食事ダイエット/糖質制限ダイエット

糖質制限しないでダイエット!炭水化物と向き合う効果的な食事とは

糖質制限しない効果的なダイエット方法をお伝えします。確実に痩せると噂の糖質制限ダイエット。糖質ダイエットは、食事から主食である炭水化物や糖質を抜きますが、糖質は人間の三大栄養素の内の1つ。思い切って「糖質が太る」のイメージは捨てましょう。

佐々木 ルミ

執筆者:佐々木 ルミ

エクササイズガイド

糖質制限しないダイエットとは? 

糖質制限しないダイエットで無理なく痩せる! 

糖質制限しないダイエットで無理なく痩せる! 

糖質制限ダイエット・炭水化物抜きダイエット・ケトン式ダイエットなど、世の中には多くの糖質制限系ダイエットに対するネーミングがありますが、これらは基本的にすべて同じ、炭水化物や糖質を全く摂らなかったり摂取を制限するタイプのダイエットです。

実際、このダイエット法を試して痩せた方は多いかもしれません……一時的に。だってダイエットが終わってまた元のようにご飯(いわゆる主食)を食べればリバウンドは避けられません。ではこの先ずーっと主食・糖質を摂らないで生きていく?

ですが、思い出してみて下さい。 糖質は人間の三大栄養素のうちの1つ。決して悪いものではありません。むしろ摂らなくてはいけない栄養素で必要不可欠なエネルギーの1つです。日本人は三大栄養素の摂取割合を糖質約60%にするとよいとされています。そんな重要なエネルギー源を完全に奪ってしまってカラダにイイとはなかなか信じがたいですよね。

脳が使える唯一のエネルギー源はブドウ糖です。脳は糖質の摂取がなくなった場合、ぶどう糖に代わるエネルギー源としてカラダの脂肪を分解し、その時に肝臓で作られる「ケトン体」をブドウ糖の代わりに使うことが出来るので、意図的にその状態を作る「ケトンダイエット」などもありますが、その場合は糖質の摂取を極端に制限し(摂取総カロリーの5%以下)約60%を脂質から摂る必要があるので、なかなかハードルの高い方法です。リバウンドを避けて美味しく食事を摂りながら自然な減量を求めている一般のダイエッターにはあまりおすすめできる方法ではありません。

いわゆる主食や糖分の入っているであろうものを一定期間我慢して頑張って痩せたとしても、大切なエネルギーが不足しているからフラフラしたり、集中力がなくなったり。そして少し痩せられたからと、食事を元に戻せばリバウンド。

この際思い切って「糖質が太る」のイメージは捨ててしまいましょう。もちろん糖質を摂り過ぎれば太るけど、それは糖質に限らず、です。たんぱく質だって脂質だって、摂り過ぎればカロリー過多で太ります。

今まで糖質制限をしてリバウンドしてしまった方は、極端に糖質を抜いた方に多いのではないでしょうか。カラダに重要な栄養素が体内に一定期間入ってこなかった状態から普通に糖質の量を戻せば、カラダは「次にまたいつこのエネルギーが入ってくるかわからない!」という危機感から、そのエネルギーを体内に蓄えようと働きます。

手っ取り早く痩せたいからと、重要な栄養素である糖質を極端に制限するなど手荒な方法はとらずとも、糖質を良く知り正しく付き合えば、もっと美容によく健康的にダイエットを成功させることが出来ます。

今回の記事では、糖質を摂りながら健康的にキレイに痩せるため、まず糖質と炭水化物の違いをおさらいしましょう。そして、1日に最低どのくらいの糖質をとるべきか?の疑問にお答えします。  

炭水化物とは、食物繊維が含まれている糖質のこと

糖質を制限するタイプのダイエットを試そうと思っているなら、炭水化物と糖質の違いを知りましょう。「違い」というからには全く違うものかと思いきや、実はそうではありません。

