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3階建て住宅で暮らす/3階建て住宅の基礎知識&ノウハウ

これだけは知っておきたい、3階建てに関する法規制

建物を建築するときには、都市計画法や建築基準法など、法律の規制を受けます。これは3階建てに限ったことではありませんが、3階建てを計画しているなら知っておいたほうがよい規制もあります。ここでは、簡単にポイントを説明しましょう。

提供:旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)
西野 功市郎

執筆者:西野 功市郎

3階建て住宅で暮らすガイド

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家を建てるときは「さまざまな法律の規制」を受ける

自分の土地だからといって、どんな建物でも自由に建てられるというわけではありません。
「建築基準法」や「都市計画法」といった法律によって規制を受けるのですが、建築する地域によっても、住宅の規模や仕様など、受ける規制の内容は異なります。

法律によるさまざまな規制は、3階建てに限らず、すべての建築物に関係のある項目が多いのですが、中には3階建てに限定された項目もあり、計画にあたって注意したほうがいいこともいくつかあります。

今回は、法規制について、主に3階建てに関係の深い部分を中心に説明していきましょう。
 

「住宅の高さ」は法律によって制限される

住みよい街をつくるために、日本の国土のほとんどに「用途地域」が定められています。用途地域とは、「この地域は○○のための地域とします」というように、土地の「用途」を定めることです。
旭化成ホームズ

日本では「用途地域」により、建築可能な建物の種類や大きさなどが定められています。


建築物を建てるときは、用途地域ごとによって定められている「建ぺい率」や「容積率」の範囲内でしか建築できません。この「建ぺい率」や「容積率」によって、建築できる建物の概略はある程度決まります。

それに加えて、一部の地域では建物の高さについての規制もあります。特に規制が厳しいのは「第一種低層住居専用地域」と「第二種低層住居専用地域」で、これらはその名称の通り、低層住宅専用の地域となります。したがって、3階建てなどの中高層の建物に対する規制が厳しいのです。

家づくりの際には、法律を熟知した設計担当者が法律に沿ってプランニングしてくれるので心配はいりませんが、3階建ての建築用地として土地を探している場合は、用途地域を事前に調べておくとよいですね。
 

「斜線制限」で家のカタチが決まる

住宅のカタチに関わるのが「道路斜線」や「北側斜線」といった斜線制限に関する法規制です。これらは、一定の条件で引いた斜線の範囲内におさまるように建てなければならないという制限で、近隣の日照や通風を確保するために設けられた法規制と考えればよいでしょう。
斜線制限に対応した建物の外観

斜線制限に対応した建物の外観イメージ。


これらの斜線制限は、地域によっては建築できる建物の高さや形が制約され、外観に影響を与えることがあります。また、間取りや部屋の大きさも影響を受ける場合もあります。次からは、具体的に規制内容を紹介します。

■道路斜線制限
敷地が接している道路の反対側の境界線から敷地上空へ向かって、一定の勾配で引かれた斜線の内側に建物を建てなければならないという制限です。全ての用途地域に適用され、用途地域によって、また、前面道路の幅員によって制限内容が異なります。
道路斜線制限は一定の条件で引かれた斜線内におさまるように家を建てなければなりません

道路斜線制限のイメージ。一定の条件で引かれた斜線内におさまるように家を建てなければなりません。

■北側斜線制限
北側に位置する隣地の住宅に日照を確保するための規制です。地域によっては、北側斜線制限よりも厳しい高度地区規制があり、その場合は、厳しい方の規制を優先します。
北側斜線制限は北側の住宅の日照を確保するための規制です。一定の条件で引かれた斜線内に家を建てなければなりません

北側斜線制限のイメージ。一定の条件で引かれた斜線内に家を建てなければなりません。

■日影規制
近隣の日影になるような建物を制限し、日照を確保するために設けられた規制です。用途地域や建物の高さなどの条件次第で規制を受けます。第一種低層住居専用地域では軒高7m以上か、3階以上の建物について日影規制の適用があります。

ご紹介した3つの斜線制限には緩和措置もあります。例えば、2003年からは、建物と空の比率から計算する「天空率」で判断することができ、緩和されるようになりました。天空率の計算は非常に複雑なのでここでは説明しませんが、このような緩和措置があるということは知っておいてもよいでしょう。
 

