは深い眠りと浅い眠り=レム睡眠が一定周期で繰り返されます。健康な男性はレム睡眠のときに勃起しています。眠りの周期は8回ほどあるので、健康な男性は一晩に平均8回ほど勃起していることになります。

そのうちの最後の勃起、つまり目覚める直前に起こる勃起を朝立ちと呼んでいるのです。このように、勃起のメカニズムが異なるので「朝立ちがあるからEDでない」「朝立ちがないからEDである」と単純に判断することはできません。

少しややこしくなりますが「朝立ちはあるけれどもEDである」「朝立ちはないけれどもEDではない」という場合もあります。

朝立ちの衰えがEDの兆候であることも

自然現象である朝立ちが起こりにくいのはEDの兆しであることも

自然現象である朝立ちが起こりにくいのはEDの兆しであることも

体の機能になんらかの異常がある器質的なEDであれば朝立ちは起きませんが、なんの問題もない正常な人でも深い眠り(ノンレム睡眠)から目覚めた場合には朝立ちはみられません。

要するに、朝立ちは睡眠の深さ、EDは(性交に必要な)勃起時間の長さに関わっているので、両者の間には明快な因果関係はありません。

ただし、EDになると勃起力そのものが衰えるので自然現象としての朝立ちが起こりにくくなることはあります。このため、朝立ちがないことをEDの兆候と捉える考え方もあります。

朝立ちであっても、性的な刺激による通常の勃起であっても、それに伴って得られる硬さは男性にとって自信や誇り、生きがいを感じる源になっていることは多いものです。

専門医の適切な指導でED治療薬を試す手も

EDは放置しても命に別状はありません。人にうつるわけでもありません。そもそも、ご本人やパートナーが困っていなければなんの問題もありません。

しかし、ご本人やパートナーが性交渉を望んでいるにもかかわらず、朝立ちはしっかりとするのに性交渉がうまくいかない(十分な硬さが得られない)場合は男性の体ではなく心理面に原因がある可能性が高いと考えられます。

こうしたことでご本人が悩み、パートナーも不満足な状態に置かれているのなら、専門医に相談し、治療を始めることをお勧めします。とりわけ、心因性EDにはシアリス、バイアグラ、レビトラなどのED治療薬が有効です。

専門医の指導を受けてED治療薬を適切に用いれば、オトコとしての自信と、それを裏付ける硬さは長く持続することができるはずです。

>>「朝立ち」はオトコのアイデンティティ?
>>朝立ちは男の健康のバロメーター

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。