「中古マンションを買ってリフォームしたい」というニーズが増えています。水回り設備を最新のタイプに更新するだけでなく、和室を洋室にしたり、リビングルームを広げたり、自分のライフスタイルに合わせて好みの間取りに変更したいという要望も少なくありません。なかには内装をすべて取り払ったスケルトン状態にして、従前とは全く違うプランにリノベーションしたいという人もいるでしょう。

そんなとき注意したいのが、マンションの構造や設備仕様によっては、思い描いていたプランを実現できないケースがあることです。どのようなリフォームをしたいかによって、物件選びのポイントも変わってきます。そこで今回は、リフォームを検討している場合に、どこをチェックすればいいのかを紹介しましょう。

PS(パイプスペース)の位置に注目

まず、間取り図から読み取れるポイントから紹介します。間取り図といえば、寝室やリビングルームの広さ、位置関係などに目が向きがちですが、水回りの配置の変更を伴う大がかりなリフォームを考えている場合に、まっさきに目を付けておきたいのは「PS」です。

パイプスペースの説明をした図版
PSが排水縦管の入っているパイプスペース。キッチンや浴室から出る雑排水と、トイレから出る汚水を分けて2系統以上にするのが一般的
PSとは「パイプスペース」の略で、上下階の住戸を縦に貫通している「排水縦管」を納めるスペースのこと。このPSの位置は動かせません。そして、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備から出る排水は、床下に這わせた「横引き管」から「排水縦管」を通って流れてゆきます。スムーズに排水するために、横引き管を一定の勾配に保つ必要がありますから、縦管のあるPSと水回り設備をあまり離すことができないのです。

その結果、どこに水回り設備を配置できるかは、PSとの関係で決まってしまうともいえます。たとえば、現在、住戸の真ん中にあるキッチンや浴室を、バルコニー側に出して窓を付けたいと思っても、PSの位置によってはできない場合があるわけです。

PSをすべて共用廊下やバルコニー側など、専有部分の外側に出した「スケルトン・インフィル(SI)仕様」のマンションなら、水回り設備の位置が制約を受けることはありません。ただし、SI仕様のマンションは比較的新しく数も多くないため、築年の古い中古マンションで探すのは難しいでしょう。

間仕切り壁が取り外しやすいかどうか?

壁式構造の概念図
天井、床、壁などの面で支えるのが「壁式構造」。柱や梁型が出ないため、室内がすっきりして家具配置がしやすいといったメリットがある。その半面、構造壁が室内側に出るため、リフォームの際に制約になることがネック
間取り図から読み取れるポイントの2つめは、「構造壁」の有無です。構造壁というのは、鉄筋コンクリートなどで作られた建物を支える重要な壁のことで、取り外したり動かしたりすることができません。図2のような壁式構造のマンションの場合は、構造壁が室内に配置されているケースがあります。それが部屋と部屋の間仕切りになっていると、取り払って部屋を拡大することはできないのです。間取り図上の構造壁は、住戸と住戸の間にある戸境壁と同じ灰色で表現されていることが多いので、見た目でも判断できるでしょう。


間仕切り変更をしやすい間取り
構造壁でない間仕切り壁は、石膏ボードや合板などで作られているため、取り外すことは難しくない
一方、柱と梁で建物を支えるラーメン構造のマンションは、室内側に構造壁が出ないため、比較的自由な間仕切り変更が可能です。そのなかでも図3のように、2つの部屋が間仕切り壁1枚で隣り合っている間取りの場合は、間仕切り壁を取り払って部屋を広げるリフォームをしやすくなっています。