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全体の構成力と最後の一行がさすがにお見事な『宿命』

東野圭吾さんが1990年に発表したミステリー小説「宿命」。学生時代からのライバルの二人の男と、彼らが愛した一人の女。いつの間に主人公に肩入れしていると、思わぬドンデン返しが…。

投稿記事

■作品名 『宿命』

■作家名 東野圭吾

■おすすめポイント・読みどころ

東野圭吾さんが1990年に発表したミステリー小説「宿命」。学生時代からのライバルの二人の男と、彼らが愛した一人の女。いつの間に主人公に肩入れしていると、思わぬドンデン返しが…東野マジックにハマります。

【物語は…】

幼い時に、ある病院で和倉勇作と瓜生晃彦という二人の少年が出会う。

そして小学校で再会する二人。

晃彦は勇作より家柄も良く裕福であるだけではなく、勉強もスポーツにも秀でた才能を持っている。

成長した二人は医師を目指すが、勇作は不幸な出来事で医師の道を断念し、、付き合っていた最愛の女性と別れ、父親と同じ警察官への道を歩む。

一方、晃彦は順風満帆の人生で、留学して医師の道を目指す。

ある日殺人事件が起り、捜査をする勇作の目の前に容疑者として現れたのは宿命のライバル、瓜生晃彦だった…




勇作にとって、家柄も、勉強も、スポーツも、将来の夢も、好きな女性も…何もかもかなわないライバル瓜生晃彦。

常に負け続ける勇作の目の前に殺人の容疑者として登場する晃彦。

これで、やっと勝てた…と勇作の目線で読み進んでいくと、思わぬ東野マジックにかけられていきます。

著者が「最後の1行にこだわった」という意味は読み終えるととても良くわかります。

負け続けの人生を歩んで来た男が、やっとライバルに勝てたかと思ったら、さらなる展開が広がり、最後にはどんでん返しが…全体の構成も素晴らしい、見事な作品だと思います。



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