「北側道路の敷地」は、斜線制限に有利な場合がある

敷地の北側に接道している北側道路の敷地で、斜線制限の法規制を受ける場合、南、西、東に道路が接道する敷地より、斜線制限に対して有利に働くことがあります。

北側斜線は真北の隣地境界線から一定の条件で引かれますが、北側が道路の場合、隣地境界線が道路の反対側にあるとみなされるため、道路の幅員にもよりますが、北側斜線がほとんど影響してこないケースがあります。

北側道路の土地は、南側道路の土地よりも価格が安いこともあるので、土地購入費を抑えられます。さらに、斜線制限を受けにくい敷地なら、希望通りの建物を建てる上で有利と言えます。

土地探しをしている方は、このような情報も考慮の上、購入を検討されるとよいでしょう。
 
 

旭化成ホームズ

北側道路の敷地の場合、隣地境界線は北側の道路の反対側にあるとみなされ、斜線が引かれるため、ほとんど影響しないこともあります。一方、南道路の敷地の場合、敷地の状況によっては斜線制限のために建物上部が斜めにカットされることもあります。

 

都市部ならではの「建物の防火」に関する規制も

都市に住宅を建てるなら、防火地域や準防火地域に関する規制についても知っておきたいところです。どちらも都市計画区域内だけに指定されるもので、都市部では、防火地域または準防火地域に指定されている地域は少なくありません。
 
これらの地域に該当する場合、建物の構造躯体部分に一定の耐火性能が要求されます。また、近隣からの延焼の恐れがある部分に窓や玄関ドアなどの開口部を設ける場合、防火認定を受けた製品の設置が義務付けられています。
 
このように、都市部で住宅を建築する場合は、防火に関する規制以外にも、住宅が密集しているとか、土地が狭いといった厳しい条件がつきものです。しかし、だからといって、決められた外観デザインで小さな窓の家しか建てられないということではありません。経験豊富な担当者なら、これらの法律や条件を巧みにクリアしながら、希望を取り入れ、暮らしやすい家をつくることができるはずです。
耐火性に優れたALCコンクリート・ヘーベルの外壁により、室内に明るさをもたらす大きな開口部も可能に

外壁材の防・耐火性能も重視したいところです。耐火性に優れた『ALCコンクリート・ヘーベル』の外壁なら、室内に明るさをもたらす大きな開口部も可能になります。

 

3階建てのみ必要になる法規制も

ここまでいろいろな法規制について説明してきましたが、このほかには、3階建てを建築する際には、木造2階建てなど一部の建物に免除されている「構造計算」が必要です。そのため、かえって2階建てより建物自体の耐震性や耐風性などは安心できるといえるでしょう。

さらに、火災が起きたときに消防隊員の進入路や、階段での避難経路などについても、2階建てにはない法規制があります。

こう書くと、建物に関する規制が多いなあと感じる方もいることでしょう。でも、規制の中身や細かい数値を覚えておく必要はありません。ただ、法律によって規制がある、ということだけは知っておいてください。

また土地に関する規制については、用途地域のうち、第一種住居地域や第二種住居地域より、第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域のほうが規制は厳しく、北側斜線や高度地区などの規制を受けることがあるのだな、ということを頭に入れておいていただけるといいですね。
 

3階建て建築の経験豊富な会社を選ぼう

数十年前に比べれば、3階建て住宅はそれほど珍しいものではなくなりました。しかし、自分が建築しようとするエリアではまだあまり多くない、というケースもあるでしょう。そんなエリアでの建築は、工事を始める前の行動が肝心です。

例えば、着工前に近隣へ挨拶や説明を適切なタイミングで行い、工事がスムーズにいくように近隣へ理解を深めておくことです。3階建て建築ゆえにクレーンで長時間道路を専有したり、隣家の屋根の上をクレーンで部材を運ぶこともあるかもしれません。

進行できるか変わることがあります。また、いざ工事が始まっても、3階建て建築ゆえにクレーンを使う際、近隣の電線を切断してしまったとか、近隣のフェンスや車を傷つけてしまったという事故が発生する可能性があります。

しかし、これらは3階建て建築の経験が豊富な会社であれば、すべて事前に注意事項として想定し認識していますので、十分な配慮をしながら物事を進めていくことができます。不慣れな会社の場合は、問題が起きてから対処することになり、事態の収拾に時間がかかったという話も聞きます。

このような点を考えても、やはり3階建ての設計や建築の経験が豊富で、安心できる会社選びをすると良いでしょう。

<関連情報>
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<記事監修>
一級建築士 佐川旭(All About「家を建てる」ガイド
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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