バイステックの7原則

第31回,平成30年度,介護,介護福祉士,,国家資格,国家試験,合格,勉強法,出題範囲,介護の基本,バイスティックの7原則,失語症,コミュニケーション

介護福祉士試験対策


前回の「予習問題」では、アメリカの社会福祉学者バイスティックが提唱した「バイスティックの7原則」の7項目を問いました。以下が回答です。
 
  • 個別化
  • 意図的な感情表出(利用者が持つ感情を利用者自身が自由に表現できるように配慮する)
  • 統制された情緒的関与(援助者が利用者の感情に左右されないよう 自分自身の感情をコントロールする)
  • 受容非審判的態度(援助者は裁く立場にはない)
  • 自己決定
  • 秘密保持

この7項目は、あなたが介護福祉士になったときにも忘れずにいてほしい内容です。
 

利用者・家族とのコミュニケーションのために

介護現場において介護福祉士は利用者・家族に説明をし、納得と同意を得る必要性が出てきます。その際、以下のような技法を用います。
 
  • 明確化:相手の話が不明な場合などは、質問や別の言葉で言い換え、内容をはっきりさせる
  • 焦点化:話の内容をまとめて相手に返す(フィードバックする)
  • 要約:話に優先順位をつけてまとめ、相手に伝える
  • 直面化:利用者・家族が、問題に向き合い、取り組めるように促す

一方、普段の会話で何気なく行っている質問でもいくつかの種類があります。
  • 閉じられた質問:「はい」や「いいえ」で答えられる質問や簡単に回答できる質問
  • 開かれた質問:相手が自由に答えられる質問
  • 重複する質問:選択肢がふたつあるうち、ひとつを答える質問やふたつの異なったことを同時にする質問
 

 失語症の人のコミュニケーションの特徴

介護の現場では、障がいがある人とコミュニケーションをはかる機会が少なくありません。ここでは、失語症(脳血管障害などによる言語障害)の人の特徴をとりあげます。
 
  • 運動性失語(ブローカー失語):話すことが困難で復唱も苦手だが、理解は可能なことが多い
  • 感覚性失語(ウェルニッケ失語):流暢に話すが、理解と復唱が苦手なことが多い。ジャゴンスピーチ(意味不明な言葉)が特徴
  • 超皮質性運動失語:話す自発性が低下(話そうとしない)。理解と復唱は可能なことが多い
  • 超皮質性感覚失語:流暢に話す。理解は苦手だが復唱は可能なことが多い

介護福祉士にとってコミュニケーションの相手は利用者・家族であることはもちろん、介護福祉士同士や他職種のスタッフとも意思の疎通をはかることが求められます。
 

介護福祉士にとって重要な記録の技法と注意点

自分の業務の振り返りはもちろん、スタッフ間で連携をはかる際にも役に立つのが記録です。起こった出来事を書く場合には叙述体(事実をそのまま記録する)や要約体(要点を整理してまとめる)を用います。

ちなみに叙述体には支援過程全体を短く圧縮する圧縮叙述体、支援者と利用者の関係の過程を記述する過程叙述体があります。起こった出来後に加えて、介護者の解釈や分析を加える場合には説明体(価値観と知識に基づいて、事実の意味を分析し、解釈を加える)を用います。

最後に介護記録の注意点をあげておきます。介護福祉士になってからも必要な知識です。しっかり覚えておきましょう。
 
  • 記録は介護を行った当日に行いましょう
  • 介護現場でもITの使用頻度が多くなっています。情報漏洩には気をつけましょう
  • 記録は鍵のかかる場所に保管します。保存義務は2年間です。自宅へ持ち帰ることは避けましょう
  • 不要になった記録を破棄する場合は裁断処理を行いましょう
 

平成29年度の試験には「チーム」を意識した出題も

近年、さまざまな専門職が相互協力して利用者を支える「多職種連携」の重要性が唱えられています。こうした背景を受けて、平成29年度の試験では、介護現場におけるチームでのコミュニケーションに焦点を当てた問題が出題されていますので、紹介しておきましょう。
 
介護業務の事故報告に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  1. 口頭での報告は、結論を述べてから事故に至る経過を説明する。
  2. 事故報告書は、管理者以外は閲覧できないように保管する。
  3. 軽微な事故の場合は、後日報告する。
  4. 介護福祉職としての判断を除外して報告する。
  5. 記録した内容は、口頭での報告が不要である。

正解は1です。事故報告は正確さに加え、迅速さも必要になるため、まずは結論を述べてから事故に至る経過を説明します。

ブレインストーミング(brainstorming)の原則に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 奇抜な意見を除いて、自由に意見を出す。
  2. 他人の意見が正しいかどうかをその場で判断する。
  3. 意見の質よりも、数多くの意見を出すことに価値を置く。
  4. 他人の意見を参考にしてはいけない。
  5. 他人の意見を自由に批判する

正解は3です。ブレインストーミングとは、ある議題についてアイデアを出したい場合や、問題点を列挙したい場合などに、複数の人達が集まって自由に意見を述べる方法のことです。

◎予習問題:入浴の三大効果を挙げてください。
正解は次回の記事でお伝えします!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。