簡単に言ってしまうと、「炭水化物=糖質+食物繊維」。

要は、炭水化物とは食物繊維が含まれている糖質のことです。食物繊維は野菜やキノコ類・海草などに多く含まれているというイメージが大きいので、まさか食物繊維が炭水化物に分類されているとは!と驚く方もいるかもしれませんが、実は食物繊維は消化酵素でも分解(消化)できない炭水化物と分類されているのです。
 

正しい糖質制限ダイエット

まずは糖質について「避けるべき糖質を知る」ことから始めましょう。糖質は単糖類と二糖類、多糖類の3つに分類され、ほとんどの糖が最終的にはブドウ糖にまで分解・吸収されエネルギーとなります。

■単糖類・二糖類
いわゆる「糖類」と言われているのがこの2つ。ビールなどに「糖類ゼロ」と表記されていたらこの2つの種類の糖質が含まれていないという意味になります。
  • 単糖類の種類
  1. 穀物や果物に多く含まれるブドウ糖
  2. 果汁や花の蜜などに多い果糖
  3. 動物の乳汁を構成する成分のガラクトース
  • 二糖類の種類
  1. 砂糖の主成分で、ブドウ糖と果糖が結合しているショ糖(スクロース)
  2. ブドウ糖とガラクトースが結合している乳糖(ラクトース)は乳児にとって重要な栄養分。
  3. 麦芽や水あめの主成分でブドウ糖が2個結合している麦芽糖。

甘みを強く感じるのがこの単糖類や二糖類の特徴です。この種類の糖質は素早くブドウ糖に分解され体内に吸収されるので迅速にエネルギーを得ることが出来ますが、その反面、その多くのGI値は高く、血糖値が急激に上昇・下降するという傾向にあり、それは食べ過ぎや肥満の原因にもなり得ます。

アスリートや普段トレーニングをしている人などの運動前後のエネルギー補給にはオススメの糖質ですが、ダイエッターが普段とる食事としてはあまりオススメできません。

なので「正しい糖質ゼロダイエットは、この糖類を避けること」となります。

■多糖類
上で説明した単糖が多数結びついているものが多糖類と呼ばれ、多糖類には多くの種類があります。
  • 主な多糖類
  1. 私たちの主食、穀類や芋類・豆類などに多く含まれるデンプン
  2. 筋肉や肝臓に存在する貯蔵エネルギー源のグリコーゲン

ペクチンやマンナン、セルロース、最近特に注目されているβ-グルカンなどもこの多糖類の1種。このタイプの糖は複雑な構造で糖分子が連結しているため、消化・吸収に時間がかかり長時間にわたり満腹感が持続します。まさにダイエッター向けの糖質と言えますね。食品では穀類、イモ類、豆類、貝類、海老やレバーもこの多糖類です。

ここでちょっと待った!

避けるべき糖類と摂るべき糖質の両方に穀物が入っていること、そして果物に多く含まれる果糖が避けるべきものの中に入っていることにお気づきになりましたか?
 

ダイエットに向いている食材……穀物と果物は条件付きでOK!

■穀物
避けるものの中に穀物が入っていますが「炭水化物=穀物=ブドウ糖」ではないという事を覚えておきましょう。避けるべきは糖類であるブドウ糖。確かに穀物である炭水化物にはブドウ糖が含まれていますが、その約90%はデンプンで、食物繊維も多く含まれているため摂るべき糖質に含まれています。ただし、賢く選んで摂ることが大事。

■果物
果物には果糖の他、避けるべき糖類であるブドウ糖やショ糖も含まれてはいますが、水溶性食物繊維も多いため糖の吸収は緩やかになり、果物に含まれる糖は糖類の中でも血糖値を上げにくい糖と言われています。(GI値はブドウ糖の100に比べ果糖は19)

そして果物にはビタミンや水分、食物繊維が豊富に含まれており、カロリーも少なく満腹感も得られやすい為、ダイエットには向いている食材となります。ただしこちらも食べ過ぎには気をつけて下さいね。
 

