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住宅地の地価動向/2017年7-9月期 地価LOOKレポート



景気回復への期待が高まり、今冬のボーナス増を期待できる人も多いようですが、全体的にみれば景気回復を実感できている人はまだまだ少ないだろうと思います。しかし、それよりも前に国内の地価上昇が着実に進んでいます。9月8日に開催が決まった「東京五輪」は首都圏の地価に影響したのでしょうか。国土交通省から「地価LOOKレポート」の第24回分(平成25年第3四半期)が発表されましたので、住宅地を中心にその動きを確認しておきましょう。



地価の上昇地区が7割を超える

新築住宅

消費増税を前に住宅着工は伸びたが……

地価LOOKレポートは「先行的な地価動向を明らかにすること」を目的として、平成19年第4四半期分(平成19年10月1日~平成20年1月1日)から国土交通省が3か月ごとに発表しているものです。今回が24回目で、開始からちょうど6年となりました。

上昇が前回の99地区から107地区に増え、全体の71.3%を占めています。上昇地区の増加は10回連続で、その割合は第1回調査(平成20年1月1日時点)に次ぐ高い水準となりました。下落は9地区(前回10地区)にとどまり、横ばいは34地区(同41地区)です。名古屋圏は前回に引き続きすべての地区が上昇、大阪圏も3回連続で下落地区がゼロとなっています。地方圏でも32地区のうち約6割の19地区が上昇となり、平成20年第1四半期以来5年半ぶりに上昇地区が過半数を超えています。

前回まで3回連続して「3%以上6%未満の上昇」だった大阪市阿倍野区(阿倍野)が、今回は「3%未満の上昇」にとどまった一方で、札幌市中央区(宮の森)の住宅地は2回連続で「3%以上6%未満の上昇」となりました。札幌以外に3%を超える上昇はなかったため、半数以上の地区が3%を超えた平成19年第1四半期とはだいぶ様相が違うともいえるでしょう。

なお、地価LOOKレポートでの全国の主要都市における調査対象は150地区で、そのうち住宅系地区は44(東京圏20地区、大阪圏14地区、名古屋圏4地区、地方圏6地区)です。


 【地価LOOKレポート】 (国土交通省サイト内へのリンク)

  第20回 平成24年第3四半期
(平成24年7月1日~平成24年10月1日)

  第21回 平成24年第4四半期
(平成24年10月1日~平成25年1月1日)

  第22回 平成25年第1四半期
(平成25年1月1日~平成25年4月1日)

  第23回 平成25年第2四半期
(平成25年4月1日~平成25年7月1日)

  第24回 平成25年第3四半期
(平成25年7月1日~平成25年10月1日)

地価LOOKレポートには地価動向(総合評価)のほか、取引価格、取引利回り、取引件数、投資用不動産の供給、オフィス賃料、店舗賃料、マンション分譲価格、マンション賃料の動向(それぞれ3区分)が記載されています。


地価LOOKレポートでは地価やその変動率について具体的な数値を示すのではなく、6%以上の上昇、3%以上6%未満の上昇、0%超~3%未満の上昇、横ばい(0%)、0%超~3%未満の下落、3%以上6%未満の下落、6%以上9%未満の下落、9%以上12%未満の下落、12%以上の下落の9段階に分類されています。


住宅系地区は約8割が上昇

住宅系地区では、上昇が4地区増えて35地区(前回31地区)となり、横ばいが7地区(前回11地区)でした。下落は前回と同じく2地区となっています。

住宅系地区の変動 (地区数の全国計)

区 分
第20回
第21回
第22回
第23回
第24回

上昇 (6%~)
0
0
0
0
0

上昇 (3%~6%)
0
0
0
1
1

上昇 (0%~3%)
16
20
26
30
34

横ばい (0%)
24
21
15
11
7

下落 (0%~-3%)
4
3
3
2
2

下落 (-3%~-6%)
0
0
0
0
0

下落 (-6%~-9%)
0
0
0
0
0

下落 (-9%~-12%)
0
0
0
0
0

下落 (-12%~)
0
0
0
0
0

合  計
44
44
44
44
44

住宅系地区で上昇に転じたのは、仙台市青葉区(五橋周辺)、さいたま市中央区(新都心)、東京都品川区(品川)、京都市中京区(二条)、京都市西京区(桂)の5地区です。京都市の2地区は調査開始以来、初めての上昇となりました。京都市では前回まで8回(2年)連続して「すべての地区が横ばい」と、たいへん安定した地価推移をみせていたのですが、今回から変化が表れ始めているようです。

その一方で、東京都港区(高輪)は前回までの上昇から、今回は横ばいとなっています。前回はゼロだったマイナス方向への推移地区が、とくに都心部で再び表れましたから、地価上昇のトレンドはまだ力強さを欠いているようです。東京圏の推移をみるかぎりでは、五輪開催決定の地価への影響は現時点でさほど出ていないといえるでしょう。

東日本では、札幌市中央区(宮の森)および東京都江東区(豊洲)が8回連続の上昇、川崎市中原区(元住吉)が9回連続の上昇、横浜市都筑区(センター南)および横浜市青葉区(美しが丘)が6回連続の上昇でした。大阪圏では、神戸市東灘区(岡本)と兵庫県芦屋市(JR芦屋駅周辺)の2地区がいずれも12回連続の上昇となっています。大阪府内および神戸市は、4回連続して「すべての地区が上昇」となりました。一方で、奈良市(奈良登美ヶ丘)は12回連続、京都市左京区(下鴨)と京都市伏見区(桃山)は9回連続で横ばいでした。


商業系地区ではペースダウンも

商業系地区は、上昇が72地区(前回68地区)、横ばいが27地区(前回30地区)、下落が7地区(前回8地区)です。住宅系地区よりも少し地価回復スピードの遅い傾向が続いているものの、約68%の地区が上昇でした。新たに上昇へ転じたところは、仙台市の2地区、東京都内の3地区、横浜市、大阪府高槻市、広島市のそれぞれ1地区で合計8地区となっています。仙台市青葉区(一番町)は5年9か月ぶりの上昇でした。

その一方で、商業系地区では埼玉県川口市、さいたま市浦和区、東京都台東区、横浜市都筑区、大阪市阿倍野区の5地区が前回よりもマイナス方向へ推移しました。阿倍野が「3%以上6%未満の上昇」から「3%未満の上昇」へ、他の4地区が「3%未満の上昇」から「横ばい」へといった変化ですが、マイナス方向への推移地区が前回の2地区から増えていることには少し注視が必要かもしれません。

商業系地区の変動 (地区数の全国計)

区 分
第20回
第21回
第22回
第23回
第24回

上昇 (6%~)
0
0
0
0
0

上昇 (3%~6%)
1
3
2
1
0

上昇 (0%~3%)
17
28
52
67
72

横ばい (0%)
63
53
36
30
27

下落 (0%~-3%)
25
22
16
8
7

下落 (-3%~-6%)
0
0
0
0
0

下落 (-6%~-9%)
0
0
0
0
0

下落 (-9%~-12%)
0
0
0
0
0

下落 (-12%~)
0
0
0
0
0

合  計
106
106
106
106
106



住宅系地区における過去1年間の地価動向を一覧にして、次ページにまとめてあります。全体的な動きを知るための参考にしてください。


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