ロック・ポップス/国内ロック・ポップス、80年代の名盤の口コミ

いち早くアジアを歌ったユーミン「水の中のアジアへ」

松任谷由美の11枚目となるアルバムです。4曲入りのミニアルバムですが、それまでのアルバムとは一線を画した作品といえるでしょう。全曲がアジアを舞台に設定し、アジアをないがしろにしていた当時の日本の風潮に、警鐘の意味も含めた作品です。

投稿記事

ユーミンの名作と呼ぶのに相応しい作品

■アルバム名
水の中のアジアへ

アーティスト名
松任谷由美

■おすすめ理由

1981年5月にリリースされた松任谷由美の11枚目となるアルバムです。
4曲入りのミニアルバムですが、それまでのアルバムとは
一線を画した作品といえるでしょう。
まず全曲がアジアを舞台に設定していると言うこと。
音楽業界に限らずこぞって欧米の方を向いていた時代、
アジアに目を向けた詩と曲を書いたというのは、アジアをないがしろにしていた
当時の日本の風潮に警鐘の意味もあったのかも知れません。

『スラバヤ通りの妹へ』

インドネシアが舞台の『スラバヤ通りの妹へ』では、
過去の日本を知る年寄りの刺すような視線が
少女と気まぐれに戯れているように見える
日本人に向けられている様子が歌われていて、
年寄りの心情と主人公の当惑する姿を思うと胸が締め付けられるようです。
それに対してはにかみながら歌を教えてくれる
純真な少女の笑顔も眼に浮かび
その姿が救いであり未来の希望のように思えます。

ユーミンの歌を聴くといつもその情景が映画のように
頭の中に映し出されますが
この曲もその代表的な一曲だと思います。

『大連慕情』

恐らく戦時中に満州で戦死したのでしょうか。
亡き父からの手紙を見つけ、遠い大陸の街に想いを馳せる娘。
当時この曲に心を揺さぶられて、満州や大連と日本の関わりや歴史を
調べたという人がいました。
ユーミンにしては素朴ともいえる詩です。
しかし想いは切々と伝わり、
聴いているうちに気持ちは遥か北の街大連へと飛んでいる……。
そんなスケールの大きな曲です。

ここでは2曲だけ取り上げましたが他の2曲も含めまさに
名作と呼ぶのに相応しい作品です。

尚、このアルバムは第23回日本レコード大賞
ベストアルバム賞(1981年)を受賞しました。


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