ワイン/ボジョレー・ヌーヴォー

ボージョレ・ヌーヴォーのお薦めの造り手5軒

秋の収穫祭的なイベントとして定着しているボージョレ・ヌーヴォー。フランスのブルゴーニュ地方の、ブドウの収穫状況を早めに体感できる貴重な機会でもあります。比較的入手しやすい造り手、小さいけれど探しがいのある造り手の中から、あわせて5軒ご紹介します。

名越 康子

執筆者:名越 康子

ワインガイド

ボージョレ・ヌーヴォー!

日本では、既に秋の収穫祭的なイベントとして定着していますね。ハロウィンとクリスマスのちょうど間に、味覚の秋を満喫するよい機会です。それに、ワインのその年の収穫状況を早めに体感できるので、私たちのようなワインを職にしている人間にとってもありがたい存在となっています。もちろん、フランスのブルゴーニュ地方について、という限定された情報ではありますが、文字や言葉だけで読み聞くのと、実際に味わってみるのとでは随分理解度がちがうものです。
ボージョレ地区にあるモルゴン村の畑で、持ち主はラピエール家

ボージョレ地区にあるモルゴン村の畑で、持ち主はラピエール家


ヴァラエティーの豊かさ

かつては、ボージョレ・ヌーヴォーといえば「ボージョレ・ヌーヴォー」と「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー」の2種類ぐらいしかありませんでした。でも、最近では様々なタイプがありますので、楽しみ方も増えたように思います。

例えば「ヴィエイユ・ヴィーニュ」とあれば、樹齢の高い葡萄を使ったものです。「オーガニック」は文字通り有機栽培で育った葡萄。「ノン・フィルター」というのは瓶詰め前にフィルターをかけていないので、若干濁りがある可能性はありますが、その分滋味豊かな味わいのはずです。

ワイン好きなお友達と2、3種類購入して、一度に開けて比べて飲むのもお薦めです。

ボージョレ・ヌーヴォーの中でも、「ヴィラージュ」クラスや「ヴィエイユ・ヴィーニュ」といった凝縮感のあるタイプが気に入られたら、是非このヌーヴォーだけでなく、通常販売されている「ボージョレ・ヴィラージュ」や、村名が記された「クリュ・ボージョレ」もお楽しみください。より深みがあり、じっくり飲むのに適しています。


お薦めの造り手「比較的手に入りやすい大手3社」

比較的手に入りやすいだろうと考えられる大手の造り手さんから3社ご紹介します。

■アルベール・ビショー
6代続くビショー家からは、いくつかのラインナップが揃うようです。結構多いですから、何がちがうのかを記しておきます。

・「ボージョレ・ヌーヴォー」(Amazon)
これが、いわゆるノーマルなタイプ。フルーティーな香りと軽快でジューシーな味わいを楽しめます。

・「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー」(Amazon)
ヴィラージュ、という文字が入ると、ワンランク上になります。ブドウの栽培地区がより限定されるため、数量も限定されますが、より凝縮したタイプです。

・「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー ノン・フィルター」
これは、通常行われる瓶詰め前のフィルタリング(濾過)を敢えてしていません。それによって、味わいに厚みや豊かさが残ります。

・「ボージョレ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ」
こちら、「飲食店様用」のようですが、ヴィエイユ・ヴィーニュとは古い樹のことで、法律でのしばりはないのですが、アルベール・ビショーでは樹齢50年から100年のものをそう呼んでいます。古い樹になればなるほど、ブドウの実は小粒になり、房数も少なくなるので、より凝縮感や複雑みのあるブドウが収穫できます。

・「ボージョレ・ヌーヴォー オーガニック」
こちらは、有機農法で栽培された認証つきのブドウだけを用いて造られるもの。果実のピュアさがより表現されるのかもしれません。

ジョセフ・ドルーアンの醸造責任者、ヴェロニク・ドルーアン

ジョセフ・ドルーアンの醸造責任者、ヴェロニク・ドルーアン

■ジョセフ・ドルーアン
こちらも老舗。130年の歴史ある造り手で、ボージョレ・ヌーヴォーを初めて手がけたとも言われています。ちなみに、醸造家はドルーアン家の一員であるヴェロニク・ドルーアン。笑顔の美しい聡明な女性で、アメリカのオレゴン州の「ドメーヌ・ドルーアン」もすべて、彼女が醸造責任者です。
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー」(Amazon)
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ」(Amazon)

■ルイ・ジャド
こちらも150年以上の老舗。この造り手は、ボージョレ地方の「シャトー・デジャック」という素晴らしいワイナリーを入手したことでも知られています。また、ルイ・ジャドでは「ヌーヴォー」ではなく「プリムール」という言葉を使っています。
ボージョレ・ヴィラージュ プリムール」(Amazon)
ボージョレ・ヴィラージュ プリムール ノンフィルター」(Amazon)


お薦めの造り手「やや入手困難かもしれない2社」

若干入手困難かと思われますが、小さな造り手からも2軒ご紹介。

■シャトー・カンボン
ボージョレ・ヌーヴォー」(Amazon)
初めて飲んだ時に、とても驚いたのを今でもよく覚えています。ハツラツとした、光沢とハリのあるフレッシュな果物の香りと味わいが、とても印象的でした。「ドメーヌ・マルセル&マチュー・ラピエール」の、マチュー・ラピエールの作で、「自然派」という形容詞もつけられる造り手です。もちろん、ラピエールのアイテムも同様にお薦めです。

■メゾン・ル・デュモン
ボージョレ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ」(Amazon)
日本人の仲田晃司さんが手がけるワインです。スパークリングのクレマン・ド・ブルゴーニュも美味しいです! これは、樹齢70年の小粒なブドウをとにかく完熟するまで待ってから収穫をするという、とてもこだわりのある1本です。ギュッと詰まった濃厚な果実感が味わえるでしょう。ほか取り扱いサイト:こちら(ワインショップ、イ―エックス)

尚、大手3社のアイテムは、デパートのワイン売り場、成城石井などの高級スーパー、あるいは全国のワイン・ショップなど入手可能です。

シャトー・カンボンなどラピエールの場合には、「シャトー・カンボン」「マルセル&マチュー・ラピエール」と「ボージョレ・ヌーヴォー」の文字を組み合わせて検索してみると探せます。メゾン・ル・デュモンも、他でも探せるはずですが、確かなお店のみご紹介しました。


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