多くの女性が悩む生理痛とその原因

月経開始前から始まり月経終了まで、下腹部痛、腰痛、めまい、頭痛、吐き気、下痢、むくみなど多様な症状を呈する生理痛。毎月多くの女性が悩まれているのではないでしょうか。

厚生労働省研究班が関東地方の1万人を住民台帳から無作為に選んでアンケートを実施した結果、20代~40代の約80%の女性に生理痛がありました。その中でも6%の人は鎮痛剤を飲んでも普通に生活ができなかったり、寝込んでしまったりしており、また、27%の人が鎮痛剤を服用しないと普通に生活を送ることができないと回答しています(2001年秋の調査・回答率42%)。

また、近年の少子化に象徴されるように女性全体の平均出生数は確実に減少しており、これはごく単純に考えて女性が一生涯で経験する生理の平均回数が増加していることになると考えられます。

現代では初潮を迎える平均年齢が12歳、閉経を迎える年齢が51歳であることから1人の女性が生涯で経験する月経の回数は450回程度になると考えられ、これは50年前の10倍程度の回数に登ると言われています。つまり、この50年間で生理痛に悩まされる女性の数は格段に増えたと言えるでしょう。

生理痛は子宮内膜の中で発生するプロスタグランジンという物質が原因であると考えられています。このプロスタグランジンは子宮の収縮を促し経血を体外に排出するのですが、この量が多過ぎると子宮の収縮が過剰になり強い痛みが発生するのです。

また、子宮の出口が狭い若年者は子宮内膜が体外に完全に排出されず骨盤内うっ血が発生しやすいため、下腹部痛や腰痛が発生することが多いと言われています。持続的に続く身体の痛みは交感神経を活性化させ、全身の筋の緊張が高まる、血管が収縮する、心拍数が増加するなどの状態が起こります。これが頭痛や吐き気、食欲不振といった症状の原因であると考えられます。

月経前症候群と生理痛の原因はやや異なる

近年では月経が始まる前2週間程度前から頭痛や胃痛、イライラ、だるさなどを感じる月経前症候群(PMS)に対しても注目が集まっています。PMSの原因は生理期間中に発生する症状の原因とはやや異なることが考えられています。

主な原因としては、月経前に起こる卵巣ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)の増減によって神経伝達物質のひとつであるセロトニンの分泌量が低下することが考えられています。セロトニンは「経絡・ツボで対策する冬季うつ病」でも紹介したようにストレスを感じた時などの精神の安定に関わっており、分泌が低下することで交感神経の過剰な働きを抑制できなくなると考えられています。
では、こうした月経前・月経中におこる生理痛の症状の基礎的な知識を踏まえ、東洋医学的なツボによる対処方法を考えていきましょう。