室内の空気環境を整える方法は?

窓や壁に発生した結露を拭かずに放っておくと、カーテンや床などにカビやダニが発生したり、窓や床の木質部分が腐ってしまうことも…

窓や壁に発生した結露を拭かずに放っておくと、カーテンや床などにカビやダニが発生したり、窓や床の木質部分が腐ってしまうことも…

寒いからといって窓を閉め切ることが多くなると、室内の空気の汚れが気になってくるものです。また、室内外の気温差により、窓に結露が発生してしまうご家庭も多いのではないでしょうか。
「昔の家は隙間が多いから、窓を閉めていても自然に換気されていた」とよく言われます。私にリフォームを依頼されるお客様の中でも、「アレルギー体質だけど、家の隙間から化学物質を含んだ空気が流れ出ていったから、アレルギーがあまり起きなかった」という方もいらっしゃいました。昔の住宅には自然素材も多く使われていたので、化学物質の発生量が少なかったのかもしれません。

昔と比べて今の住宅は気密性がとても高いため、そういった“隙間による自然換気”はほとんど期待できません。そこで、窓を開けずに室内の空気をキレイにするために、空気清浄機や消臭剤を使うことがあるかもしれませんが、空気清浄機はやはり電力を消費するため完全なるエコとは言えませんし、消臭剤は化学物質が気になるという方もいるでしょう。

せっかくリフォームするならキレイな空気環境の住まいをつくっていただきたいですから、床・壁・天井には、自然素材からつくられた内装材を中心にご提案しています。中でも、面積が広い壁については、珪藻土や漆喰のほか、粘土や微細な孔をもつ鉱物など自然原料を焼成して作られた「エコカラット」という製品をおすすめするケースが多くあります。
 

調整機能のある壁が不快な湿気を吸収

エコカラット」は、室内の壁に張るタイル状の建材です。
先に述べたように、原料は粘土や微細な孔をもつ鉱物で、この孔が湿気の吸放出に適した大きさに設計されているため、室内の湿度が高くなると湿気を吸収し、湿度が低くなると湿気を放出することで湿度を自然に調整してくれるのです。

室内の湿度を人間が快適と感じる40~70%程度に保つには、部屋の床面積の半分以上の面積を目安に「エコカラット」を壁に張るとよいでしょう。適量を張ることで、冬の窓の結露や過乾燥、夏場であればジメジメの抑制など、調湿効果を実感しやすく、クリーンで体にやさしい室内環境をつくることができるのです。
 
微細な孔による吸放湿で、室内の空気をキレイにするタイル状建材「エコカラット」

微細な孔による吸放湿で、室内の空気をキレイにするタイル状建材「エコカラット」。壁に張るだけで快適な空気環境を実現します


ちなみに、調湿効果を持つ壁材はいろいろな種類があります。よく知られているのが珪藻土ですが、「エコカラット」は珪藻土よりも孔の数が多いので、より多くの湿気を吸収することが可能です。さらに、調湿機能を付加した調湿壁紙といった製品よりも、吸湿量は多いのです。
 
壁材別に吸収できる湿気量を比較したデータ

壁材別に吸収できる湿気量を比較したデータ。「エコカラット」は調湿壁紙の24倍、珪藻土の約4倍もの湿気を吸収できるのです

 

ニオイや有害物質を低減する効果も

「エコカラット」を取り入れた玄関

自分では気が付きにくいのが住まいのニオイ。玄関特有の靴ムレのニオイも、壁に「エコカラット」をとり入れることで和らげてくれます

エコカラット」の微細な孔は、湿気だけでなく、悪臭の原因物質や有害物質を吸着することが可能です。
生活空間の中には、ペットや生ゴミのニオイ、トイレ臭やタバコ臭など、気になる生活臭が数多くあります。これらのニオイの「原因物質」であるアンモニアや硫化水素、トリメチルアミンなどを「エコカラット」の微孔が吸着し、脱臭・軽減する効果があることから、室内の空気をフレッシュに保つことができるのです。

「有害物質」とは、建材や家具などから揮発するホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)などの化学物質のことで、粘膜刺激性が強く、喘息やアトピーなどの症状を悪化させる要因と言われています。「エコカラット」の微孔は、空気中に含まれる有害物質をすばやく吸着するため、例えば、厚生労働省ガイドラインの2~3倍濃度のホルムアルデヒドでも、1日でガイドラインをはるかに下まわるほど低減できます。
 
「エコカラット」は子供部屋の壁材にも最適

「エコカラット」は、国内初の『ホルムアルデヒド低減建材』として、(財)日本建築センターより認定を取得。子供は体重比で大人の約2倍の空気を採り入れるため、子供部屋の壁材にも最適といえます

 

好みの空間をつくりやすい多彩なバリエーション

エコカラットシリーズ」は16もの豊富なバリエーションを持つので、空間形状や用途、イメージなどに合わせてセレクトできます。例えば、複数の種類を組み合わせて好みのデザインを追求したり、壁紙など他の素材とコーディネートするのもよいでしょう。柱の出っ張りなど複雑な形状にも張れるので、インテリアデザインを重視したプランニングも可能です。

サイズとデザインが決まっている「デザインパッケージ」というものも、77シリーズあります。デザインパッケージはプランごとの価格がわかりやすいため、選びやすい点が魅力です。壁に絵を飾るような感覚で、手軽にとり入れることもできますね。
 
壁面を美しく引き立てるプランが、サイズごとに用意されている「デザインパッケージ」

壁面を美しく引き立てるプランが、サイズごとに用意されている「デザインパッケージ」

寝室、玄関、トイレなどのアクセントウォールとして空間を彩ります

寝室、玄関、トイレなどのアクセントウォールとして空間を彩ります


種類が多くて選ぶのに迷ったり、上手くコーディネートできない…という場合には、Webサービスの「エコカラットシミュレーター」を活用するとよいでしょう。空間と商品シリーズを選択した後、床や家具などベースとなるインテリアカラーを3つの中から選び、その色調に合わせたコーディネートを試せます。さらに、シミュレーション結果を保存しての比較や、詳細情報を印刷することもできます。

エコカラットシリーズ」「デザインパッケージ」は、両方とも既存の壁紙(ビニル系・布系)の上から直接施工できるので、リフォームにも適した製品です(※下地や壁紙の種類によっては施工に適さない場合もあります)。一般的に、自然素材で多い「塗り壁」は工事に手間も時間がかかるため、それと比較すると施工が短時間な点もメリットといえるでしょう。
 

性能をさらに進化させた商品が登場

ここまでご紹介したように、「エコカラット」は電気やガスなどのエネルギーに頼ることなく、調湿、ニオイ吸着、VOC吸着という3つの働きで空気を整えるエコな壁材です。原料が自然素材なので、昔の家で多く使われていた壁材の“現代版・機能壁材”ともいえるでしょう。

そんな「エコカラット」ですが、空気孔の面積と容積を増やすことで性能を進化させた「エコカラットプラス」が2014年2月に登場しました。
1平方メートル当たりの空気層(微孔)面積の差をみると、「エコカラット」では東京ドーム面積の約9個分(=425,700平方メートル)でしたが、「エコカラットプラス」では約11.5個分(=539,000平方メートル)となっています。
 
「エコカラットプラス」

「エコカラットプラス」は、珪藻土の壁では難しい水拭きや洗剤での清掃が可能。毎日のお手入れも簡単なので、汚れやすく臭いもこもりやすいサニタリー空間にもおすすめです


従来の「エコカラット」と性能を比較すると、吸放湿量はプラス30%、介護臭・体臭の軽減率は3倍、有害物質のトルエン低減率も3倍と“空気をキレイにする力”がパワーアップ。これにより、「エコカラット」の約半分の使用面積でも空気清浄効果を実感できるそうです。
注目すべきは、介護臭・体臭や、ペットの臭いなどの生活臭に対する脱臭性能が向上していること、また、最近増えている洗濯物の部屋干しの際に、お部屋がジメジメするのを抑える働きがあるようです。
さらに、表層と表層下の孔の大きさを変えた二層多孔質構造により、湿気のような小さな粒子は通し、水分や汚れのような大きな粒子は通しにくくなっているため、日常の汚れを水拭きや洗剤でお掃除することができます。


室内の空気がキレイだと、家族全員が気持ちよく暮らせるのはもちろん、暮らす人の五感も研ぎ澄まされるはずです。手軽なリフォーム工事で空気清浄効果を実感できる「エコカラット」や「エコカラットプラス」を上手に取り入れて、自然素材の力で空気も暮らしも快適に整えましょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。