糖質ゼロダイエットは効果的ではない? 糖質の1日の最低必要量

炭水化物は様々な食材に含まれています。

炭水化物は様々な食材に含まれています。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)には、1日に必要な炭水化物は全ての総エネルギー必要量の50~65%を目標量とするとの記載があります。仮に基礎代謝を1500kcalと想定した場合、その人の1日に必要な炭水化物からのエネルギーは750kcal~975kcalとなり、それは約188g~244gの糖質に匹敵します。

この記事の初めに、糖質は脳の唯一のエネルギー源と言ったのを覚えていますか? 厚生労働省によると脳のエネルギー消費量は、基礎代謝が1500kcalの人の場合1日で約300kcalになるので、脳だけで1日に必要なブドウ糖は75gと想定されますが、脳の他にもぶどう糖をエネルギー源として利用する組織がある為、ブドウ糖の必要量は少なくとも1日約100gとの記載があります。

それらを踏まえると、健康的にダイエットしたい方の1日の糖質必要量は、少なくとも約100gと考えられるのではないでしょうか。もちろん、これは1500kcalの人を例に挙げた数字なので、基礎代謝が1100kcalの人は最低約80gと推定されます。そして運動している人や、生活活動量が多い人などは、それよりも多めに摂るなどの対応が必要です。自分の体調やカラダの声に耳を傾け、無理のないようにダイエットしましょう。

糖質の摂取量が減り十分なエネルギーが得られなくなったカラダは、脂肪を分解する時に出る脂肪酸を肝臓で作り変え、ケトン体というエネルギーを生み出し、それがぶどう糖の代替エネルギーにもなるのですが、この記事では、無理なく健康に糖質制限ダイエットをすすめるという趣旨のため、最低限の糖質必要量を求めています。

早く結果が欲しいからと極端に減らした生活を送っていると、その後のリバウンドリスクを高めるどころか、健康を害してしまう可能性もあるので十分注意して下さいね!
 

糖質含有量が多い主な食品の糖質量

糖質を○○gと言われてもなかなかピンとこない人はこれを見て感覚をつかみましょう。右の数字が糖質の量になっています(数字はすべて目安となっているので、量や種類によって多少のずれがあります)。

■主食
  • 白米1膳(150g)=55g
  • 玄米1膳(150g)=53g
  • おもち(100g)=50g
  • 白食パン(6枚切り1枚)=29g
  • うどん(100g)=21g
  • 蕎麦(100g)=24g
  • 中華めん(100g)=29g
  •  パスタ(100g)=70g
■豆類
  • 乾燥小豆(100g)=41g
  • 納豆(100g)=5g
  • 絹ごし豆腐(100g)=1.7g
  • 豆乳(100g)=3g
■果物
  • 大きめのバナナ1本=42g
  • 中くらいのリンゴ=30g
  • 中くらいのグレープフルーツ=20g
 ■野菜
  • ブロッコリー(100g)=7g
  • かぼちゃ(100g)=18g
  • 人参(100g)=6g
  • じゃがいも(100g)=16g
  • さつま芋(100g)=29g

肉類や魚介類、ここに上げなかった野菜などは糖質の含有量が少なめなのであまり気にしなくても摂り過ぎにはなりづらいでしょう。食事の中の糖質の量を100%把握するのはなかなか難しいかもしれませんが、食品の栄養成分表をチェックするなどして自分がどれくらいの糖質を摂っているかを何となくでも把握することが、正しく安全に成功する糖質制限ダイエットに繋がります。

無理して主食を我慢することはもう必要ありません。しっかり正しく糖質をとり、ダイエットを成功させましょうね!

【関連記事】
【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で人気のダイエット用品を見るAmazon でダイエット関連の書籍を見る
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ダイエットは個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮したうえで、正しい方法でおこなってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    (ミーコ)明日きれいになれる!ビューティ特集&コラム

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます