組織と個人の目標をつなぐ「対話」

たとえば……。

「来年度の売り上げ目標30億。この目標、どう思う?」。リーダーがメンバーに問いかけます。

「今年死ぬほど頑張ったんだから、それ以上の目標を掲げるのは無理」。「去年ひたすら数字を出すことに注力したから、今年は力をつけることに時間を取りたい」。当然、目標が下ブレするような現実的なコメントが出てきます。

そのとき、「これより下がっちゃうと、長期的にはシェアが下がって、価格にも影響するんだけど」「守りに入っていないかな」など、上司は部下に、高い目標の意味を説明したり、下ブレする理由を確認したりしてみます。

すると、「自分は、今年種まきしたから、来年は結構刈り取れる。150%はいけるよ」「担当の業界が好調。だから上乗せできそう」といった声も上がってきます。当初、ネガティブだった部下がそれを聞いて、「うーん、新規開拓、頑張るよ」と言い出したりすれば、しめたものです。

部下は上司との対話のなかで、目標の意味を理解し、それに対して精一杯できることを考えるようになります。それでも、組織全体で見ると、空いてしまう穴(この場合は足りない数字)が出てきてしまう。それを埋めようと、進んで持てる力を差し出そうとします。

対話という「作り込み」のプロセスを通じて、組織の目標と個人の目標がつながるのです。