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業績急回復のTCL通信(02618)に注目!

TCL通信(02618)はTCL集団傘下のモバイル通信機器メーカーですが、主軸をフィーチャーフォンからスマートフォンへ上手く転換することによって、業績が急激に改善しています。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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業績急回復のTCL通信(02618)に注目!

業績急回復のTCL通信(02618)に注目!

業績急回復のTCL通信(02618)に注目!

TCL通信(TCLコミュニケーション、証券コード:02618)はTCL集団傘下のモバイル通信機器メーカーで、2004年に仏通信機器大手アルカテルと合弁会社、TCLアルカテル移動電話(当初出資比率:TCLが55%、アルカテルが45%)を設立した後、TCLが100%出資会社としたものです。同社は海外でフランスを中心に知名度のあった「アルカテル」ブランドで携帯電話を販売し、それが同社売上の82%を占めます。売上の8%を占める中国国内ではTCLのブランド名で販売します。

同社は、多くの家電メーカーと同様、ギリギリの利益率設定で販売増を目指す経営スタイルです。その為景気が悪くなれば損益分岐点を上回ることが困難となり、赤字に陥りやすく、株価も暴落しやすいという癖があります。しかし景気循環サイクルで再び浮上に向かうと、黒字回復や大幅増益を祝って株価大幅高となりやすいとも言えます。実際2008年金融危機で同社株は直前の高値から94%下落した一方、その後の回復局面で株価20倍以上となっていました。

しかしその後、ふたたび業績が悪化し、株価も大幅に下落していたのですが販売商品をフィーチャーフォンからスマートフォンへとうまく転換できたことで業績や株価が回復しているところです。

赤字から一転して大幅増益

業績は2013年7-9月期の3ヶ月間に劇的に躍進しました。1-6月(中間期)では売上は前年同期比25.8%増と増収でしたが、2億688万香港ドルの最終赤字でした。しかし、2013年7-9月期は売上が78.6%増、純利益は2億2303万香港ドルの黒字転換となりました。7-9月期の大幅な利益により、1-9月累計でも黒字に。

携帯電話の販売数量は、1~9月合計で24%増の3600万台、平均販売価格は42.2ドル(前年同期は35.8ドル)となっています。このうちスマートフォンの販売量は136%増の990万台で、販売全体の27%を占めるようになりました(前年同期は14%)。スマートフォンの売上は1~9月期合計で71億香港ドル(+114 %増)、このうち7~9月期だけで34億香港ドル(+121 %増)と大きく伸びています。そして、スマートフォンで新機種を投入したことで平均単価が向上しました。1-9月期の粗利益率は18.5%で前年同期の18.3%より少しの向上に留まりますが、7-9月期だけを見ると、各利益率は大幅に改善しています。

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