相続税は「大衆課税」へ

相続税は、これまでは「資産家に対する課税」とされていましたが、平成27年の相続税の大増税からは「大衆課税」になります。相続税とは無縁と考えていた人も相続税の対象者になることが考えられ、決して他人事ではありません。

将来の相続に備えた「節税対策」「納税資金対策」「もめない対策」など、事前に準備しておくこともいくつか必要になってきます。大増税をむかえ相続税の対象者になるか、再確認をしておきましょう。

最も大きな影響は基礎控除額の引き下げ

相続税増税で一般家庭も対象者に

相続税増税で一般家庭も対象者に

そもそもなぜ相続税が資産家課税なのか、それは基礎控除額が大きかったからです。

例えば、夫が先に亡くなり、今回妻が亡くなって、相続人は子が2人だった場合、基礎控除額の7000万円までは相続税がかかりませんでした。現状、この基礎控除額の範囲内におさまる人が大半で、相続税を支払っている人はわずか4%程度に留まっています。

この基礎控除額が、平成27年1月1日以降に相続が発生したものから6割に引き下げられます。同じケースですと基礎控除額が4200万円になるため、例えば自宅と預貯金でも基礎控除額を超えてしまう人が増えます。特に首都圏では20%程度の人が対象になる見込みという試算も出ています。

相続税がかかるようになる事例とは?

それでは、平成27年以降に相続税の対象者になるケースをイメージしてみましょう。結論は「基礎控除額を超えると相続税がかかる」ということなのですが、具体例を見ていただくと、一般的なサラリーマン家庭だった人も対象になってくることが分かります。

前提条件は次のとおりです。
  • 遺された母1人が一軒家に住んでおり、その母の相続。それぞれ自宅を持っている子2人が相続人
  • 自宅土地160平米で路線価30万円、自宅建物300万円
  • 金融資産2000万円、その他財産200万円、債務・葬儀費用等△300万円

このケースでは財産額が基礎控除額7000万円以内になり、現在は相続税がかかりませんが、平成27年以降は基礎控除額が4200万円になるため、相続税は320万円になってしまいます。

それでは自宅の土地が100平米だとどうでしょうか?財産額は5200万円で現在は相続税の心配は全くありませんが、平成27年以降の相続税は100万円になります。

もうひとつ例を見てみましょう。最初の条件と同じく160平米で路線価は12万5000円とします。この場合、財産額は4200万円になり、平成27年以降もギリギリ基礎控除額以内に入るため、何とか相続税を回避できるラインになります。

相続税がかからないためには、小規模宅地の評価減の特例がポイント。詳しくは次のページで解説します。