太陽光発電システムは、家庭用も10kW未満から「10kW以上」の時代へ

家庭用太陽光発電システムの大容量化が進んでいます。従来は、最大出力が3~5kW程度のシステムが一般的でした。これは、延べ床面積30~40坪 (100~132平方m)程度の二階建て住宅では、太陽電池モジュールを設置できる屋根面積が限られていたからです。屋根材の改良などで多少増やすことは できましたが、それでもせいぜい6~7kW程度までが限界でした。

これに対して、従来の1.5~2倍に当たる、10kWを超える大容量システムを搭載した住宅が普及し始めています。その背景には、次のような要素があります。


1.売電収入を保証する公的制度によって太陽光発電への注目度アップ

太陽光発電による電気が、自宅などで使う電気を上回る量の発電をした場合に、消費量を上回る分の電力を10年間、電力会社に売ることができる制度が整備されたことが、最大のポイントです。

まず、全国一律の買取価格を設定し、買取初年度の価格で10年間買取を行う「太陽光発電の余剰電力買取制度」がスタート。これによって、太陽光発電に対する注目度が高まりました。2012年7月1日からは、発電した全量を20年間に渡って買い取る仕組みを採り入れた「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」へ移行したことが、人気に拍車をかけています。

2016年度現在の太陽光発電の買取価格は図1の通りです。出力10kW未満と同10kW以上のタイプに分けられ、10kW以上のシステムでは余剰電力と全量の選択が可能になっています。

太陽光発電の買取価格

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2.太陽電池モジュールの変換効率が向上
実発電量(1kW容量あたりで実際に発電する量:kWh)の多い高性能モジュールなどの登場により、同じ設置面積でも発電容量が高まりました。

4.太陽光発電システムの価格低下
1kW当たり50~60万円のものが多かったのですが、最近では40万円以下のタイプも珍しくなくなっています。つまり、太陽電池モジュールの設置数(面積)を増やしても、びっくりするようなコストアップとなることは少なくなってきました。

5.屋根形状の工夫
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片流れ屋根の開発などにより、南側へ向く屋根面積を増やして、従来よりもモジュールの設置面積を広げることができるようになりました。

 

20年間で940万円のトクも! 次世代スマートハウスの最新システム

スマートパワーステーション(鉄骨系シリーズ)

スマートパワーステーション(鉄骨系シリーズ)

では、10kW以上のシステムを導入することによって、どのような効果が得られるのでしょうか。
セキスイハイムの「スマートパワーステーション」を例に検証してみましょう。

 
図2は、一般的な高断熱住宅とスマートパワーステーションの光熱費を20年間で比較したものです。
一般的な高断熱住宅とセキスイハイムの「スマートパワーステーション」(SPS)の比較例

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スマートパワーステーションは、断熱性の向上やHEMSによる空調最適化などにより、省エネ効果を高め、一般的な住宅に比べて4割以上も消費電力を低減しています。それをベースにして、10kW超の太陽光発電システムの採用により、消費電力を上回る発電量を確保。電力の自給自足も可能になっています。

その結果、20年間のトータルでは、光熱費収支が約122万円のマイナス。一般住宅の場合の光熱費収支は約820万円のプラスになります。20年間の光熱費収支を比較すると、約940万円もの差が出る計算となります。

また、この試算は一定の前提条件に基づいたものですから、個々の住宅の条件、ライフスタイル、購入する電気代単価の変動などにより、数値は前後します。しかし、光熱費がゼロになるだけでなく、数百万円単位でプラスアルファの収入が得られることは間違いありません。スマートハウスは、ここへきてまた次のステップに踏み出したといえるでしょう。

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