ロック・ポップス/海外ロック・ポップス、80年代の名盤の口コミ

トム・ウェイツのギター・アルバム 「Rain Dogs」

ピアノの弾き語り形式で唄っていたトム・ウェイツ、「レイン・ドッグ」はそれまで以上の「ギター・アルバム」としての評価がされています。訳ありなアメリカ人達の日常を、ワン・アンド・オンリーな声と作風、ピッチのずれたギター感覚で表現し、妙な一体感を帯びて聴く者を魅了してくれます。

投稿記事

キース・リチャーズなど著名ギタリストが多数参加!

■アルバム名
Rain Dogs

■アーティスト名
Tom Waits

■おすすめ理由
70年代にピアノの弾き語り形式でジャジーに、うらぶれたビート文学の断片のような詞を綴り、しわがれたハスキーボイスで唄っていた酔いどれ詩人トム・ウェイツ、彼が85年にリリースした本作「レイン・ドッグ」は、それまで以上の「ギター・アルバム」としての評価がされています。

ピアノがお得意な彼は、ギターだって同じくらい好きな楽器だそうです。
そこで方々から名うてのギタリストを呼んで制作にあたりました。
一連のトムの作品ではお馴染なマーク・リボー、G.E.スミス(ホール&オーツのサポートメンバー)、クリス・スペディング(ジャック・ブルースやブライアン・フェリー等と共演)、ロバート・クワイン(元リチャード・ヘル&ヴォイドイス)といった著名ギタリストを起用、その他にボブ・ディランのサポート・ベーシストのトニー・ガルニエ、キング・クリムゾンのトニー・レヴィン、ホール&オーツのサポートドラマーであるミッキー・カリー等が参加しています。

何より話題になったのが、キース・リチャーズの参加です。
いきさつは至ってシンプルで、長年トムはキースのファン、そこでスタッフがダメ元で連絡を取ったところ、すんなり了解を得たことからです。
両者の交流はその後も続き、ローリング・ストーンズのアルバム「ダーティ・ワーク」(1986年)のレコーディングにトムは参加し、キースもその後のトムのアルバム「ボーン・マシーン」(1992年)にて再びゲスト参加し、お互いをリスペクトしているようです。

このアルバムの音楽性は、軽快なロックンロールやポップスとは真逆に位置します。
まるで洗練されていない、大衆音楽のうらぶれた雰囲気に包まれています。
乾いた風と太陽降り注ぐカリフォルニア・サウンドの流れるアメリカがあるのと同様に、夜の見世物小屋のフリークスや、ブルー・ハイウェイ(裏道)を人目を避けるかのようにウロウロ歩く、訳ありなアメリカ人達の日常を、ワン・アンド・オンリーな声と作風、ピッチのずれたギター感覚で表現しています。
しかしそれが妙な一体感を帯び聴く者を魅了してくれます。

「ローリング・ストーン誌が2003年に選出したオールタイム・グレイテスト・アルバム500」で397位に、「ピッチフォーク・メディアが選出した80年代トップアルバム100枚」で第8位に選ばれています。


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